武ニュースDiary


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2003年04月01日(火) レスリー・チャンと金城武 (小話)

数年前、ある陽差しの明るい午後に、
私はクラスで一番の仲よしの麗麗と、什刹湖にボートに乗りに行った。
この一学期の間、一度行ってみたいとずっと思っていて、それがようやくかなうのだ。
心も軽くそこに着き、まっすぐ貸しボート屋に行った私達は、値段を聞いて呆然とした。
保証金が50元必要だというではないか。
2人でポケットを引っくり返したが、合わせてみても50元には足りない。
私達はしょげ返ってしまった。
どうする? 引き返すか? いや、そんな気にはなれない。
私が考え込んでいると、麗麗が口を開いた。
麗麗は小さなビニールの財布から、1枚のレスリー・チャンのピンナップをうやうやしく取り出した。
それを両手でささげ持ち、貸しボート屋の番人のおじいさんに差し出すと、厳かに言った。
「これは私の一番大切なものなんです。これを保証としておいていきます。
必ず戻ってきますから」
おじいさんはそれを聞いて声をあげて笑った。
そして麗麗の心からの言葉に打たれたのかどうか、
どにかく保証金を預けず、ボートに乗ってもよいと言ってくれたのだ。
ボートに乗り、ドキッとはしたが願いはかなった今、私は彼女への「尋問」を開始した。
「あんたの一番好きなのは、今でも彼?」
麗麗は謎めいた笑いを見せると、あの財布を開き、別のポケットから金城武の写真をのぞかせた。
そして得意げに声をひそめて言った。
「彼(金城武)が、今は一番好きなの」
今になっても、話があのときのことに及ぶと、私達はやっぱり、クスッと笑ってしまうのである。

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別に武でなくてもいい話なんですけどね。
去年の北京娯楽信報に載った小話です。(2002.9.4)


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