武ニュースDiary
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2003年02月18日(火) |
甘國亮の話(「恋する惑星」の頃) |
1995年のインタビューです。
<王家衛監督が、毎回出演俳優を選ぶのは、もちろん少しも気まぐれなんかじゃなくて、 彼は自分の勘と縁を大事にする。 それで、私は彼が「恋する惑星」の撮影にとりかかるとき、 1人の若い子を推薦した。 その子の名前はタケシ・カネシロという。(彼はタカシと発音しています)
王は初め彼を日本人だと思った。後になって日本人でないとわかったとき、 関係ない奴らが王に……関係ない奴というより、讒言(ざんげん)する奴だな、 あれやこれや言って、彼を使わないように勧めた。 広東語がだめだって言って。 私はそれを聞いて腹が立ってね。 それから何ヶ月か経って、やっと金城武は王の新作の出演者となったんだ。
演技の天分があるということはまれなことではない。 しかし、赤子のように純真な心を持つことは、 求めて得られるものではないと思っている。 金城武はその特技を持っていると思うよ。
当時、「恋する惑星」でこういうシーンがあった。 王家衛が金城武に、去っていくとき、眠ってるブリジット・リンのハイヒールを手にとって、 それを拭いてきれいにしてから出て行けるかと言った。 王は予想しなかったんだ、本番で、彼がまさかネクタイを持って、 こんなふうにハイヒールを拭いて出て行くなんてね。 思いもよらなかったし、指導もしなかった。 それで彼は思った……この俳優には心の内から発する感情があると。
その後、一度ならず彼が言ってたのを覚えてるよ、 「なぜ金馬奨で、香港の電影金像奨で、 金城武がノミネートされないんだ?」って。 彼が金城武に心中深く満足してたってことの証明だろう?
金城武は、これから変わっていくのか…… 香港の普通のアイドルのような方に行ってしまうのか、 あるいは一種、崩れたような感じになるのか、私にはわからない。 予想するのは難しい。若い人には無限の進む道があるから。 だが、私たちは、彼はそういう風にはならないでほしいと思う。 彼は本当に子どもだよ、とっても若い>
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