武ニュースDiary


* このサイトはリンクフリーです。ご連絡はいりません。(下さっても結構です。^_^)
* 引用は、引用であるとわかる書き方なら、必ずしも引用元(ココ)を表示しなくても構いません。
* 携帯からのアドレスは、http://www.enpitu.ne.jp/m/v?id=23473 です。
* 下の検索窓(目次ページにもあり)からキーワードでDiaryの全記事が検索できます。
* バナーは世己さんから頂きました。
* Se inter ni estus samideanoj, kontaktu al mi. Mi elkore atendas vin, antauxdankon!


目次前の記事新しい日記


2003年02月17日(月) 天使はなぜ舞い戻ったか?●見出されて次のステップへ・「恋する惑星」の場合

天使はなぜ舞い戻ったか?

映画「ラベンダー」は、なかなか日本に来ないのにしびれを切らし、
DVDで繰り返し見た上、小説まで熟読。ですから、
ようやく実現した日本公開も、大きなスクリーンで見たらどうだろう――
ぐらいの期待で見に行きました。
以後、3回見たわけですが、不思議ともう1回見てみたい、という気になるのです。
武の役としては、私は天使派よりミヤモト派ですが、
映画のあのテンポで、時間を登場人物たちと共有することで、
心が落ち着くというのでしょうか、柔らかくなって映画館を出てこられる気がします。

***

さて、もしあれがアテナの夢だったとしても、
天使自体、もともと夢のような存在ですから、彼はそれとして、いた、
と言うこともできると思います。
しかし、チャウチャウは? 現実の彼も同じような夢を見ていたのでしょうか?
あの、「ディスカバリー・チャンネル」で世界旅行をしていたトウ夫人は?

トウ夫人は、実際にはアテナには何も言わなかったのかも知れません。
実は独身だということ、消せない恋の思い出があること……
アテナも、ちょっと俗物の、教室のお客としか受け止めてなかったかも知れない。
でも、トウ夫人の存在そのものが、知らず知らず発信していたものを
アテナも無意識に感じていて、夢の中で、彼女の内面を理解したのではないか、
そんな気もします。気づかせてくれる夢の力。

***

武エンジェルは今回も、素晴らしい表情を何度も見せてくれますが、
最後に、空から舞い戻って口づけし、離れる一瞬、アテナを見るところが、
個人的に大変好きです(ほんとに一瞬ですが)。
香港のDerrickがHPリニューアル前に、「ラベンダー」のストーリーを、
彼自身の言葉で画像つきの短い物語にしてアップしてくれていました。
そこで、この最後のキスシーンを、
「エンジェルが空から戻ってきて、祝福のキスを送った」というように
表現していたのにハッとしたことがあります。

人を愛することを知ったエンジェルですが、その未練のために舞い戻ったと思うよりは、
別れは確かに辛いけれど、再び生きる力を取り戻したアテナに、
最後に祝福を送って帰っていったという方が、天使らしいと思いました。
ただの男に成り下がるのでなく、より深い愛に昇華したんだと解釈したとき、
私にとっての「ラベンダー」が、より納得できる物語になりました。
他の人は、また違うでしょう。
見る人それぞれに、そのような、解釈の余地を与えるだけのものを持っているから
単純そうに見えて、この映画は飽きないのかも。
Derrickが、またアップしてくれるといいんですけど。

***************

ところで、去年、雑誌「ViVi」が、
「リターナー」の武へのインタビュー記事をモノクロで1ページ掲載しましたが、
ここがWebページを持っていたのに今ごろ気がつきました。
文章は同じですが、写真が違うのですね♪〜
もし、まだご存じでなければ、こちら


見出されて次のステップへ・「恋する惑星」の場合

誰か(それもその業界でしかるべき地位と実力を備えた人々)に見出されて――
と言うのは、「恋する惑星」もそうだからです。
時間が少し先に飛びますが、
自分が今あるのは王家衛監督のおかげ――と武自身が言うとおり、
重大な転機になったこの名作に抜擢されることになった理由については、
「……会った事もなかったんです。僕の写真を見ただけで突然「出ろ!」って言ってきた。
それも僕が話を聞いた時には、撮影まで1週間位しかない」
(「恋する惑星」パンフレット)
この金城武の言葉がずっと流布していました。
本当に監督はそう言ったんでしょう。

しかし、実は人から薦められて決めたのだということを、
私が初めて読んだのは、暉峻創三によるインタビューです。
(『香港電影世界』1997)

「無数にいる新人の中で彼をどのようにして発見したのですか」という
質問に、王家衛は、香港のニュートン・ホテル・カウルーンの
喫茶店で甘國亮(カム・コクリョン)と話していたとき、
偶然、ホテルに泊まっていた金城武が姿を見せたと次のように語っています。

<ここで僕は『恋する惑星』に出演してもらう…新しい血の件で
彼に相談してたんだよ。そこにちょうど、金城武が
友だちとコーヒーを飲みにエレヴェーターで降りてきた。
彼も別の仕事で偶然このホテルに滞在してたんだ。
それを見た甘國亮が「あいつは素晴らしいぜ」って言う。
そこで僕は「OK、あいつでいこう」って言った>

撮影の始まる2,3週間前のことだったそうです。
甘國亮は、1954年生まれ(ちなみに王家衛は58年生まれ)、
俳優・脚本家・監督・プロデューサーとして多彩な活躍をする映画人で、
最近「パープル・ストーム」で久々に俳優に戻り、大変好評のようです。
王家衛が、インタビュアーの
「あなたにとっては親分である甘國亮ですね」との問いかけに答えて、
「いや親分ではない。師だ」と訂正するほどの人です。

その甘國亮本人が、そのあたりのことについて、
台湾のテレビで語っていますので、それを次の項に。




前の記事あさかぜ |MAIL

My追加