(仮)耽奇館主人の日記
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2006年01月06日(金) |
暖房なしでこの冬を乗り切るのこと。 |
会社で同僚にいきなり土下座されたので、何事かと思ったら、「頼むから、犬神んちに暖房を入れてくれ!」とのことだった。 失礼な、一応、オレんちにも暖房あるわ。 石油ストーブがひとつだけだけどな。 しかし、彼らの言う暖房とは。 ホットカーペットに、こたつ、エアコン、ファンヒーター、それらが揃ってはじめて、「暖房」と言うらしい。 そう言えば、去年のクリスマス前に、うちに鍋焼きうどんを食いに来た会社の部下たちが、何でエアコンつけないんですかと文句言って、勝手にリモコンを作動させたことがある。 別に壊れているわけではないのだが、エアコンの中にコウモリが棲みついてしまって、作動させると、中から飛び出して、部屋中を飛び回ってうるさいから使わないだけなのだ。 で、鍋焼きうどん食ってる最中に、二匹のコウモリの襲撃を食らい、みんなでキャーキャー大騒ぎを展開し、私が二匹とも、人差し指と親指で首をひねってお陀仏にしてしまうまでは、あっちこっちと逃げ回っていた。 そこで、私はニヤッと笑って、「あったまっただろ?」。 とにかく。 戦後最大の寒波といわれる今冬。 石油ストーブひとつだけじゃあ、私だってしんどい。 金がないわけじゃないんだから、ここはひとつ、エアコンから何から買い換えたり、買い足したりしてもいいのだが、今ひとつその気になれないのは、私自身が生命の危機を感じるほど寒いと思っていないからだ。 新潟でさんざんヤバイ目にあってきているので、凍死しない程度であれば、大丈夫だとたかをくくっている。 第一、お寺では、子供の頃から暖房が最低限の設備しかなく、いつも足の指がもげてなくなってしまいそうな、凍てついた板の間、廊下を歩いてきたし、水垢離で、氷の張ったタライを割りながら、その水を頭からかぶったりしてきた。
心頭滅却すれば火もまた涼し。
祖父はこの言葉がほんとうに大好きで、夏は扇風機すら回さず、冬は火鉢すら出さなかった。何事も精神の鍛錬だってことで、私もさんざんしごかれてきたので、追い詰められなければ腰をあげないくらいに、図太く、鈍くなったわけである。 実際、これを打っている早朝の今、私はオリンピックで買ったトレーナー姿に裸足という格好で、ストーブはつけておらず、熱いお茶で暖をとっているという現状である。 寒くないのか?と問われたら、寒いと答える。 しかし、我慢出来る寒さかと問われたら、何とか我慢出来ると答えるだろう。 でも。 同僚や部下たちは、精神鍛錬の名目上、私と同じく我慢してもらうが、お客さんとなるとそうもいかないだろう。 実際、初対面のお客さんが来宅した時、ずっと外にいるのと同じ格好をしていたくらいなのだから。 しょうがない、お客さんが来た時だけ、こたつ出すか。 とにかく、二月が終わるまでの辛抱だ。 三月になれば春。 寒さを風物詩として楽しむだけ楽しんでやる。 今日はここまで。
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