喰いえるコトなど

グルメ?何それ?ウマイはウレシ、マズイはタノシ。
いわゆるひとつの食い意地日記

2004年11月20日(土) 日本の婦女子失格(繊細な神経の方、ベジタリアンの方、お食事前にはお避け下さい)



はい。長い時間の国の住人になりたい私ですが。

やはり日本国という場所に在るべき婦女子としては、
まったく失格なんではないかと思う。

展覧会を見た後は、仕事のリサーチといった名目で街をフラフラ。
(このサイト内、ズズッと下
「お茶の時間(すっかり本人の日記と化した、掲示板だったハズのもの)」参照)


時間もないのに、今現在必要なリサーチ以外にも目が止まり、
興味の引く箇所にはドンドコ立ち寄ってしまう。

そんな立ち寄り場の一つに昆虫の標本があった。


細いピンで同体を貫かれたその様にはやはり、
痛々しさを感じざるを得なかったが、
標本になった蝶や昆虫を見て、そう感じるより
大きな欲望が私の感情を占めた。

美しく緑がかった黄金色や、青銀に光る羽、
そして産毛(と呼ぶのか?)の生えた胴体、
黒光りする堅くツルツルであろうはずの背中に触って見たいと。


特に
「産毛の生えた胴体が生命を持っていたとしたら・・・」そう考えると、
温度も適度でその触り心地はさぞやビロードのように好ましかろうと、
マジマジとケースのガラスが透けてなくなるくらい眺める始末。

ええんか、それで?




そういえば、つい先日もそうだ。

やはり街をフラフラ歩いていた時の事。

イタリアンレストランの店先に、足を括りつけられ、
逆さに釣られた本物のウサギがぶら下がっていた。


どういう意味だか良く知らない。
10月の下旬だというのに、

「イースターウサギか?いや、あれは春先。
ジビエのスペシャルが入った合図?
でもジビエってフレンチ・・・?
ま、コース料理のイタリアンにはありか。
そういえば、生まれて初めて連れてってもらった
キチンとしたイタリアンレストランでは
兎肉がコースに出たなー」

など、つらつら思考が浮かぶにまかせてはみたものの、
映像の記憶は別の場所で見た、
やはり吊るされた兎のビジュアルがフラッシュバックしてくる。

そうして、私の取った行動は・・・。

店先に吊るされている兎を指先で
ツンツン突くといったものだ。


脳みそって器用だ。


目の前にある、吊るされた兎の、
イタリアンレストランにおける意味について思考を巡らせたり、
過去に体験した同パターンのビジュアルを
フラッシュバックさせてみたり、
あわせて別に好奇心を湧かせ、
実際それを確かめる為の行動を取らせ、
加えて同時に、全てを客観的に見て
「脳みそ、器用ねー」と感想を抱く。

ええんか、それで?



日本の正しい婦女子としてはこうではなかろうか。



昆虫の標本を見ては

「いやー、残酷ぅ。ってか、昆虫って気持ち悪いのよぅ」

と、ほざ・・・もとい、と呟き、
街角に本物の兎が吊るされていようもんなら、
見て見ぬ振りで足早にその場所から遠ざかる、
もしくは

「いやっ、いやよ!!可愛い兎ちゃんをあんな風に扱うなんて。
よくも兎ちゃんの肉を、肉を、肉を・・・」

と、辺り構わず叫び散らし、
その行為を糾弾しつつ意味もなく奔り去る・・・とかかな。



日本の婦女子失格の私としては、
標本の昆虫が生命を持った時の産毛の生えた胴体の触り心地は
上手く想像出来ても、
正しい日本の婦女子としての在り方は正しく、
否、正しくなくても良いのだが上手に想像できない。



うん、どう考えてもやはり日本の婦女子失格、合格。







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