喰いえるコトなど

グルメ?何それ?ウマイはウレシ、マズイはタノシ。
いわゆるひとつの食い意地日記

2001年10月25日(木) 奥深きは豆の味哉-その壱

電車の乗り換えで通った駅のコンコースで、
木の実などの販売をしていた。
そのまま通り過ぎようとした時、目の端に
小さな赤いノボリに染め抜かれた黒い文字が入ってしまった。
「丹波黒豆甘納豆」

!!!!!んなぁに〜〜〜〜〜!丹波黒豆甘納豆だと!?


はじめて丹波黒豆の存在を知ったのは、食い道楽の友人宅。
キッチンのカウンターに無造作におかれていた枝豆。
豆の莢の膨らんだ部分が大きくて、
しっかりとした豆が中に詰まっていそうなのが見てとれる。
莢を支える枝も、ついさっき
畑から収穫してきたかのように状態がイイ。
ただ気になったのは、莢の緑がなんともどす黒い事。

しばらくすると、おばちゃんが茹でた枝豆を振る舞ってくれた。
莢から出した豆のひと粒ひと粒も灰色かかった緑。
ひとまず、口にいれてみる。
!!!!!…………………………………なんじゃ、こりゃ!
ものごっつい美味しぃいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜。

普通の枝豆も好きなんですけど、なんと言っていいのか。
ふくらみの在る味とでもいうのか。

その後しばらくして、東京に帰った私の元に友人から
品名欄に「食品」と記入された宅配便が届いた。
その無骨な包みを開けてみると、
中にあったのはどす黒い色の枝豆。
枝豆の房に添えられた小さなメモには、たった一言。
「めちゃくちゃ美味しそうに食べてたから、喜ぶかと思って」
もちろん大喜び。猫、まっしぐら状態ですわ。
早々に茹でて、大量の枝豆をおいしくたいらげた。
友よ、ありがとう。

私はあの日知った「豆の味世界」の奥深さを、
改めて思い知らされた。

そう、あの日。ひさしぶりの帰郷。
なつかしい友人と会い、お互いのイロイロを話したり……
????????したっけ?

「なんかあったやろ?」と思うのだが、
あの日の事で思い付くのは豆の事ばかり。
どうやらあの日、「豆の味世界」の奥深さへの感動のあまり、
人様の家におじゃまする時、
通常礼儀としてあるべき大切な様々なモノを
棚の上に置きっぱなしにしていたようだ。
遠慮とか、奥ゆかしさとか、大人としての恥じらいとか、
たしなみとか、人の話を聴くとか。

私はこの日、自分の食い意地の張り具合を思い知った。
友よ、スマン!!



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