2001年05月14日(月) |
喰いえるコトなど ウマイはウレシ、マズイはタノシ |
はじめまして。今はずいぶんと前。
仕事関係の人々と温泉に行った。 そこはなかなかに立派な温泉宿でした。 ひと風呂もふた風呂もあびて、のんびりゆったりして。 部屋に用意された、コの字型に組まれた長テーブルで食事をとった。 もうすこし、人数は多かったが、こんな具合に席を取った。
a| |e b|_|d c
かなり昔の事なので、具体的にはメニューも覚えてない。 なかなかに立派な旅館の夕食は、やっぱりなかなかにどころか、 とてもとても立派で、ひたすらに美味しかった。 皆、思い思いにくつろいで。場はなごやかでイイ感じ。 食事は進むし、ビールもおいしい。 私はといえば、今以上にお酒に弱く、 もっぱら丁寧に作られているであろう食事に、 舌鼓をうつのに夢中。
そんな中、bがcに申し付けた。 b「dさんにビールを渡して」 c「はぁーい」
cはすみやかに、申し付けを実行した。 左前方に左手をのばし、手でビール瓶を受け取る。 その手をそのまま右方向に差し出し、ビール瓶をdに手渡した。 右手に箸を握ったまんま……。
一見cがいる席は上座に見えるが、その日はそうではなかった。 cが座った席はひとり席。
そこは本当に立派な温泉宿で、会社からの慰安ででもなければ、 参加できるハズのなかったc。 恐ろしくて、はっきりと値段を確認した訳ではないが、 そこでの一泊の値段は、安ビジネスホテルで一週間は宿泊できたハズだ。 参加者の家族構成やら、親密度やら、席の数やらで、 その日一番ぺーぺーのcが、ひとり席に座っていたのだった。 さらに言うとbはcの上司で、dはb、cの取引先の御得意さん。
何故か一瞬、静まり返ったその場の静寂の意味に、cが気付くハズはない。 なぜならソレは目の前の食事に夢中だったから。 ましてや自分がその一瞬前にした行動など、意識しているハズもない。 なぜならソレは目の前の食事に夢中だったから。
d「どわぁはっはっはっ!!!!!見た?」 a「見た!見た!!こいつ、ビールを人に回す時にも、箸を離しよらん!!!」 b「おまえ、何考えてんねん!!!」 e「何って、目の前の食事の事だけに決まってるじゃないねぇ〜、 キキちゃん(仮名)。あははははは!!!」
………………………………ええ、その通りです。 ………………………………ええ、食べる事に夢中でした。 ………………………………ええ、そんなcが私です。
当時一緒にいった皆さん、笑ってくれてありがとう。
それから時は流れ、住まいも職場も変わったけれど、 食い意地の張り具合だけは一向に衰える気配ナシ。 あまりに食べる事が好きで、食べ物の事を考える事が好きで。 こうして喰らうコトについて、つらつら書き付ける事にした。
美味しい話ばかりではないけれど、 かなりの空想好きでして、 時に流れのまま、思い付くまま、話を作る事もありそうです。 そんな時には、どうかひとつ、 寛大なお心でサラリとかわしてくださいね。
それではなにとぞ、よろしゅうに。 こちらに来たのも何かの縁、気がむいた日にはレッツ投票よろしゅうに。
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