このまま 戻らなかったら どうしようと思った
帰省前の終業時に 職場の鍵を 事務所に忘れて行った それがわたしのと知って 同僚のあらぬ妄想を 掻き立てたらしい
もし 何らかそんな 事情が発生したとしても このままなんて いったいどんなやねん 人としてヤバいだろう
けれど 良かった良かった と 迎えてくれる 場所があることが しみじみと嬉しかった
静かな水面に ぽちゃりと鍵が落ちて 深い底へ 沈んだみたいに その在り処を 心の中に感じた
そうだ まだもう少し この鍵を 大切に持って居よう そうして 鍵の要らない 別の扉も開けてみよう
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