誕生日のプレゼントに 京都で選んだ 象嵌のブローチを 母は喜んでいた
先は長くないんだから 惜しがらないで ガンガン使ってね とわたしは言い 自分が死んだ後は そっちのものになるから と母は言う
そんな感じで 縁起でもないことを お互い口にしながら この生の繋がりにある 死というものを 当たり前のように 包み込もうとする
なんだろうかな
命を 産み出すものがもつ 悠久が そこにはある
始まりと終わりの 果てない 繰り返しの中で ただ今だけではない なにかを感じる
今だけではない けれども 今 だからこそ この今に シルシをつけておきたい
ものもこころも 何一つ遺らなくて 儚く消えてしまっても 今感じること そのものが 確かであることを
|