あまりの暑さに ぼーっとしながら 暇な売り場で解きを 着物ではなく 昔懐かしいモンペなのだが 生地の両耳の幅から察するに これもたぶん 着物からのリメイクと思われる
生地の裏側は黒で 一ヵ所小さな家紋がついている 表はろうけつ染みたいな 細かな花模様 一見してよくモンペにありそうな柄だが ひょっとしたら 後から型染めを加えたのかもしれない
このデザインが実に合理的で ウエストの両脇が 15センチ程開いていて そこはボタンもファスナーもなく 前後の紐で縛って調節するだけ 確か袴もこんなつくりだった気がする
ダーツが前と後ろに4箇所ずつと 開いた脇に斜めに折りこんだ分のお陰で シルエットがとても綺麗 そのまま紐になる 少し幅の広いウエスト部分には 白い木綿を芯地にして しっかりさせてあった
全て手縫いで いろんな動きに耐えられるように 縫い代は袋縫いに仕上げてある 幅の足りない股下部分には 三角の布を継いで 裾はふたつ折りにして縫ってから ゴム入れ分をもう一度折り込んで縫ってある
所々接ぎあての跡もあるので 長年着られていたのだろう どういう訳か 後ろのポケットだけが ミシン縫いなのは そこだけしばらく経ってから 付けたのだろうか
こんなシルエットで そのままスカートだったら ちょっと素敵かもしれない 調子に乗って うっかり全部解いてしまうところ その前に 製図を計って記録しておかなきゃ
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