チャイナワンピースが あろうことか型紙を置き違え 後ろ見頃の4分の一を 同じ方向から2枚取ってしまった 茶けているところが多いので 悩みながら何度も置きなおしているうち 薄いハトロン紙に写した 字の裏表を見落としたらしい
同じのを他に取れる余裕はないので そのまま丈を短くして ブラウスに変更するしかない けれどそれでも 変色した部分を避けるのは難しく なんだかもうテンション切れ
それは途中のまま半ばやけくそで 色むらや擦れの激しい ボロボロの麻布を縫い始めた 解いた状態で頂いた時は 糊が効いているかと思うほどゴワゴワで 洗ってみてもその風合いは変わらず しっかりした太い麻糸で 織ってあるせいかもしれなかった
濃い藍染の糸だけを横糸に 縦糸には染めていない糸も入れて 全体が縞柄になっている布は 昔好んで着ていたスカートによく似ている あちこち糸玉が出ていて 布の端は薄くなって大きな穴だらけ どういい所取りをしようにも難しいので もう自分で着てしまおうと思った
穴の空いた端だけは切り落として 残りはもう全部そっくり 使い切ってしまいたい 粗野なぐらいのこんな太い糸の麻生地は ノレン用のアジア産ぐらいしか見たことがない しかも何度も水をくぐっているはずなのに 藍色は少しも薄くなっていない
見頃を4分の一に眼見当で裁って とりあえず4枚を袋縫いで繋げ 縞の濃い部分がひとつおきに見えるように これも眼見当の長さまでタックを入れる それからまた一枚を繋げ タックを入れて幅を確認してはまた繋げ いつものように縫いながら考えて行く
4分の一では膝までの長さなので タックの上端にぐるりとヨークを繋げた ヨークの端はわざと 布の耳を外に出してラフな感じに ウエストは3段にゴムを入れ 裾は横糸を解いて これもラフなフリンジ仕上げ
ほとんど出来たと思ったけれど タックの折り目が出た 裏側の方が意外に素敵なのにヒントを得て 表のタックの端っこをつまんで 裾までをステッチ ごわついた布はステッチを掛ける事で ピンと折り目正しく綺麗になる
やっぱり麻はいいな 縫っているだけで解放される そしていつもみたいに とりあえず繋げながら次を考えて行く こんなライブみたいな縫い方が やっぱりわたしには似合っている 出来上がりの形が決まっていると 過程の楽しみが半減しちゃうんだな
|