ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2004年06月04日(金) 下積みの時代

売り場にMさんがやってきて
しばしおしゃべりをした
コウノトリとともに何十年も歩んできて
今は飼育の現場を離れ
コウノトリのことを沢山の人に
知ってもらえるよう
さまざまな活動をされている

まだ現実的ではないけれど
リタイアした後の展望から
陶芸のことに話が及んだ
意外に投資が必要なので
ある程度余裕のできる
リタイア後に陶芸を始める人も多い
Mさんのお知り合いにもそんな人がいて
やってみないかと勧められるそうだ

ご自身は陶器が好きで
旅行に出かけた先でも
見て廻ったりされるらしい
けれど好きだからこそ
いざ自分で作るとなると
その難しさがよく解るので
気軽に手を出せるようなものではないとのこと

世の中に溢れている陶芸作品のなかで
これはと思えるようなものは
そこに至るまで
全く同じものをいくつも作れるような
下積み時代があってこそ初めて出来上がる
なのに今のひとは
最初から作品として作ってしまう

たまたまできたものが
唯一のものなのではなく
オーダーされれば同じ物ができる技術があって
あえてそれをしないというこだわり
そういう人が作ったものは
作品を見ただけで
他との違いは一目瞭然だそうなのだ

一足飛びに自分だけの表現をしようとしても
下地がなければ
ただ奇をてらったようなものに過ぎない
Mさんのお話は今のわたしにとって
あまりにもタイムリーな内容で
重く重くこころに響いた

結局たまたまひとつ出来上がったとしても
技量が未熟だから
常に限界を感じている
例えば同じ布で同じ形を作っても
きちんと同じ仕上がりになるような
そういう修練がどうしても必要だ

ゆっくり進もうと思いながら
実際の内容は
はるか先を行こうとしていた
そのギャップを埋めるために
もう一度仕切りなおさなきゃいけないな


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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