売り場にMさんがやってきて しばしおしゃべりをした コウノトリとともに何十年も歩んできて 今は飼育の現場を離れ コウノトリのことを沢山の人に 知ってもらえるよう さまざまな活動をされている
まだ現実的ではないけれど リタイアした後の展望から 陶芸のことに話が及んだ 意外に投資が必要なので ある程度余裕のできる リタイア後に陶芸を始める人も多い Mさんのお知り合いにもそんな人がいて やってみないかと勧められるそうだ
ご自身は陶器が好きで 旅行に出かけた先でも 見て廻ったりされるらしい けれど好きだからこそ いざ自分で作るとなると その難しさがよく解るので 気軽に手を出せるようなものではないとのこと
世の中に溢れている陶芸作品のなかで これはと思えるようなものは そこに至るまで 全く同じものをいくつも作れるような 下積み時代があってこそ初めて出来上がる なのに今のひとは 最初から作品として作ってしまう
たまたまできたものが 唯一のものなのではなく オーダーされれば同じ物ができる技術があって あえてそれをしないというこだわり そういう人が作ったものは 作品を見ただけで 他との違いは一目瞭然だそうなのだ
一足飛びに自分だけの表現をしようとしても 下地がなければ ただ奇をてらったようなものに過ぎない Mさんのお話は今のわたしにとって あまりにもタイムリーな内容で 重く重くこころに響いた
結局たまたまひとつ出来上がったとしても 技量が未熟だから 常に限界を感じている 例えば同じ布で同じ形を作っても きちんと同じ仕上がりになるような そういう修練がどうしても必要だ
ゆっくり進もうと思いながら 実際の内容は はるか先を行こうとしていた そのギャップを埋めるために もう一度仕切りなおさなきゃいけないな
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