Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?それまでこれから


2005年11月19日(土) なんなん名古屋のコメディ・ドラマ

ちょっと前にも書いたが「名古屋嬢<加藤家へいらっしゃい>」というドラマがなかなか面白い。再放送のペースの遅さに待ちきれず、DVDレンタルして一気に見てしまったほどだ。一年前は「自虐的なご当地番組」と決め付けて見過ごしていたが、改めて見てみると、いやー、感心しました。これだけ面白ければ満足ですね。

「名古屋嬢」は名古屋に住む加藤という父母祖母に一男三女のハイソな家族の生活を描いたシチュエーションコメディ=シットコム(いわゆる状況喜劇)なのだが、実を言うと私はシットコムが大好きであり、古くは「アーノルド坊やは人気者」、最近では三谷幸喜さんの「HR」などをよく見ていた(「HR」はちょっとがっかりしたけど)。さらに言えば「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」の前半の探偵コントもれっきとしたシットコムであり、ご存知「男はつらいよ」シリーズも上質なシットコムに分類されるはずで、つまり私が「名古屋嬢」を好きになる素養は十分にあったわけである。ただし、シットコムは一歩あしを踏み外すと悲惨なまでにつまらなくなるので、いい脚本、いい演出、いい俳優に恵まれない今のテレビ界でこれを作るのは相当に難しい。「名古屋嬢」もそうなる恐れが充分にあったが、そういう枠組みはギリギリの線で上手く処理して、あとはひたすら猥雑に見せることで番組に生命力を与えている。これはやはり堤監督の手腕なのだろう(「ケイゾク」「トリック」の堤幸彦さんは名古屋出身なのだ)。その面白さの源泉を紐解いてみると
〔掌轍或佑任眩蠹にネイティブでないと分からないだろう、濃密な土着ネタ
◆秕錣北技襪気譴討い訥甲法笋箸いΕャグや佐藤二朗の存在感の異常な面白さ(つまり俳優や脚本の達者さ)
2璽優拭▲札ハラネタ
の三つに分類され、当然´△面白い。特に,亡悗靴討呂そらく、今の20代以下の人なら名古屋人でも分からないと思う。20代の私がそれらのネタで笑えるのは父母双方の祖先が江戸時代よりも前から名古屋に住んでいるからだろう。「鳴海球場」だの「知立・藤田屋の大あんまき」だの「私の体には赤ワインの血が流れている」といったセリフがポンポン出てくるのだからたまらない。
△砲弔い討眩蠹レベルが高く、主役の重泉充香は東京出身なのにも関わらず、風貌といいセリフのイントネーションといい、完璧な名古屋嬢ぶりでビックリしたし、三女役の石田未来(愛知出身!)はこれぞ正統派美少女とでもいうべき可愛らしさを振りまくし、前述の佐藤二朗(同じく愛知出身)の怪優ぶりは今のテレビ界では極めて貴重なのではないかと思う。看護婦役の広澤草や長男の彼女の西川智美といった脇を固める俳優も上手い。下手な人もいないこともないが、とにかく話がテンポ良くどんどん進んでいくので気にならない。脚本家も相当に気合を入れて仕事していたことが推察される。演出も含めて、番組に思い入れがなければ決してできない力技である。
連続方式全12回のドラマなので、最後のほうは話が<まとめ>に入ってしまい、ややパワーダウンしたが、全編に名古屋ネタを散りばめ、なおかつシットコムとして成功させたことは特筆に価する。こういう番組はもっと大事にされるべきで、お笑い番組はもう沢山だと思っている人に是非お勧めしたいドラマである。


橋本繁久

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