人気が下降気味のNHK大河ドラマ「武蔵」ですが、現在自分が読んでいる 本は、その武蔵が書いたと言われている(厳密にはその弟子が記したらしい) 「五輪書」(「ごりんのしょ」或いは「ごりんしょ」と読みます)の解説本。
武蔵が直接記したものではないのですが、弟子が忠実にその教えを文字に 置き換え、後世に残した人生の教示といえるでしょう。
この本はあくまで武蔵の兵法についての思想を記したもの。 それを現在に置き換えて考えるとどう読み取れるかがこの解説本の趣旨。
思想とはいえ、精神論ではなく、あくまで現実に即した考え。 というのも、頭で考えたものでなく、実際に実戦を重ねて命をかけた中で どうやって生き延びるかを中心に述べている。他人の教えや抽象的な理念では なく、恥も外聞もなくとにかく自身を強くして相手を打ち破る実戦論となって いるところが武蔵らしいといえば武蔵らしい。権力の立場に立てなかった者の ヒガミでもないし、自己陶酔でもないですよ。これは。
正直言って、この原文は解説ナシでは読みこなすことは難しい。 古文よりも現代文に近いとはいえ、やはり350年も前の文章ですから仮名 使いは旧仮名使い。意味も少々現代とは違うところもある。文字通りの解釈を すると読み違えるところもある。しかも堅い。
読みこなすのは難しいですが、これを何回も読んでいるうちに、ドラマの中の 吉川英治流武蔵像とは違った側面が読んで取れる。脚本のせいもあるでしょう。
お通が武蔵へ伝えたい言葉。「人はひとりでは生きていけない。」 武蔵が求める「個」の自立と極めとは相反する見方ですが、このふたつを対比 させることで試聴者に問うているのではないでしょうか。
武蔵は巌流島での佐々木小次郎との戦いが記憶として残っているでしょうが、 武蔵個人に注目したことはあるでしょうか。剣の達人も権力の座に上らなけれ ばタダの人といった感がなくはありません。でも荒んだこの時代だからこそ 発見できる武蔵の生き方への共鳴もあるのではないでしょうか。
もちょっと読み返してみよう。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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