| 2003年02月15日(土) |
日本の政治は失業率をコントロールできないよね |
世間(特に一般企業)では賃金に対する変化が出てきています。 雇用を守るというよりも企業を守るために雇用の形態が変わりつつあります。
日本の企業(役所含む)はまだまだ終身雇用の形態を保っています。 デフレによる業績の落ち込みが大きな要因として存在しますが、その影響は社員の 賃金だけではなく、新卒者の就職率や給与形態にも影響しています。
公務員の来年度の給与は2%前後の削減になります。 物価や一般の状態にあまり影響を受けない安定した職業として公務員は広く世間の 人気を集めていますが、公務員の給料は基本的に住民の税金だよね。 一般企業と同じ考えであれば、税収が減れば公務員の数を減らすか給料を減らす しかないのは当然でしょう。ただ公務員の給与レベルは物価指数にリンクしていま すから、一般企業のように業績にリンクしている変動的な給与とはわけがちがう。 右肩上がりだった時代が崩壊して、給与形態も同じく崩壊している一般企業に比べ て、まだまだ守られている職種です。
総務省統計局が出している年齢階級別の就業者数の統計があります。 この表を見てどう思いますか?
これを見れば分かると思いますが、戦後産まれの団塊の世代の年代で大きく就業者 数が増え、その後に大きく減り、しばらく落ち着いて若年層でまた減っています。 これは失業者数の増加以上に少子化の影響が大きいことを意味しています。それで も新卒の就職率は下がるばかり。例えば大卒で言うと東大で10%後半、早稲田で 30%前半、慶應で20%後半といったところ。 正社員になりたいという声が多いことを考えると、就職できた人以外は契約社員か フリーターになるという不安定な仕事しか出来ないということ。でも正社員であっ ても必ずしも安定的でなくなってきているから、どうしても安定的な職につきたい のであれば、税収の安定した自治体の地方公務員になるか、有名国立大学を卒業 して上級国家公務員になるかですね。
10年後には団塊世代もリタイアしており、老齢化が加速してしまいます。 就業人口が減ることで有効求人倍率は高くなり、若年層の就業率も高くなるとは 思いますが、若年層が年金層を食わしていかなければなりません。これが今問題と なっている若年層の年金不払いの根源です。今の年金層は自分が払った以上の年金 を享受できるのに、若年層は自分がそういう年代になった時には払ったお金より ずっと少なくしか受け取れない。でもこれは人口の増加に伴う経済成長の右肩上が りが前提であったから。人口の増加が見込めなくなった後でもそれを止められない のは、政治の問題。若年層ほど年金に疑問を持つのは就職の不安とともに当然の 成り行きでしょう。そういう意味では今は辛い時代。リストラされたおとーさん たちのことも考えると若年層だけでなくみんなにね。
桑田真澄投手は、成績の出ない苦しかった2000年に古武術を習うことで効率 よく「攻める」ことを覚えたといいます。死ぬか生きるかの瀬戸際では、常識では あり得ないことを出せるかどうかにかかっているということでね。
われわれの生活は、そういう意味ではそんなに切羽詰っていないのではないでしょ うか。苦しい苦しいといいながら、それなりになんとかやっています。それと同じ で国の考えも従来のやり方でなんとかやっています。だからいつまでたっても状況 の好転が見られない。それは状況が切羽詰まっているという認識にないからです。 従来の手法で変えられると信じているからです。政治的には大きな手術をしようと すると国民からそっぽを向かれるのが怖いという思いもありますしね。小泉首相は その辛い思いを国民に納得させた。その功績は大きい。だから政治的には今が手術 を行うチャンスなんです。それなのに多くの勢力がそれを実現させようとしない。 その構造が問題なんです。抵抗勢力は政治家だけではなくて、国政をつかさどる 全てです。そのシステムです。
平和を約束されている日本が経済に没頭できた時代が過ぎようとしています。 平和とは何かを真剣に考えなくてはならない時代が来ています。武力の保有にかか るコストを経済に注力できた戦後の日本経済。それを受け入れてきたアメリカも ITバブルの崩壊で日本の面倒を見る余裕がなくなってきた。だから日本は自国内 消費を伸ばさなければならないんです。消費を伸ばすための政策を講じなければ ならないんです。小渕内閣の時のケインジアン政策は総量としては足りませんでし たが、下支えをしたという意味では成功だったと思います。 これをもっと大胆に行うことが景気浮揚のひとつの策であると思います。
今はお金の価値が高いから手放して資産の取得や消費に回したくない。 日銀が金融緩和をしてお金を増刷してもマネーサプライはそれほど増えないし、 GDPはマネーサプライの緩い増加に反して下がり続ける。お金を使うこと、 つまり消費や投資をしていないんです。
インフレと失業は常に注目される指標ですが、デフレと失業となるとわけがわか らなくなるのが従来の経済学の世界。だってフィリップ曲線はインフレ率、失業率 ともにゼロ以上の曲線だからね。
一般的なフィリップ曲線はこういうもの。テキストだと曲線が書けないのには 目をつぶってね。
インフレ率π ↑ | \ | \ | \ | \ | \ | \ | 0 ―――――――――――→ 失業率U
インフレがマイナスのところへ向かうようにX軸を突き抜けていればいいんですが、 数式としては常にプラスになっている。曲線は右下がりの凹型です。現状はその 曲線がそのまま下方へ移動して失業率が高いところでインフレ率がマイナスになっ ているというもの。
だれかこの現状を理論(新フィリップ曲線)として説明してくれないかな。 え?お前がやれって? えーっと、うーんっと・・・。 4年後ぐらいに卒論で発表することにしましょうか。 その頃には誰も今日の日記のことを覚えていないでしょうから、約束が果たせた かどうかを確認する人もいないでしょうけどね。(笑)
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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