しむちゃんのつれづれ日記
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2002年12月14日(土) 03年度税制改正

与党における税制改正の大綱が決まりました。

大雑把に言うと、企業への減税と国民への増税。
これで税収の中立を計ると言います。税の中立とは増減税に
均衡を持たせるということ。しかし単年度では難しく、多年度
しかも5年を越す複数年度で中立を回復するというものです。

個人的には企業への減税で行政を回復させることができるか
という点では疑問です。投資意欲が落ちている現状であるから
こそ生きてくる減税だと言いますが、研究開発や設備投資に
対して減税をしたところで、業績そのものが回復しなければ
苦しいところの課税が外されるだけで、大きな効果が出てくる
とは思えません。

仮にこのために企業が回復するとしても、やはり長い目で
考えなければならないところだと思います。減税がなされる
からといって、それに乗じて新たな研究開発や投資が景気に
直結することはなく、それらのことで企業の開発力と設備の
更新意欲をそそるまでで、そこから先は企業の実力になります。

苦しい企業ほど減税を歓迎しますが、その減税は法人税。
今回は費用側の減税ですから、使うお金を少しばかり多く使える
という程度のもの。研究開発や設備投資が企業の実力を上げる
には時間がかかります。少なくとも2〜3年以上はかかるでしょう。

生産設備を持つどの業界でも設備の更新や新規投資はしたい
もんです。他社との差別化を計りたいし、新製品を投入したい。
にもかかわらず投資が行われないのは、新規の投資を行うには
業績がついていっていないからであり、来年度、再来年度の
業績が上向くという判断に至っていないからです。

とはいえ、どこかで景気が上向くきっかけは必ずあるはずです。
これが何かを見つけるためにマーケティングと開発部門が必死に
なって売れ筋になるであろうものを探し、新技術を開発しているん
です。

投資はそれを回収するのに最低でも5年以上かかります。
(というふうに見て採算計算をします。)
ということは、その期間内に投資を回収できることが前提です。
投資をした以上の利益が出ていなければなりません。その素地が
なければ投資をするという判断になりません。

下向きな状況だからこそ企業への優遇をしているんでしょうが、
それに対する増税側が国民所得からというのでは、ただでさえ
少なくなった所得を食いつぶすことです。増税には反対しませんが、
その見合いが問題です。

表向きは企業の活性化というものですが、研究開発および投資減税
をすることでメリットのある企業は、恐らく現在もうかっている
企業に絞られるでしょう。もうかっているところは更にもうかる。
もうけていないところは取り残される。こんな構図が描かれます。
さらには外形標準課税も導入されると言いますから、もうかって
いない企業はなおさらダメになる方向ですね。

まわりくどいやり方でダメな企業を潰そうとしているんでしょうか。
もしそうであるならば、今回の税制を取り決めした人たちは小泉
首相を批判しながら結果的に同じことをしています。配偶者特別
控除の廃止に反対であった公明党も、少子化対策である児童手当の
拡充をもって賛成してしまったというのですから、財務省主税局も
考えたもんです。というわけで与党はみんな乗ってしまいました。

ざっと見た感じでは、低中所得者イジメです。
税でイジメるのは陰湿なイジメ。所得税も増額されるしね。

使い道に納得していない状況では税をいくら徴収しても文句が出る
だけ。支出の見直しが同時に行われていなければならない。
使う方では一生懸命既得権益にこだわっているのに、取り上げる方
では多少の攻防はありながらも簡単に決着させてしまう。そんな
やり方に異論を唱えたいと思う。中立とは何か。そんなことを
考えさせられる今回の税制改正。なぜ今必要なのかってこと。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)


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