毎日新聞の「経済観測」というコラムに次のような趣旨の提案が 書いてあった。
”個人金融資産1400兆円のうち750兆円の預貯金を少しでも 多く他の資産へ移動させる。全ての預貯金を名寄せして、現在一律 20%である所得税を預金総額の額にしたがって税率を上げる。 これによって預貯金に安住しているカネは外債・株式・不動産などへ 移動し、「貯蓄から投資へ」という政策目標はあっという間に達成 される。円安が進み、株価も上がり、不動産の買い手が増え不良債権 処理も進む。そしてデフレが止まる。総理の決断事項だ。”
名寄せというのは複数の預貯金口座をひとつにする、あるいはひとつ だとみなすことです。そうすることでひとりの預貯金総額がつかめる。 そしてその総額の大きさに応じて税率を増やすというんですから、 多くの預貯金をしている人にとってはうまみが減る。そしてうまみを 感じない人は他の資産や投融資に移動するだろうというのです。
これには反論するところが大きくて、まずひとつはペイオフ問題。 銀行業界の反対から、これは2005年4月へ解禁が延期されました。 しかしながら、名寄せを強制的にやるとこのペイオフ解禁時期になって またその解禁に反対が沸き起こること必死です。
次に今の低金利時代においては、預貯金の利子における税額を増やした としても、税収においてもその支払においても影響度合いが少ない。 ということは実行する意味合いも少なく預貯金の移動も期待できない。
もうひとつ言うと、デフレの状況では資産よりも現金の価値のほうが 高いから現金を交換する動きにはならない。
これらのことにはそれぞれさらに反論がありそうですが、要するに今の 現金はデフレ下では他の資産よりも価値が安定している。これに尽きます。 安定しているというのは価値が下がらないということ。 逆に、借金するとそのマイナスの価値は大きくなるということ。
やはり貨幣の価値がどうこういう前に、資産価値を上げるほうを先に することが大事だと思います。企業価値を高めることと、そこへの投資は 価値が上がることを認識させること。それがコンセンサスになり日本の 価値が上がることを誘発させる政策を打つことでしょう。
そうすることで不動産、株式、債券に価値を見出し、上向きのトレンド を期待し、投資家の目がそちらへ向き、資金が移動する。個人の預貯金 もそれに誘われて、お金を出してもいいんじゃないかと思ってくる。
将来のために貯めたお金ですから、そもそも目先のことに使うのでは ないんですが、目先の不安を感じているから余計に貯蓄へ走るわけで、 この目先の不安を解消することが貯蓄を投資、あるいは消費へ移動させる ことにつながると思う。将来への貯蓄はどんな状況であれ貯蓄するもんです から、景気の状況がどうであれ、将来への貯蓄学は変わらないと思えます。 だから目先のための貯蓄をどう取り崩すかということを考えるべき。 投資や消費をしたいと思わせる雰囲気作りね。
その実態作りを行うために、表向きの景気回復策ではなくて(今までの 景気回復策はその場しのぎで、本来の回復策ではない)、小泉内閣では 今までの悪い部分をさらけ出して、甘い汁をすすっていた人や組織を改善 すべく、非常識とされてきたことをあえて進めているわけで、反対する人は 今までのやり方で自身を守ってきた人。政策が変更されると自身の立場が 揺らいでしまうので反対する。あくまで自分しか考えていない。甘い汁が すすれるから政治をやっているんでしょうけど。
そういった意味ではエリートと呼ばれる官僚や政治家はおこちゃまの雰囲気。 お菓子やお小遣いをくれなきゃ駄々をこねる子供と一緒。出来ない理由を 一生懸命になって叫ぶ。決して前向きに議論しようとはしない。何をやれば 解決するのかも分からずに、ただ反対だけする。そんな子供たちの元で我々は 過ごしているんです。
今までの常識は非常識だと認識し、右肩上がり思想からの脱却をしなければ、 今のデフレからは抜け出すことができない。さらには企業に活力を与える 政策を打つことと、雇用における救済策を作る。自身の生活の確保よりも、 国民の方を向いて政治や政策を行って欲しいもんです。公僕はね。自身の 収入はどこから来ているのかを認識すべし。偉そうにしていても、そこまで 腹の据わっている人がいないというのが日本の政治における欠陥かもね。 (腹の色までは問題にしない。)
話はそれましたが、貯蓄をいじる前にやることがあるというお話でした。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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