1936年に出版された「一般理論」の中で、個人の貯蓄の動機について ケインズは次のような分類で述べています。
1)Precaution(予備的動機) ⇒将来何かあるかもしれないから貯めておこう 2)Foresight(深慮) ⇒将来予測される事象(結婚とか出産とか)に備えて貯めておこう 3)Calculation(打算) ⇒利子や資産価値の上昇を目論んで貯めておこう 4)Improvement(向上) ⇒支出水準が将来にわたって徐々に上がるように貯めておこう 5)Independence(独立) ⇒貯蓄をもとに他に頼らず(自立して)何かやれるように貯めておこう 6)Enterprise(企業)→起業? ⇒投機や事業を行えるように貯めておこう 7)Pride(名誉心) ⇒財産を世のため社会のために役に立ててもらえるように貯めておこう 8)Avarice(貪欲) ⇒ただひたすらケチをして貯めておこう ※訳は宇沢東大名誉教授
一方、中央および地方官庁、公共機関、営利企業の貯蓄を次のように分類 します。
1)企業の動機 ⇒負債発行、株式発行に頼らず自己資金で資本投資をするため 2)流動性の動機 ⇒緊急事態に対応するため 3)向上の動機 ⇒労働者の収入が徐々に増加するようにして経営に対する批判をかわすため 4)金融的慎重さの動機 ⇒設備費用、生産費用、労働者費用、補足的費用を上回る積立金を用意するため
これだけ見ても分かったような分からないような・・・。ですよね。(笑)
この貯蓄の議論は、現在の所得をなぜすべて使ってしまわないで貯蓄をする のか、という問いに対しての推考と理由付けです。しかしながら結論としては 実際の貯蓄は上記の分類で言われる項目に左右されず、利子率と投資との関係に 依存することになると言います。なぜでしょうか?
詳しくはケインズの「一般理論」を読んでください。(笑)
古典派の世界では、”投資=貯蓄”という論理が成り立ちます。前提は完全雇用。 そんなことは現実としてはありえないとしたのがケインズ。非自発的失業、つまり 意図的に失業するのではない人が存在すると言うのです。 意図しない失業。仕事をしたいのにできない人がいるということ。より現実的です。
例えば、現在の日本は1400兆円の貯蓄があるといわれています。 その貯蓄が出まわらないということは、その分が所得の再分配になっていないこと。 つまりダウンサイジングです。所得を増やすためには政府による財政支出が必要。 それでも貯蓄に吸収される(消費が増えない)ということは、やはり将来の不安に 拠るところが大きいでしょう。
所得が増えるためには消費が伸びなくてはならない。逆にいうと、消費が伸びな ければ、所得は増えない。でも所得っちゅ−ものは年を取れば増える仕組みに なっています。そこで収支のギャップが生まれるわけです。その谷間を政府が 一生懸命埋めてきた訳ですが、それが財政赤字となって表れているんです。 短絡的にいうと、巨大な貯蓄が崩れない限り、つまり消費が増えない限り財政赤字は 解消できないことになります。企業も収入の拡大ではなく、ダウンサイズの中で 収益の上がる事業に絞り込むことになります。生き残りをかけて。そうなると そこにはいわゆるリストラが発生してきて非自発的失業者が発生することになります。 そこを埋め合わせるのが福祉政策になります。これも財政支出です。
というわけで、景気の悪いときや将来の見通しに不安があるときには心理的に 支出を控える動きになりますから、余計に景気は下向きになります。これが景気の デフレスパイラルです。どこかで明るい兆しが出る、あるいは兆しを作ることで 上向きな心理を促すことが必要です。これを民間が作り出すか国家や地方自治体が 作り出すかは別にして、景気を良くするためのきっかけというか、しかけを考える ことが必要なのかな、と思います。
そんな巨大な貯蓄を利用して利益を出すような金融商品を作り出す人の口車に 乗せられないように、しっかり勉強しましょうね。というか、投資は余り金でね。 儲けを目論んでいる人をターゲットにしている金融商品もありますから。 クロウト気取りの知ったかぶりを狙っているということです。 相手は工学のプロですから、よほど気を引き締めないと大変なことに・・・。 自分には縁遠い話ですけどね。正真証明のシロウトですから。(苦笑) あー、とりとめのない話になってしまった・・・。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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