経済原論(大学のテキスト)を読んでいて思いました。 80年代後半から90年代前半のバブルは日銀の意図的な通貨(紙幣)の 過剰発行によって引き起こされたものじゃないかと。
学問としては、この貨幣の過剰発行の解釈は、マルクス経済学と近代経済 学とでは異なっているといいます。それぞれのインフレーションの定義は、 (但し、ディマンド・プル・インフレーション)
◆マルクス経済学 − 金量に対する不換紙幣(注)の過剰 一定量の商品が流通するためには、それと等価の金量を必要とする。不換 紙幣の数量が金の分量と同一であるならば、不換紙幣と金とは等価を保つ はずである。不換紙幣の数量が金量以上に増加するならば、それに応じて 金に対するその価値は低下する。このような不換紙幣の価値低下がインフ レーションであるという。 (注)不換紙幣−政府が発行する紙幣で,正貨との兌換を保証されないもの つまり金本位制のもとで金貨と兌換されていない紙幣 金本位制でない現在では日銀券のこと
◆近代経済学 − 商品の取引量に対する通貨の過剰 通貨の増大それ自体は必ずしもインフレーションではないが、通貨が商品 の増加に比して、より多く造出された場合にインフレーションが起きるという。
これに対してコスト・プッシュ・インフレーションがあります。 これは1955年ごろからアメリカおよびその他の各国にて物価が騰貴し、 日本においても1960年ごろから騰貴傾向を見せていた。この間、赤字 財政により通貨が膨張したわけではない。上記の従来言われてきたインフ レーション概念では理解できないことである。この時の物価騰貴は、通貨 膨張を直接の原因として起きたのではなく、また完全雇用下で発生してい たものでなく、さらには急速に進んでいるわけではない。それは何か新し い要因に基づいて不完全雇用下において緩慢に進行した。
従来は貨幣量の増加を直接原因として総需要が増大してインフレーション が起きたが、この頃のインフレーションは賃金および原油の価格などの コストの上昇を直接原因として貨幣量が増加して起きた。だからこれが コスト・プッシュ・インフレーションと呼ばれている理由。その他にも クリーピング・インフレーションとか、マイルド・インフレーションとか、 デフレギャップが存在する停滞期であったことからスタグフレーションとか 呼ばれました。
需要増が貨幣を呼んだか、コスト増が貨幣を呼んだかの違いです。 どちらもインフレーションなんです。
さて景気の判断基準としてインフレ率がありますが、経済の安定を目標と している日銀が、バブルの走りにはそのインフレ率が上昇しているにも 関わらず、インフレーションの要因である貨幣量増加とコスト上昇の抑制を するどころか、より増加するように市中銀行に仕向けた(つまり過剰融資を 指導した)ということが言われております。これが本当だとすれば(その しわ寄せが不良債権となって今もしこりとなって残っていますね)、バブル 崩壊とその後処理を行う責任は日銀にあると言ってもいい。第3者的には 市中銀行の業績と内容に注目が行っていますが、その根本原因となったもの は何であったのかを考えてみると、日銀の意図的な通貨調整があったんでは ないかと考えるのが自然ではないでしょうか。つまり印刷機をある意図を もってフル回転させた。何かを達成するために。この何かを探ることが重要 になるんではないでしょうか。
以前にも書きましたが、あるドイツ人により近年の日銀の事情を暴露した本 が発行されましたが、そこにも日銀のプリンスと呼ばれる3人がこのバブル を作り上げ、崩壊させた犯人であると言っています。あながちウソでもなさ そうな気がしてきました。我々の立場では真実を知ることは難しいですが、 推測の域で言えば、日銀のそのプリンスたちの行ってきた「ある意図」を 暴き、日銀の本来あるべき姿に立ち戻らせることが必要かと思います。
そのためには、政府から独立した立場を反省して再度政府側に戻し、ある意 味、通貨を国家で管理する方向にしてしまう。怖いことですが、一旦、国家 の管理下で運営し、常識的な考えを持った人材が投入された時点で、再び独 立させたらいいんじゃないか。それも国民のチェックが入るように国民が投 票するスタイルで選出する。(最高裁のように)限度はありますが、国民の 財を預かっている立場。勝手なことをされて国民が不幸になってしまっては 元も子もありません。とにかく何か手を打たねば。 あくまで推測の域ですけどね。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
|