5月17日付の日経の記事にこんなものがありました。
”FRB、公定歩合実質廃止へ・銀行への貸し出しは市場金利に上乗せ
【ワシントン=吉次弘志】米連邦準備理事会(FRB)は17日、連銀が民間 銀行に資金を貸し出す際に公定歩合を適用する現在の方式を廃止する計画を 発表した。公定歩合は市場金利を下回っており、「公定歩合貸し出しは銀行 補助金」との批判があった。FRBは貸出金利を市場金利を上回る水準に設 定、銀行が市場から資金調達することを徹底する。 計画によると金融機関への最優遇金利として機能してきた公定歩合(ディス カウントレート)は廃止。代わりに、短期金利の指標であるフェデラルファ ンド(FF)金利の誘導目標を基準にした上乗せ金利を導入する。
健全な金融機関が短期的に借り入れる場合は「優先信用供与」(プライマリー クレジット)とし、金利はFF金利プラス1%とする。健全性が劣る金融機関 が長期に借り入れる場合は、「二次的信用供与」(セカンダリークレジット) として金利は「優先」の場合よりもさらに0.5%を上乗せする。 ”
これがどういう意味を持っているかは、資金調達している人なら良く分かる ことだと思いますが、取引銀行の信用によって、今までの調達金利が上がる ということ。それに従って、調達する側も銀行との取引を見直さなければな らなくなります。つまり銀行の選択が始まるということです。逆に言うと、 信用の劣る銀行からしか調達できない企業の信用も同じ評価になる。 アメリカの取引先の信用度合いを測るのに、メインバンクを知っておくのも ひとつの物差しになります。信用調査での評価のひとつに取引銀行はどこか ということは、常識レベルで知っておくことですが、より一層調べておく 必要が出てきたということです。
日本の場合は預金者からの資金が豊富で、これを原資に貸出しを行うことが できます(特に地銀はこの傾向が強い)し、都銀の場合でも企業への貸出し は市場金利にスプレッドを上乗せする貸出し手法が主流ですから、わざわざ 日銀から貸出しを受ける必要も無い。よっぽどのことがなければ。要するに 自助努力により資金繰りをしてサヤを取っていると見れます。でもアメリカ の場合は日本のような都市銀行が全米を網羅しているわけでは無く、ほとん どが地元の小さい銀行が占めています。日本で言えば相互銀行と信用金庫が 多数を占めているというイメージです。都市部以外があまりに広すぎるから。 地理的な要因があります。日本とは大違いです。単純に日本とは比較できま せん。
アメリカの取引先が支払条件に付いて難癖つけてきたら怪しいと思っても 構わないと思います。きっと資金繰りに窮してきたんだと思っていい。 ウチの取引先も例外ではありません。その気あり。せっかく新機種が日の目 を見てきたんですが。波のある業界と取引している装置メーカは、受注高が 減った年は資金潤沢で、受注高が増えた年は資金窮乏。この繰り返し。 専業メーカのつらいところです。資金繰り担当者泣かせ。そういう意味で、 PLだけじゃなく、キャッシュフロー計算書をきちんと見ることは相手方の 信用を把握する上で大事です。日本もようやくそのあたりが国際基準について きたようです。でもまだまだ一般の株主(特に個人株主)には勉強の足りない 人が多いことから、PL第一主義の人が多いのも否めない事実ですけど。 カネを借りて見かけ上の利益を出しているのかもしれないのにね。
話はちとそれましたが、アメリカの公定歩合の廃止により資金繰りに窮する 企業や個人が出てくることは間違いないですから、アメリカの景気には マイナス要因でしょう。これが一時的か絶対的か、しばらく様子見です。 当然ながら、日本にも影響する話ですから。
はい。今日は曇り。(東京地方)
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