いわゆる重工業の代表となる製品です。 製鉄会社で使用している設備のことです。
設備を保有する製鉄メーカとしては(大手限定)、 ・新日本製鉄 ・川崎製鉄 ・NKK ・住友金属工業 ・神戸製鋼所
その製鉄会社に納入する設備メーカとしては(大手限定)、 ・三菱重工業 ・石川島播磨重工業 ・川崎重工業 ・三井造船 ・日立造船 ・住友重機械工業
以前の指標としては日本の粗鋼生産量が1億トンというのがありました。 これが続いていた時代はバランスが取れていました。(現在8千万トン) 製鉄業が日本のお家芸のひとつであった時代はバブルがはじけるとともに 消えてしまいました。国内需要の低迷(建設ラッシュの後退)、海外勢力 の台頭(特に東南アジア)、アメリカのアンチダンピング適用などが影響。
製鉄会社の設備投資は生産量に比例しておりましたから、生産の動向に 設備メーカはいつも注目しておりました。もちろん次年度の設備投資計画 にも目は行っておりましたが、製鉄会社の設備は足の長い建設ですから、 次年度ではなく次次年度をいかに読むかにかかっています。つまり2年後 の投資に自社が参入するために、その時点で製鉄会社の要求に沿うような スペックインをしていかなくてはなりません。それを行うことで見積仕様 に自社技術を取り入れられることで見積時点で強みが出るわけです。
つい最近、新日鉄・三菱重工業・石川島播磨が半製品段階である連続鋳造 設備に関する提携を結んだとありました。(記憶違いだったらスミマセン) *(訂正)新日鉄−重工 → 連続鋳造設備 新日鉄−石播 → 高炉 の間違いでした。
連続鋳造設備(略してCCM、Continuous Casting Machine)が強い 設備メーカは日立造船・住友重機械工業・三菱重工業なのですが、この 中でも種類がありまして、スラブ・ブルーム・ビレットに分かれます。 強みがあるのは、
・スラブ −住友重機械工業 ・ブルーム−日立造船 ・ビレット−三菱重工業
が国内でも世界的にも有名です。海外との技術提携もありますから、 テリトリーやロイヤリティの問題もあり全世界に商売をしに行くわけにも いきませんが、世界の競合と戦えるのは上記のメーカです。業務提携やら なにゃらで実際の図式はグチャグチャですが。下工程はなおさらね。
歴史的には上記のメーカなのですが、製鉄会社と設備メーカの力関係は 圧倒的に製鉄会社の方が強く、基本購入仕様書を見ると、 「オレのものはおれのもの。お前のものもオレのもの。」 と言わんばかりの内容になっております。つまり、設備メーカの技術を 製鉄会社は自分の技術として取り込んでしまうのです。虐げられています。 おかげで製鉄会社はそのうち設備技術を保有してしまい、エンジニアリング と称して海外に設備と製鉄技術を売り込んでしまう始末。設備メーカを 引きつれて。国内での商談が減ってきた製鉄会社や設備メーカは、それを 商談のチャンスとして海外への商売について回りました。これが円高で あった92〜3年の出来事。海外調達が華やかなころ。三菱重工業なんか はこれで中国へ進出して失敗しました。あまりに品質が悪く客先からクレー ムの連発だったらしい。受注金額を上回る仕損(やり直し)もあったと。 これも企業努力の結果として出てきた現象です。責められません。
今、製鉄設備を商品として保有する企業や製鉄会社は苦しんでいます。 アメリカは日本製品へのアンチダンピングを主張しています。 すでに撤退した韓国・ロシア・EUがアメリカへの粗鋼輸出が絶たれた今、 行く先は東南アジアしかありません。集中すると価格が落ち込むことは 必至です。市場価格が落ち込むと生産の調整をするしかありません。 そうなると日本も含めて製鉄不況が待っています。すでに不況の波は来て いるんでしょうが、なおさら不況の波は高くなってきます。構造不況です。
いわゆる基幹産業を復活させるためにはやはり鉄製品を開発していくしか ありません。自動車なんかは軽量化のために鉄の使用を少なくしています。 マーケティングが重要となってきますね。こうなると。今は使われて いないところへいかに鉄を使うようにしていくか。重たいイメージの鉄を 使うようにするにはムズカシイでしょうが、製鉄業界の復活のためには 鉄を使ったアプリケーションの開発にお金をかけていけるところがこれ から強くなるんでしょう。そう思います。設備技術はどこも似たような ものだし、これからは従来の製品ではなくて使える製品の開発です。
製鉄業界や製鉄設備業界の皆さん、頑張って使える商品を作れる知恵を 出し合って業界の発展をしていきましょう。
はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)
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