しむちゃんのつれづれ日記
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2002年01月15日(火) アンチダンピング法

いわゆるアメリカ国内法です。国際的に通用する法律ではありません。

「不当廉売対抗法」なんて訳のわかんない訳語もありますが、要するに
アメリカ国内で販売される海外からの製品がアメリカ国内製品よりも
安価で販売される製品に対して大きな影響を与える場合(ロビー活動の
結果でもありますが)、このアンチダンピング法を発動してクロの裁定
が下りた場合はその対象製品は高関税を課されることになります。
その結果、海外からの対象製品はアメリカ国内製品よりも販売価格が
高くなり売れなくなりますので手を引かざるを得ません。

WTOやGATTの取り決めに反しておりましたが米議会の怠慢により
放置されておりました。今現在でも続いておりますが米国の鉄鋼企業が
この法律に基づいて日本企業を米司法当局へ訴えたために新たに問題と
して浮上してきました。

ECが98年に、日本が99年にWTOへ提訴し、WTO上級委任会は
00年、同法はWTO協定違反と裁定し、米下院の01年会期末か同年
末のいずれか早い時期までに廃止するよう米国に命じていました。

しかし昨年の同時多発テロ事件の影響で審議が行われないまま閉会。
それでECと日本は対抗処置を講じる必要があり、
「米国だけを反ダンピング関連のWTO協定の適用除外対象とすることで
米国と同様の法律を制定することも辞さない」との対抗措置を打ち出した。
WTO協定違反として訴えたのと同じ法律を、自分たちが導入するのは
自己矛盾だが、代案がないための苦肉の策だ。 」(毎日新聞)
ということになり自己矛盾を抱えたまま対抗することとなりました。

アメリカへの輸出を行っている企業はこのアンチダンピング法を知らずに
輸出することはできません。といか、知らずに輸出した結果、現地での
チクリなどにあって後から訴えられるなんてことになったら悲惨です。
一方的に高率の関税を課せられることになります。輸出金額と同等の
関税になる可能性がありますから、企業にとっては大きな損失です。

というよりも、この法律は米国の輸入企業に課されるもの。輸出企業に
とっては痛くもカユくもないように思えますが、そう簡単な問題では
なくて、契約時の文言に不備があった場合(免責条項が無い)は当然
ながら国際紛争になります。その場合の費用も半端ではありません。
従って調停することになりますが、それでも持ち出しとなる費用も
半端ではありません。結果として輸出企業は多大な費用を被ることに。
しかも将来の商売に影響する(買う企業が無くなる)ことになり、
アメリカでの商売の機会が失われることになります。その意味でこの
法律の意義は大きいんです。実際に自分の会社でもこの法律の対象と
なりそうな(クロではないがシロでもない)製品がありまして、米国
輸入企業と論争になったことがあります。そのときは企画商務の担当
でしたので、この時はいかに自社に被害が加わらないかで苦労しました。

自由貿易を唱えるアメリカもこんな鎖国的な法律を振りかざしている
という矛盾を持った国です。だから信用が出来ないということでなく、
知識を持って冷静に対応できる能力を身につけることが大事になると
思います。1企業で解決できる問題ではありませんが、業界がタバに
なって経済産業省(旧通産省)のノンキャリを攻めつつ、キャリアを
動かしていくだけの知識があればしめたもの。事務方のノンキャリを
うまいこと誘導できる(キャリアに説明の出来る)対応をしてあげる
だけの余裕が民間企業側にあれば言うこと無し。

貿易保険の請求をするときによく分かりました。ノンキャリはキャリア
の言うことに従わなければなりませんから、下手な説明をされたのでは
こちらが意に反する決定となり困ってしまいます。だからやはり我々
民間が勉強をして知識を身につけ、ストーリーを作ってあげ、政府を
動かして行く。本当に動いてくれたときには快感です。(笑)

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)


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