『日々の映像』

2010年04月18日(日) アイスランドの巨大な割れ目噴火



1、火山噴火:欧州で1万6000便欠航も 東部にも灰広がる
毎日新聞 2010年4月17日 20時23分
2、アイスランド火山噴火 航空網乱れ 欧州経済に深刻な影
2010.4.17 19:52  産経新聞
3、火山灰、ロシア到達…欧州空港閉鎖24か国に
2010年4月17日20時28分 読売新聞

アイスランド火山噴火に伴う火山灰の影響は17日、欧州でさらに拡大した。欧州で7割以上の1万6000便が欠航する事態となっている。

1783年の史上最大の割れ目噴火を起こしたアイスランドのラキ火山の噴出に関連した記録を引用したい。
英国の牧師ホワイトの「セルボーン博物誌」(岩波文庫)の一節だ
「1783年の夏は薄気味悪いことが多く、恐ろしい事象に満たされました……太陽はまるで雲のかかった月のように黒ずんで見え、地上に錆(さ)びた茶褐色の光をそそぎましたが、上るときや沈むときは、きわ立って毒々しい血の色をしていました」

ラキ火山の噴出物は、いわば地球規模で影響を与える様相を呈していくのだろうか。上空1万6000メートルに達した火山灰が欧州北西部に広がり、各国が飛行禁止措置をとっている。灰はエンジントラブルを起こす危険があるといから、欧州域内はもちろん世界中の航空会社の欧州便の欠航が相次でいる。この噴火が世界史に痕跡を残す大事につながらないことを祈るしかないようだ。

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火山噴火:欧州で1万6000便欠航も 東部にも灰広がる
    毎日新聞 2010年4月17日 20時23分

 【ロンドン会川晴之】アイスランド火山噴火に伴う火山灰の影響は17日、欧州でさらに拡大した。イタリアなどの南部に続きベラルーシ、ウクライナなど東部諸国でも航空禁止措置を取る国が相次いだ。欧州航空交通安全機関によると同日、欧州で7割以上の1万6000便が欠航する見通し。英気象庁は火山灰が「渋滞につかまった車と同じ程度の速度」でゆっくりと移動しているとしており、規制導入から3日目を迎えても事態好転のメドは立っていない。
 英航空当局は、飛行禁止時間を18日午前1時(日本時間同9時)に再延長、火山灰の移動に伴い、16日夕から一部解除していた北部地域も再び飛行禁止となった。一部規制を解除していたアイルランドも同様に禁止措置をとった。
 イタリアやスイスなど欧州中南部でも規制延長を決定、ウクライナもキエフや黒海沿岸のオデッサ空港などを閉鎖した。ベラルーシも17日午後まで飛行禁止措置を取った。
 国際航空運送協会(IATA)は、航空会社の損失は少なくとも1日当たり2億ドル(約180億円)に達するとしており、航空規制が長引けば、航空会社の経営にも深刻な影響が出そうだ。
 アイスランドの火山活動は現在も続いており、欧州航空交通安全機関は17日「少なくとも24時間は影響が続く」としている。
【関連記事】
毎日新聞 2010年4月17日 20時23分
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アイスランド火山噴火 航空網乱れ 欧州経済に深刻な影
                    2010.4.17 19:52  産経新聞
16日の夕暮れ前、アイスランドで噴火した火山から空中に巻き上がる火山灰(AP=共同)
 【ロンドン=木村正人】アイスランドの火山噴火による火山灰は17日、欧州やロシア上空を覆い、英国、ドイツなど16カ国が空港を全面閉鎖、フランス、イタリアなど7カ国が一部を閉鎖するなどマヒ状態が続いた。英気象庁は「混乱は少なくとも数日間続く」と予測。航空会社の損失は10億ドル(約920億円)に達したとの見方もあり、航空株が一斉に下落するなど、欧州経済にも深刻な影を落とし始めている。
 英BBC放送によると、16日に散発的になった噴火は17日再び活発になっており、英気象庁の専門家は「最善のシナリオはすぐに噴火が止まることだが、現在の観測ではしばらく続くだろう」と指摘した。
 16日は欧州全域で離着陸する航空機の6割に当たる1万7千便以上が欠航。17日も同規模の欠航となりそうだ。英国ではスコットランド地方などで一時、空港閉鎖が解除されたものの、英航空当局は同日、「状況は悪化している」として再び全空港閉鎖に踏み切った。

国際航空運送協会(IATA)は航空会社の減収が1日当たり2億ドル(約184億円)以上と予測。空の物流も完全にストップし、英紙フィナンシャル・タイムズによると、これまでの損失は10億ドルに達したとの見方も出ている。
 英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズの株価は3%以上下落。ドイツのルフトハンザ航空が4%、フランスのエールフランスの持ち株会社が3・4%株価を下げた。
 一方、英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」は16日に続いて17日も満杯の状態。ドーバー海峡を結ぶフェリーにも予約が殺到している。ドイツではレンタカーの借り出しが急増している。
 英国ではこの時期、イースター(復活祭)休みを利用して修学旅行を行う学校も多く、帰国の予定が遅れている。日系企業の間では混乱が長引くことへの懸念も広がっている。
 北極圏に接する世界最北の島国アイスランドは大西洋中央海嶺の真上にある火山島で、130の火山があり、約5年周期で噴火を起こしている。過去5世紀で最大だったのは1783〜84年に起きたラキ火山の噴火で、島民の4分の1が死亡。火山灰は欧州の上空を覆って数年間にわたる異常気象と食糧不足を引き起こし、フランス革命の引き金になったとされる。今回の噴火は数キロ東のカトラ火山の噴火を誘発する恐れがあるため、影響の長期化を懸念する声が上がっている。

火山灰、ロシア到達…欧州空港閉鎖24か国に
    2010年4月17日20時28分 読売新聞
 【ロンドン=大内佐紀、是枝智】アイスランドの火山噴火による欧州の空の乱れは17日も収束の気配がなく、火山灰は風に乗ってロシア国内まで到達。

 欧州の航空運航状況を統括するユーロコントロールなどによると、空港閉鎖は旧ソ連圏のベラルーシやウクライナにも広がって少なくとも24か国に及んだ。
 17日午前(日本時間同日夜)現在、航空機が運航しているのはスペイン、ギリシャなど南欧に限られ、混乱の影響は欧州の経済、社会生活にじわじわと広がっている。
 ユーロコントロールによると、17日は全欧州で運航が予定される約2万2000便の7割強の約1万6000便が飛べなくなるとの見通しを示した。日本航空では、15〜18日の4日間で欧州便の運休は計36便で、8000人以上に影響するとみられる。
 欧州最大のロンドン・ヒースロー空港の発着停止措置は18日午前1時(日本時間同9時)まで延長された。空の足の回復の見通しが立たない中、鉄道や自動車、船舶の需要が高まり、混乱は陸や海の足にも拡大している。
 アイスランドでは、エイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山噴火が17日も続き、付近の住民も避難したままだ。16日には同国沿岸警備隊機が上空約9000メートルで火山灰を確認したという。
(2010年4月17日20時28分 読売新聞)

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石田ふたみ