『日々の映像』

2010年04月05日(月) 北朝鮮の黄(フアン)元書記の来日

1、黄・元北朝鮮書記が来日 機内から直接バスへ、姿見せず
2010年4月4日18時21分 朝日新聞
2、北朝鮮:97年の秘密演説判明 金総書記「背信。犬に劣る獣だ」 亡命の黄書記を罵倒
毎日新聞 2010年4月4日 東京朝刊
3、元側近 拉致被害家族と面会へ   4月2日 4時46分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100402/t10013587321000.html
4、元書記“日本人拉致を把握”   4月1日 16時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100401/k10013573851000.html

5 、1997年02月14日(金) 北朝鮮の黄(フアン)書記の亡命
   http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=19970214

 北朝鮮の黄(フアン)書記の亡命したのは1997年2月であった。日々の映像を書き始めて2ヵ月目のことであり記憶の鮮明に残っている。亡命の動機の書面に「労働者、農民たちが飢えているのに、理想社会を建設したと騒ぎ立てる人を、どうしてまともな神経を持った人間ということが出来ようか」と言っていた。

 黄(フアン)書記が韓国の実業家に送った手紙はさらに鮮烈である。
「自分だけを崇拝するよう強要し、無条件に服従させる独裁体制を築いた。すべての功績は、自らのものとし、過ちは全て部下のせいにしている。これが、まさに彼の偉大性の正体だ」とも言っていた。

 引用した日々の映像に次のようにある。
「北朝鮮の国民が、政府から配給されている食糧は、1日100グラム(米0.6合)〜150グラムで必要最低限の4分の1。4月から5月に底をつくと、本格的飢餓が発生する危険が高い」
と指摘している。1日茶碗1杯の米で、どうして食料生産の労働が出来ようか。この日の日々の映像は次の短歌で結びとした。

  ・この世紀 最後の悲惨か 飢えの群れ 主体思想の 顛末いかん

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1、黄・元北朝鮮書記が来日 機内から直接バスへ、姿見せず
2010年4月4日18時21分

 北朝鮮から韓国に亡命した黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ、ヨプは火へんに華)元労働党書記が4日午後、来日した。中井洽拉致問題担当相の招致で、8日まで都内に滞在する予定。来日は非公式で、日程は公開されていない。
 政府関係者によると、黄氏は訪問先の米国から4日午後に成田空港に到着した。機体にリフト付きのバスを横付けし、機内から直接、バスの車内に移動させる異例の対応。その後、東京都内のホテルに入った。
 報道陣に姿を見せることはなかった。滞在中、中井氏や衆参両院の拉致問題特別委員会の議員、拉致被害者家族らと会談するほか、講演会も予定されているという。

2、北朝鮮:97年の秘密演説判明 金総書記「背信。犬に劣る獣だ」 亡命の黄書記を罵倒
毎日新聞 2010年4月4日 東京朝刊
 ◇主体思想創始者、きょう来日
 北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の元側近で、韓国に亡命した黄長〓(ファンジャンヨプ)元朝鮮労働党書記(87)が4日、来日する。毎日新聞は97年の亡命直後に、金総書記が党幹部に語った秘密演説の全文を入手した。黄元書記を「犬にも劣る」とののしる一方で、「騒ぐ必要はない。騒げばかえって価値を高めてしまう」と語るなど複雑な心境をのぞかせている。
 「革命的信念と良心は革命家と背信者を分ける基本指標だ」と題された演説の発言録は、A4判の用紙十数枚に及ぶ。黄元書記が中国・北京の韓国大使館に亡命申請した97年2月12日直後の同17日と3月5日の2回行われたと記されている。
 金総書記は黄元書記を「人間でなく、犬より劣る獣だということを自らあらわにした。人生も残り少ない74歳にもなって、党と首領(故金日成(キムイルソン)国家主席)の信任に背いただけでなく、息子、娘や孫たちまですべてを捨ててしまった彼をどうして人間とよべるだろうか」と罵倒(ばとう)。
 また、北朝鮮の指導理念「チュチェ(主体)思想」の創始者でもある黄元書記を「地主の息子で、日帝時代に学んだ古い知識人だ」と切り捨てている。さらに「黄長〓は主として教育部門と対外宣伝部門で仕事をしてきた。党、国家、軍事秘密を知る事業に関係したことはない。彼から『秘密』が出たとしても、南朝鮮かいらい(韓国)の脚本に沿ったデタラメな話だ」と亡命後の言動に動揺しないようクギを刺している。
 ラヂオプレスによると、金総書記の当時の発言としては、最初の秘密演説のあった翌日の2月18日、朝鮮中央放送が「ひきょう者よ、去らば去れ! われわれは革命の赤旗を最後まで守るだろう」との短い言葉を伝えただけだった。黄元書記は今回、中井洽拉致問題担当相の要請で来日する。【鈴木琢磨】
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北朝鮮:韓国亡命の黄元書記、4月に訪日へ
毎日新聞 2010年4月4日 東京朝刊
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元側近 拉致被害家族と面会へ
4月2日 4時46分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100402/t10013587321000.html

北朝鮮のキム・ジョンイル総書記の元側近で、4日から来日する予定のファン・ジャンヨプ氏が滞在期間中、拉致被害者の家族らと面会することがわかりました。
ファン氏は、朝鮮労働党の元書記でキム総書記の家庭教師を務めるなど、政権中枢に近かった人物ですが、13年前に韓国に亡命して以降は北朝鮮の独裁体制に対する批判を続けています。4日から8日まで、亡命後、初めて来日する予定のファン氏の日程は、警備上の理由などから一切明らかにされていませんが、関係者によりますと、ファン氏は、拉致被害者の家族や拉致問題を担当する中井国家公安委員長らと面会するということです。拉致被害者の家族との面会は、平成15年に横田めぐみさんの両親らが韓国を訪問したときに続いて2度目ですが、このときファン氏は、拉致について具体的なことは語りませんでした。また、ファン氏は、拉致へのみずからの関与を否定しており、今回の来日でも被害者についての新しい情報が伝えられる可能性は低いとみられています。政府は、懇談会も開いて、ファン氏に北朝鮮の体制などについて話してもらう考えですが、一部からは、拉致問題に関する具体的な成果を疑問視するとともに北朝鮮との交渉への影響を懸念する声も出ています。

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元書記“日本人拉致を把握”
4月1日 16時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100401/k10013573851000.html

北朝鮮のキム・ジョンイル総書記の元側近で、13年前に韓国に亡命したファン・ジャンヨプ元書記は、日本人の拉致事件について、亡命する前から把握していたことを明らかにしました。
13年前、1997年に韓国に亡命したファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記は、アメリカの民間団体の招きでワシントンを訪れ、31日に講演を行いました。この中でファン元書記は、北朝鮮による日本人の拉致事件について、「拉致被害者が通訳として使われていることは知っていた」と語り、亡命する前の北朝鮮で要職にあったころから拉致事件について把握していたことを明らかにしました。ただ、自身の関与については否定し、被害者が何人いたのかなど、詳しいことは把握していなかったと説明しました。ファン元書記は、今月4日から亡命後初めて日本を訪れることにしており、求められれば拉致被害者の家族と面会する用意があると述べました。この一方で、ファン元書記は、拉致問題は「相対的にはささいな問題だ」としたうえで、「日本の懸念はもっともだが、国際的により関心を集めるには、北朝鮮国内の深刻な人権問題に焦点を当ててそれと関連づけて訴えるべきだ」と述べました。


1997年02月14日(金) 北朝鮮の黄(フアン)書記の亡命
 南北の歴史にその名を留める人物が登場した。北朝鮮の黄(フアン)書記の亡命である。亡命の動機の書面に「労働者、農民たちが飢えているのに、理想社会を建設したと騒ぎ立てる人を、どうしてまともな神経を持った人間ということが出来ようか」と言っているのだ。
 
 黄(フアン)書記が韓国の実業家に送った手紙はさらに鮮烈である。「自分だけを崇拝するよう強要し、無条件に服従させる独裁体制を築いた。すべての功績は、自らのものとし、過ちは全て部下のせいにしている。これが、まさに彼の偉大性の正体だ」果たして、北の現体制はどれだけ続くことだろう。
 
 このナンバー2の大物書記の亡命という火が燎原に広がるのだろうか。「将軍様は天才だと自画自賛し、最近では自分が本当に天才だと思うようになった」というから深刻である。現代性のままでは、飢えという悲劇の絵巻を歴史に刻むだけのように思う。
書面はさらに続く「悩みに悩んだ末、民族を不幸から救うため・・・自分の運命については、時代の流れに任せ、自分の行動の評価は歴史にゆだねる。・・・可能なら最後(死)の瞬間まで、南と北の和解と統一の役に立ちたいだけだ。・・・」
 
  ・すべて捨て 祖国を想う この人を 時代の英知は いかに処せんや

 今日の日報によれば「北朝鮮の国民が、政府から配給されている食糧は、1日100グラム(米0.6合)〜150グラムで必要最低限の4分の1。4月から5月に底をつくと、本格的飢餓が発生する危険が高い」と指摘している。1日茶碗1杯の米で、どうして食料生産の労働が出来ようか。

  ・この世紀 最後の悲惨か 飢えの群れ 主体思想の 顛末いかん

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石田ふたみ