2009年12月28日(月) |
鳩山首相約6億円の相続税を払う |
報 道
首相「6億円を納税」 実母の資金提供受け 2009年12月27日 日経 首相「新たな気持ちで頑張る」 偽装献金会見から一夜 2009年12月25日 日経 仙谷行刷相、高齢者資産に課税の検討を 2009年12月27日 日経 社説:首相の元秘書起訴 説得力欠いた鳩山会見 2009年12月25日 毎日新聞
鳩山首相は27日午前、自身の資金管理団体の偽装献金事件で、実母から多額の資金提供を受けていたことを受け、約6億円の贈与税を納税したと明らかにした。2002年からの7年間で約12億円の贈与を受けたとして、延滞税などを除く本税分の約6億円を納める手続きを取ったという。どう受け止めどうコメントするか・・昨日と同じく読者もご判断としたい。
上記の報道に中で特に不愉快だったのは、仙谷行刷相、高齢者資産に課税の検討である。歳入確保が難しくなった場合には「(国民の)皆さん方に負担をお願いしなければ仕方ないのではないか」と言及。「消費税だけでなく、その他の税目も議論をしたほうがいい」と強調している。これで民主党支持の風向きが変わると思う。
――――――――――――――――――――――――――――― 首相「6億円を納税」 実母の資金提供受け 2009年12月27日 日経
鳩山由紀夫首相は27日午前、自身の資金管理団体の偽装献金事件で、実母から多額の資金提供を受けていたことを受け、約6億円の贈与税を納税したと明らかにした。官邸前で記者団の質問に答えた。 同時に「(25日に)手続きした。修正ではなく申告して納税した」と述べた。納税額は6億円かと問われ「だいたいそのくらいだ」と答えた。 関係者によると、鳩山首相側は25日午後、納税地を所管する室蘭税務署に申告書を送付。2002年からの7年間で約12億円の贈与を受けたとして、延滞税などを除く本税分の約6億円を納める手続きを取ったという。〔共同〕(11:52) ―――――――――――――――――――――――――――――――― 首相「新たな気持ちで頑張る」 偽装献金会見から一夜 2009年12月25日 日経 鳩山由紀夫首相は25日午前、偽装献金問題を受けた記者会見から一夜明けて「(政権発足から)101日目だから、新たな気持ちで頑張りたい。(今日の)晴天のような政治にしていきたい」と抱負を語った。そのうえで「国民の皆さんは『知らなかったはずはない』という思いはまだ残っていると思うが、私なりにすべてを正直に話した」と強調した。首相公邸前で記者団に語った。 「鳩山家の潤沢な資金があったから首相になれたのでは」との記者団の問いには「確かに鳩山の家は恵まれていた。それは事実だ。ただ私はむしろ、そういう政治ではいけないという思いの下で政治改革に炎を燃やしてきた」と述べた。(11:48) ――――――――――――――――――――――――――――――――― 仙谷行刷相、高齢者資産に課税の検討を 2009年12月27日 日経 仙谷由人行政刷新相は26日、読売テレビ番組で「相続税を相続税という名前でなく、残した財産に(税金が)かかることも考えないといけない」と述べ、高齢者資産に課税する仕組みを検討すべきだとの認識を示した。25日に閣議決定した2010年度予算案での歳入確保に特別会計の剰余金などの「霞が関埋蔵金」に依存したことについては「もう逆さまに振っても出てこない感じになっているのではないか」と指摘した。 埋蔵金での歳入確保が難しくなった場合には「(国民の)皆さん方に負担をお願いしなければ仕方ないのではないか」と言及。「消費税だけでなく、その他の税目も議論をしたほうがいい」と強調した。行刷相は現役世代の負担のもとに高齢者の生活が支えられている問題点を示したうえで「高齢者がどうやって社会にお返しをしていくか考えてもいい」と語り、資産への課税を検討すべきだとの考えを明らかにした。(26日 11:32) ――――――――――――――――――――――――――――――――
社説:首相の元秘書起訴 説得力欠いた鳩山会見 2009年12月25日 日経
予想されていたとはいえ、現職首相の元秘書が起訴されるのは極めて異例で深刻な事態だ。折しも発足以来100日を迎えた鳩山政権にとってやはり大きな打撃である。 鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件で、首相の元公設第1秘書が24日、政治資金規正法違反(虚偽記載など)で在宅起訴された。首相は同夜、記者会見して謝罪する一方、辞任の考えはないと表明したが、事件に関しては「秘書にすべてを任せ、実態をまったく知らなかった」「私腹を肥やしたわけではない」の繰り返しだった。 首相も認めた通り、これでは国民は納得できない。野党は年明けの通常国会で厳しく追及する方針だ。これで一件落着とは到底いかない。 東京地検特捜部はこのほか元政策秘書を略式起訴し、鳩山首相本人は容疑不十分として不起訴となった。それにしても改めて驚くのはでたらめな献金処理だ。 元公設秘書は04〜08年分の収支報告書などに記載した収入のうち故人らの名を使うなどして計約4億円分を虚偽記載(一部は不記載)したとされる。なぜ、そんな処理をしたかといえば「個人献金額を増やし国民から支持されている政治家に見せたかった」と供述しているという。 一方、首相は実母からの巨額な資金提供も再度「知らなかった」と釈明したが、「カネの話をすることがなかった」という裕福な家庭だったからというだけでは、「首相に国民生活の苦しさが分かるだろうか」と疑問を感じる人の方が多いだろう。 巨額資金を何に使っていたかも疑問が残る。会見では政治活動だけでなく、プライベートな支出までもすべて秘書任せだったと認めたが、そこには相当な公私混同があったのではないか。また、首相は実母からの資金提供を贈与と認め、修正申告して贈与税を支払う考えも示したが、事件が発覚しなければ、結果的に税金逃れになっていた可能性がある。納税者意識の低さを指摘されても仕方がない。 首相は野党時代「秘書が犯した罪は政治家が受けるべきだ」と語っていた。この発言も今後野党の追及材料となろう。 毎日新聞が先に実施した世論調査では、この問題で首相は辞任する必要がないと答えた人は54%で、辞任すべきだと答えた40%を上回った。政治を変えてほしいとの期待の方が大きいということだろう。だが、この会見を受け、世論が変わる可能性がある。今後、仮に従来の首相説明と矛盾が出てくるようなことがあれば状況はさらに一変するはずだ。その際には首相の進退につながることになると指摘しておく。
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