『日々の映像』

2009年11月13日(金) 基金・積立金の仕分け作業が始まる。

報 道

1、基金・積立金、7000億円返納 事業仕分け
               2009年11月13日
2、社説:事業仕分け開始 国民が「劇場」の監視役だ
             2009年11月2日  毎日新聞

毎日新聞の社説はは次の説明で始まる。
・・・まるで「予算劇場」だ。中央省庁の事業の必要性がひとつひとつ傍聴人もいる会場で厳しく吟味され、次々と「廃止」や「地方移管」などの審判が下されていく。・・・
447事業について民間の識者や国会議員らからなる3チームの仕分け人が公開の場で予算計上の要、不要などを判定する。国民に開かれた作業で予算の透明度を高め、既得権益と絡んだ無駄に切り込む政治的な動きは初めてのことだ。

67事業で基金や、特別会計の積立金などを全額、国庫に返納するよう求める判定が相次いだ。返納を求めた基金や積立金の08年度末の残高を単純に合計すると約7000億円になった。与党の閣僚の一部から不満の声が上がっているが、国民に支持があるのでこの流れは止められないだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――
1、基金・積立金、7000億円返納 事業仕分け
               2009年11月13日
 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の作業グループは12日、2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」を続行し、24項目、67事業について議論した。国が財源を拠出する財団法人などの基金や、特別会計の積立金などを全額、国庫に返納するよう求める判定が相次いだ。返納を求めた基金や積立金の08年度末の残高を単純に合計すると約7000億円になった。
 基金を解散するなどして国庫に返納すれば、一般会計の税外収入などになる。過去最大の約95兆円に膨らんだ10年度予算の概算要求を削るだけでは財源確保は苦しいため、いわゆる霞が関の「埋蔵金」の活用を狙った格好だ。(07:00)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
2、社説:事業仕分け開始 国民が「劇場」の監視役だ
             2009年11月2日  毎日新聞
 まるで「予算劇場」だ。中央省庁の事業の必要性がひとつひとつ傍聴人もいる会場で厳しく吟味され、次々と「廃止」や「地方移管」などの審判が下されていく。
 政府の行政刷新会議による事業仕分け作業が始まった。来年度予算編成を控え、447事業について民間の識者や国会議員らからなる3チームの仕分け人が公開の場で予算計上の要、不要などを判定する。
 来年度予算の概算要求が95兆円を突破する中、どれだけ予算を削れるかの総額に関心は集まりがちだ。だが、国民に開かれた作業で予算の透明度を高め、特に中央官庁の既得権益と絡んだ無駄に切り込むことが肝要である。
 鳩山内閣肝いりの事業仕分けの最初の焦点は、対象とする事業の選定だった。診療報酬、地方交付税、在日米軍の思いやり予算など「聖域」を設けず対象とする方針を刷新会議は打ち出した。制度改正が必要な分野で予算をただちに削ることは難しいかもしれないが、今後の改革に向け俎上(そじょう)に載せたことは賛成だ。
 概算要求の圧縮を鳩山内閣が迫られる中での作業である。だからといって、まるで魔法の杖(つえ)を持つように仕分け人に予算削減を期待することは適切であるまい。
 「仕分け」の意義は所管省庁の手を離れ、仕分け人が公開の場で客観的に費用対効果を論じる税金の使途の透明化にある。1チーム10人程度のメンバーが短時間の議論で本当に事業の必要性を見極められるか、確かに懸念はある。だが、インターネットで中継される作業を通じ仕分け人も「目利き」の熟練度が問われ、結果責任を問われる。予算の編成過程が国民から監視される意義は小さくない。
 国民が最も成果を期待しているのは独立行政法人への不透明な支出など、中央官庁の既得権益が絡む無駄の一掃だ。仕分け対象事業のラインアップを見る限り、この部分が踏み込み不足だ。作業に協力する財務省の筋書き通りなどと言われぬよう、「官」が痛みを感じる削減にこそ大なたを振るってほしい。
 また、国から地方への事業移譲を審判する際には、自治体の裁量を増し分権効果が期待できるかがポイントだ。地方に生じる費用負担の問題も重要だ。政府に新設される「地域主権戦略局」と連携して議論を進めることが望ましい。
 人前で説明がつかない予算はつけない−−。こんな当たり前のことが財政規律の一歩なのかもしれない。仕分け作業終了後、刷新会議は予算計上の是非を最終判断する。その結果も含め、政府は国民に分かりやすく開示すべきである。
【関連記事】
事業仕分け:農道整備など10事業700億円削減と判定
事業仕分け:亀井氏が人選批判「外国人平気で入れている」
事業仕分け:公開の場で「無駄根絶」開始 行政刷新会議
事業仕分け:有識者56人を決定…刷新会議
事業仕分け:対象は447事業…刷新会議、11日作業開始
毎日新聞 2009年11月12日 2時30分

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ