『日々の映像』

2009年06月01日(月) 生保大手2.8兆円・大手3銀行1.3兆円の評価損


1、生保大手、減配・無配相次ぐ 評価損、9倍の2.8兆円
                    2009年5月31日  日経
2、大手損保7社の09年3月期、4社が最終赤字
                    2009年5月21日 日経
3、3メガ銀の株評価損、6年ぶり1兆円超 前期、持ち合いが圧迫
                  2009年5月17日  日経

 生保・銀行に大きな評価損が発生している。国内大手で最も評価損が大きかったのは日本生命保険で、5200億円を計上。外資系では米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の3生保の評価損は合計で7300億円に登っている。

 保有株の時価が大きく値下がりした際に損失を計上する減損処理の額は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が5700億円、みずほFGが5100億円、三井住友FGが2200億円という具合だ。

 ここで一つの疑問を記述しておきたい。大手生保・銀行は保有株の時価が大きく値下がりした時は損失を計上して納税を免れる。しかし、株価が上昇したときに評価益を計上することはない。税務上評価益を計上する必要がないのだ。
いかにも大組織擁護の政策である。

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1、生保大手、減配・無配相次ぐ 評価損、9倍の2.8兆円
                    2009年5月31日  日経
 主要な生命保険13グループの2009年3月期決算が29日、出そろった。金融危機に伴い保有する株式などの価格が下落したため、有価証券評価損は合計で前の期比9倍となる2兆8700億円に膨らんだ。一方、有価証券の含み益は約7200億円と前の期と比べ約10分の1の水準まで減少。2000年前後の生保危機に比べれば各社とも財務基盤はまだ健全だが、市場環境の激変に対応する余力は確実に小さくなっている。
 本業のもうけを示す基礎利益の合計額は1兆7200億円。今回の評価損はこれを1兆円以上も上回った。国内大手で最も評価損が大きかったのは日本生命保険で、5200億円を計上。外資系では米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の3生保の評価損は合計で7300億円にのぼった。
 多額の評価損の計上と有価証券含み益の減少で生保の財務体質は悪化している。生保の健全性を示す指標の保険金の支払い余力(ソルベンシーマージン)比率は軒並み低下。国内大手9社は健全性の目安となる200%以上を確保したが、全社で減少した。(29日 22:38)

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2、大手損保7社の09年3月期、4社が最終赤字
                    2009年5月21日 日経
 東京海上ホールディングスなど損保大手7社は20日、2009年3月期決算を発表した。金融危機の直撃で全社が経常赤字に転落、損害保険ジャパンなど4社が最終赤字となった。主力の自動車保険などがふるわず、国内需要も低迷している。損保大手は来春、再編で大手3グループ体制に移行する。業務の効率化に向けて一段のリストラを迫られそうだ。
 業績悪化の主因となったのは金融危機だ。株安などによる有価証券の評価損や金融商品の元本割れなどに備える「金融保証保険」の損失などが膨らみ、7社の金融危機関連の損失合計額は8500億円を超えた。
 金融保証保険を中心に2489億円の関連損失を出した損保ジャパンは667億円の最終赤字を計上。財務基盤の強化に向け、1280億円の劣後債発行を決めた。(02:29)
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3、3メガ銀の株評価損、6年ぶり1兆円超 前期、持ち合いが圧迫
                 2009年5月17日  日経
 3メガバンクの2009年3月期決算で、保有株式の値下がりによる損失が計1兆3000億円となり、6年ぶりに1兆円を超えたことが分かった。前期はそろって大幅赤字になるなど企業との株式持ち合いが業績を圧迫。メガバンクは将来の損失発生を抑えるため、持ち合い解消へ動く見通しだ。
 保有株の時価が大きく値下がりした際に損失を計上する減損処理の額(傘下銀行合算ベース)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が5700億円、みずほFGが5100億円、三井住友FGが2200億円だった。昨年秋以降の急激な株安で前の期(計4300億円)の約3倍に膨れあがり、不良債権処理損失とともに各グループの最終赤字の主因となった。(17日 15:33)

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石田ふたみ