『日々の映像』

2009年05月01日(金) 「いつ起きてもおかしくない」が現実となった

報道
1、新型インフル「弱毒性」でも警戒必要
                  2009年4月30日12時03分 読売新聞
2、米国の感染地域、急速に拡大 新型インフル、首都近郊に
                  2009年4月30日 11:21 日経
3、メキシコ、政府業務停止へ 新型インフル「民間も一時休業を」
                  2009年4月30日  13:03  日経
4、厚労相「世界的大流行、確実性高まる」 新型インフル
                  2009年4月30日 13:22 日経
5、ロスからの到着便、日本人女性が新型インフル感染の疑い
                  2009年4月30日21時41分 読売新聞


「いつ起きてもおかしくない」といわれてきたことが現実となった。舛添要一厚生労働相は世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準を引き上げたことに関連し、「誤解を恐れずに明確に申し上げれば、パンデミック(世界的大流行)になる確実性が極めて高くなっているということだ」と述べた。現在はパンデミック(世界的大流行)前夜といったところだろう。

 私の理解の範囲で記述させていただければ、今回の新型インフルエンザの致死率はスペイン風邪と同等の印象である。政府はこのデータを踏まえて、新型インフルエンザの発生時全世界で数千万人、日本でも60万人前後の死者が出ると予測していた。これが現実となると社会は大混乱になることは必死である。

 いまは各国が水際で防ぐしか方法がないのである。日本の官組織挙げてウイルスの侵入阻止に総力を挙げてもらいたいものだ。スペイン風邪では世界で4千万人から5千万人死亡したといわれる。スペイン風邪以降一世紀近くを経た現在、また数千万人もの犠牲者を出す事態となれば、科学技術の進歩が何であったかと疑われると思う。

 今回の新型インフルエンザは毒性が弱いとしても、新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。よって世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。厄介なのは「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で強毒性に変化したタイプだったという。今回の新型インフルエンザも強毒性変化する可能性があるのだ。

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1、新型インフル「弱毒性」でも警戒必要
                    2009年4月30日12時03分 読売新聞
 今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)のウイルスについて、専門家の間では、当初想定していた強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に比べて、感染しても比較的軽症で済む「弱毒性」との見方が強まっている。
 世界保健機関(WHO)の緊急委員会のメンバーでもある国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は29日、今回のウイルスが鳥と人、豚由来のウイルス遺伝子が混ざったもので、「強い病原性を示唆する遺伝子はなかった」と「弱毒性」との見解を明らかにした。
 強毒性のH5N1型ウイルスは、のどや肺などの呼吸器だけでなく、内臓など全身に感染が広がるのが特徴で、感染者の免疫機能が過剰反応して、重症化すると考えられている。しかし、米疾病対策センター(CDC)の遺伝子解析によると、今回のウイルスは強毒性のH5N1型と異なり、呼吸器にしか感染できない構造だったという。
 東北大の押谷仁教授(ウイルス学)も、「感染者の症状から、H5N1型に比べて、毒性ははるかに弱いと考えられる。国内で流行しても感染者が重症で死亡する割合は低いのではないか」と指摘する。
 しかし、たとえ毒性が弱いとしても、今回の新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。今後、世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長は「毒性が弱く、重症化率が低くても、多くの人が感染すれば死亡者数は増える。弱毒性の方が感染に気づかないうちに周囲に広げる危険性が高い。マスクをするなど、感染拡大を抑えることが大事」と指摘する。
 さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだった。
 外岡立人・元小樽市保健所長は「弱毒性と安心せず、毒性がどう変化するか、今後も、注意する必要がある」と強調する。

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2、米国の感染地域、急速に拡大 新型インフル、首都近郊に
                  2009年4月30日 11:21 日経
 【ワシントン=弟子丸幸子】新型インフルエンザによる初の死者が29日に出た米国で、感染地域が急速に拡大している。米東部メーン州でも同日午後、州内初の感染者を確認。前日はカリフォルニア、ニューヨークなど5州にとどまっていた感染地域が計11州に広がった。感染の疑いがある例も増加しており、首都ワシントンに隣接するメリーランド州は同日、6人の疑いがある例が発覚したと発表した。
 米疾病対策センター(CDC)によると、米国内で見つかった感染者91人のうち、64%が18歳未満だった。学校で感染しているとみられている。AP通信によると、既に100近くの学校が休校を決定した。米食品医薬品局(FDA)は治療薬「タミフル」を1歳以下の乳児にも使用できるよう規定を変更して乳幼児の対策にあたっている。
 米軍でも初の感染者が発生した。米国防総省は29日、カリフォルニア州南部の海兵隊基地で、海兵隊員1人が感染したと発表。 (11:21)
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3、メキシコ、政府業務停止へ 新型インフル「民間も一時休業を」
                2009年4月30日  13:03  日経
 【ニューヨーク=米州総局】メキシコ政府は29日夜(日本時間30日午前)、同国内での新型インフルエンザの感染拡大を受け、連邦政府の業務を国民生活に必要不可欠な部分を除いて原則5月1日から5日まで休業すると発表した。民間企業にも一部業種を除いて一時休業を呼び掛けた。ロイター通信によると、メキシコのカルデロン大統領は、政府が活動を休止する期間、国民に自宅での待機を求めた。
 世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザに対する警戒水準を引き上げたことを受けた措置。業務を停止するのは、保健関係や交通など生活基盤にかかわる部分を除く大部分の政府業務。政府関係機関や地方政府などにも同様の対応を求めている。企業には休業の対象外の業種として「金融やスーパー、マスコミ、ガソリンスタンド」などを例示。市民生活に支障が生じないように配慮する考えを示した。
 メキシコ政府は同日、メキシコでの新型インフルエンザによる死者数が176人に達したことを明らかにした。
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4、厚労相「世界的大流行、確実性高まる」 新型インフル
                  2009年4月30日 13:22 日経
 舛添要一厚生労働相は30日午前の衆院厚生労働委員会で、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準を引き上げたことに関連し、「誤解を恐れずに明確に申し上げれば、パンデミック(世界的大流行)になる確実性が極めて高くなっているということだ」と述べた。検疫体制の強化で水際対策を徹底するとともに、ワクチンの製造・備蓄などを急ぐ考えを強調した。
 厚労省は抗ウイルス薬のタミフル、リレンザの備蓄状況を説明。タミフルは現在、3380万人分が用意されており、さらに830万人分が製造済みという。
 国内の空港で着陸後に検疫官が機内に入って乗客の健康をチェックする機内検疫について厚労相は「(対象国を)メキシコ、米国、カナダの3便から拡大することも検討する」と表明した。この日の衆院厚労委は新型インフルエンザ問題に関する現状や政府の対応を聴取し、質疑した。 (13:22)
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5、ロスからの到着便、日本人女性が新型インフル感染の疑い
                    2009年4月30日21時41分 読売新聞

 厚生労働省などに入った連絡によると、30日午後3時半過ぎに成田空港に到着した米ロサンゼルス発のノースウエスト便の機内検疫で、発熱を訴えた日本人女性が簡易検査で陽性反応を示した。
 女性は新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)を含むA型インフルエンザに感染している疑いがあり、午後7時ごろから遺伝子検査を実施。同検査は最大約8時間かかる見通しで、周辺座席にいた乗客ら約20人は空港周辺に留め置かれた。28日に機内検疫が始まってから、簡易検査の陽性反応は初めて。新型インフルエンザ上陸阻止に全力を挙げる同省や空港などの関係者に緊張が走った。
 成田国際空港会社によると、同機は到着後、21番スポットにとどまり、発熱した女性と周囲の席の客が機内に残された。午後7時半過ぎ、青い防護服にマスクとゴーグル姿の検疫官2人が機内から出てきた。同8時ごろ、救急車がノースウエスト機に横付けされ、布を頭からかぶった乗客1人が検疫官に付き添われてタラップを降り、救急車に乗り込んだ。救急車は赤色灯をつけ、サイレンは鳴らさずに走り、病院に着くと、女性は検疫官に支えられ、新型インフルエンザ患者の専用口から歩いて入った。
 簡易検査は迅速診断キットを使い、結果は約15分で判明する。ここで陽性が出ると、A香港型、Aソ連型、新型インフルエンザのいずれかのA型インフルエンザに感染している可能性がある。遺伝子検査はA香港型かどうかを調べるもので、遺伝子検査でも疑いが晴れない場合、Aソ連型か新型インフルエンザに感染していることになり、厚労省ではここで初めて新型インフルエンザの「疑い症例」として扱うことになる。
 最終診断には、国立感染症研究所(東京)でさらに詳しい検査が必要で、3日程度かかる見通しだ。
 遺伝子検査の結果が出るのは1日未明とみられ、ここで「疑い症例」と判断されると、女性の周辺座席の乗客や同行者らは「停留措置」となり、成田空港周辺の施設に最長10日間留め置かれて経過を観察される。
 厚労省では30日午後9時20分過ぎから、塚原太郎・大臣官房参事官が記者団に説明を行い、「PCR(遺伝子)検査を行っている。明日(1日)午前7時から会見する。初めてなので慎重を期したい」と述べた。
 米国の新型インフルエンザの感染者は10州で91人と、世界でメキシコに次いで多く、29日にはテキサス州で1歳11か月の幼児が死亡したことが明らかになっている。現地時間29日午前11時現在の米疾病対策センターまとめによると、女性が搭乗していた便の出発地・ロサンゼルスがあるカリフォルニア州の感染者は14人に上り、米国ではニューヨーク、テキサス州に次いで3番目に多い。


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石田ふたみ