『日々の映像』

2009年04月23日(木) 減反見直しなら米価4割に下落?


報道
1、減反見直しなら米価4割に下落 農水省、試算公表
                       2009年4月22日 日経
2、減反見直し:影響を試算…農水省
                      毎日新聞 2009年4月22日 

減反見直しなら米価4割に下落するという。そんなに落ちるだろうか。

価格の整理
60キロ当たり15000円〜18000
1キロ当たり  250円〜300・・・4割に落ちる 100〜120円
中力粉        220・・・・・・・・・・・・220円
薄力粉        200・・・・・・・・・・・・200円

 米が4割に落ちるとは、1キロ当たり100円から120になることである。
農林省は「小麦粉から比較すると約半分の価額になると言っているのであるが、これはやや脅しのような感じである。

 社会にはさまざまな矛盾があるが、農業問題の矛盾はを整理しておきたい。
1、日本に約240万ヘクタールある水田の4割近くが減反の対象になっている。
 (現在の稲作面積は160万ヘクタールである)
2、2008年の生産量は160万ヘクタールで約866万トンだった。
40年前に日本人は約1200万トンの米を食べていた。今は米800万トン小麦600万トン(大半が輸入)で、穀類の消費量はあまり変わりないのである。
3、現在3割のコメ農家が減反に参加していない。
4、減反に参加しない農家も米価下支えのメリットを受けることは矛盾。

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2、減反見直しなら米価4割に下落 農水省、試算公表
                        2009年4月22日 日経
 農林水産省は22日、コメの生産調整(減反)を見直した場合、生産量や米価がどう変わるかという試算を政府の農政改革特命チームに提出した。生産調整を廃止、緩和するといった5つのシナリオを前提にした。現在は160万ヘクタールに抑えている主食用米の作付面積が最大で60万ヘクタール増え、60キロ当たり約1万5000円の市場価格も、約4割の5894円にまで下がるとした。
 同日の特命チームでは試算について、生産調整にかかる補助金などの財政負担や、米価が下がった際の消費者の利点も考慮するべきだといった意見が出た。今回は第一次の試算で、さらに改良した第二次試算の公表を目指す。今後は6月にチームでの議論を再開し、8月上中旬に中間案をまとめる方針だ。
 今回の試算や国民のアンケート調査などをもとに麻生太郎首相が指示したコメ政策の「選択肢」づくりを進める。農水省内では農家が生産調整に参加するかどうかを判断する「選択制」など、現在よりも緩める案も浮上しており、こうした考え方も盛り込みながら検討する。(22:01)
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2、減反見直し:影響を試算…農水省
                      毎日新聞 2009年4月22日 
 農林水産省は22日、農政改革の焦点となっているコメの生産調整(減反)見直しの影響について5通りの試算結果を公表した。減反を廃止して農家の自由な生産に委ねた場合、60キロ当たりの米価は短期的には現状より1万円程度安い6000円弱に落ち込む可能性があるが、10年目には1万円近くに回復すると見込んでいる。
 政府は今夏をめどに減反政策を含む農政改革案をまとめる方針。17日の農政改革関係閣僚会合で麻生太郎首相がコメ政策に関する選択肢を示すよう指示、これを受けて農水省が試算した。
 日本に約240万ヘクタールある水田の4割近くが減反の対象になっている。減反を廃止した場合、08年産で約866万トンだった主食用米の生産量が急増し、米価の急落が予想される。
 半面、現状でも3割のコメ農家が減反に参加しておらず、参加しない農家も米価下支えのメリットを受けることに不公平感があるほか、農家が規模拡大の意欲を持ちにくいといった減反の副作用も指摘されている。
 農水省内には強制感を伴う現在の減反の手法を改め、減反に参加した農家だけを所得補償の対象にすることで需給調整を図る「選択制」案も浮上している。【行友弥】


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米の生産調整廃止なら大暴落/農水省がシミュレーション公表
                      掲載日:09-04-22農業新聞
 農水省は22日、農政改革関係閣僚会合の下に設置した特命チームの会合に、米の生産調整シミュレーションを示した。生産調整の強化や緩和、廃止など5つのシナリオで試算。廃止した場合は、1年目に現行の半値となる60キロ当たり7500円に暴落すると予測した。緩和によって30万ヘクタール作付けが増える試算でも、1年目に1万600円に大きく値を下げるなど、稲作経営への打撃が極めて大きいことが分かった。

 同省はこの試算を参考にしながら米政策の具体的な選択肢を示し、国民的な議論を行う方針だ。8月上中旬に生産調整の在り方を含む「農政改革の基本方向」を取りまとめる。
 
 試算では廃止の場合、1年目で7500円まで下がった米価は、その後5年目には1万円程度に回復するが、7年目以降は9000円台後半で推移する。現行の経営所得安定対策による補てんを含めても、生産者手取りはわずか8500円程度に減少する。
 
 30万ヘクタール作付けが増えた場合は、3年目以降1万2000円前後の水準で徐々に下落。作付けが10ヘクタール増えた場合でも、1年目で1万3800円に下がり、その後1万4000円台に回復するが、10年目には1万3500円水準になる。米価の下落や乱高下は稲作経営の安定を脅かし、将来的にわたる主食の安定供給に打撃を与えるのは必至だ。
 
 農水省は今後、米政策の具体策を検討するが、生産調整の役割を再度検証した上で、稲作経営安定の視点からの冷静な議論が求められそうだ。


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石田ふたみ