2009年04月05日(日) |
なぜ「100円マック」でも儲かるのか |
報道 1、なぜ「100円マック」でも儲かるのか:マック式ファイナンス論 プレジデント4月 3日(金) 2、日本マクドナルド:売上高、最終利益とも過去最高 08年 毎日新聞 2009年2月4日
マクドナルドのことは、日々の映像」を書き始めて12年前に何回も記述した。 何しろ210円のハンバーガーを一挙に100円にした関連報道が多くあった。 210円のハンバーガーを一挙に100円にしたところ、売り上げが20倍になったのである。1個当たり直接材料費57.5円は変わらないが、固定費が以下の通り20分の1以下になったのである。以下のコストの変化は、外食産業の神話に近いと思う。
210円マック 100円マック 材料費 57.5 57,5 社員人件費 40.7 2.3 店舗賃借料 21.0 1.2 広告宣伝費 11.3 0.6 その他管理費 66.6 3.7 営業利益 12.9 34.7
売り上げ 1に対し 20倍 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1、なぜ「100円マック」でも儲かるのか:マック式ファイナンス論 プレジデント4月 3日(金) マクドナルド、100円ハンバーガーのコスト・利益の仕組み 「うちは薄利多売のビジネス」と原田泳幸CEOは断言する。それをマクドナルドが世に知らしめたのは、210円だったハンバーガーを100円に値下げした1994年のことだ。この思い切った値下げによって、販売数が一挙に20倍も増えたという。
円グラフ(下部参照)の左側をご覧いただきたい。94年当時、210円で売られていたハンバーガーのコスト・利益の内訳である。原材料費57.5円、社員人件費40.7円、店舗賃借料21.0円、その他販売管理費66.6円などコスト計197.1円に対し、営業利益はわずか12.9円だ。110円も値下げして、儲けはどこから出てくるのか。その秘密は、固定費と変動費にある。 変動費とは、肉代・パン代といった売り上げに比例して動くコストのこと。固定費とは人件費・店舗賃借料など、必ず発生する決まった額のコストのことだ。 この図から、ハンバーガーは、固定費率が高く、変動費率の低い商品だということがわかる。値下げをしても儲けを出すためには、2つの条件が同時に必要となる。まず、先ほどの「商品の変動比率が低い」こと。そして、「値下げによって、販売数量が大幅に増加する」ことだ。
実は、マクドナルドは全国展開の前に、89年に仙台市で、20円引きの190円でトライアル値下げを行ったことがある。このとき、ほとんど販売数量は変わらなかったという。20円の値下げに対し、当時の消費者は見向きもしなかったのである。そこで、94年の場合では、全国展開として思い切って110円の値下げを実施したのだ。 100円という、半額以下の価格には、さすがに消費者が敏感に反応し、販売数量が爆発的に増加した。1個当たりの固定費が、人件費2.3円、販管費3.7円など大幅に圧縮されたのだ。それが図の右の円グラフだ。 この結果、1個当たりの営業利益が12.9円から34.7円までなんと2.7倍に増加したのである。
この仕組みこそ、売れば売るほど1個当たり固定費(固定費÷販売数量)が少なくなり、利益が上がるマクドナルドの薄利多売ビジネスの正体だ。 1個当たりの販売価格がたとえ下がったとしても、大量に売れればその分、利益が大幅に拡大することになる。だから、原田CEOは、徹底的に客数の増大にこだわるのだ。客数が増えれば「100円マック」に加えて、ほかの商品を一緒に買ってくれる機会増につながる。 「10人から10円ずつもらうのではなく、100人から1円ずつもらうのが、うちのビジネスのあり方。年間、延べ14億人のお客様がマクドナルドに来店するが、1人から1円ずつ利益が増えれば、年間14億円の増益になる。1円の差がビジネスを大きく左右する、それが薄利多売の強みでもあり怖さです。1円の価値と14億円のスケール感を、同じように実感することができて、はじめて経営しているといえるのです」(原田CEO) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2、日本マクドナルド:売上高、最終利益とも過去最高 08年 毎日新聞 2009年2月4日 日本マクドナルドホールディングスが4日発表した08年12月期連結決算は、売上高が前期比2.9%増の4063億円、最終利益は58.5%増の123億円といずれも過去最高だった。景気後退に伴う節約志向で外食業界は苦戦が続いているが、「100円マック」などの低価格メニューの販売が好調だったほか、24時間営業の店舗拡大などで3期連続の増収増益を確保した。 既存店の売上高は4%増、来店客数も4%の伸び。玩具販売会社「日本トイザらス」(川崎市)株の売却益約25億円の計上も最終利益の大幅増につながった。 09年12月期は、高価格帯のハンバーガー「クォーターパウンダー」や朝食メニューの強化など、品ぞろえの多様化で、4期連続の増益を見込む。【森禎行】
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