2009年01月16日(金) |
中央大事件 倒れた教授を執拗に刺す |
1月16日 中央大事件 倒れた教授を執拗に刺す 報道 1、複数の傷 内臓まで 中大教授刺殺 犯人に確定的殺意 2009年1月16日 東京新聞 2、中央大事件 抵抗し倒れた教授を執拗に刺す、背中に傷集中 2009.1.16 11:58 産経新聞 3、中大教授刺殺:教授の行動を把握 待ち伏せ、周到に準備か 毎日新聞 2009年1月16日
ショックな事件である。犯人の確定的な殺意を恐ろしい。 背中に多数の傷が集中していることから、捜査本部は、倒れた高窪さんを犯人が執拗(しつよう)に刺し続けたという。殺害された高窪統(はじめ)教授(45)は、背中を刺されている最中はまだ意識があったと思う。冥福を祈るのみである。大学の教授は学生の立場からみれば権力者でもある。類似事件が起こる危険があると思う、
大学側はキャンパス開放か防犯かに苦悩することになる。中央大理工学部は高窪統教授が刺殺された事件を受け、同大はこれまで自由だった現場の後楽園キャンパスへの立ち入りに、身分証の提示を求めるなど制限を設けた。防犯と開かれたキャンパスの両立は、各大学の難題になりそうだ。
――――――――――――――――――――――――――――――― 1、複数の傷 内臓まで 中大教授刺殺 犯人に確定的殺意 2009年1月16日 東京新聞
東京都文京区の中央大構内のトイレで、理工学部の高窪統(はじめ)教授(45)が刺殺された事件で、内臓に達する深い傷が胸付近に複数あり、致命傷になったことが警視庁富坂署捜査本部の調べで分かった。捜査本部は犯人に確定的な殺意があったとみて、高窪さんの周辺に恨みを持つ人物がいないかなど慎重に調べている。 捜査本部によると司法解剖の結果、高窪さんの死因は胸を刺されたことによる内臓損傷に伴う失血死だった。胸のほか腹や背中に多数あった刺し傷のうち数カ所の傷も、内臓に達していたという。 また、現場となったトイレの洗面台から血液反応が確認されていないことも新たに判明。捜査本部は犯人が犯行後、手などを洗わずに高窪さんの返り血を浴びたまま逃走した可能性があるとして、キャンパス内の捜索や目撃者捜しに全力を挙げている。 これまでの調べで、大学構内の一号館四階では、現場のトイレから内階段へ続く廊下と一階までの内階段などで、微量の血痕が見つかっている。捜査本部は、犯人の靴についた血液の可能性もあるとみて、鑑定を急ぐとともに逃走経路を調べている。 捜査本部によると、現場付近で目撃された不審な男は、年齢二十−四十歳で身長約一メートル七〇−七五。黒いロングコートと黒いニット帽をかぶり眼鏡をかけていたという。 正門に献花台 後輩「悔しい」 中央大学理工学部の後楽園キャンパス正門には十五日、献花台が設けられた。高窪統教授の死を悼む学生や友人、大学教職員らが訪れ、献花台に花束を置き、冥福を祈った。 高窪教授の出身大学である上智大学の二年後輩で、同じテニスサークルに所属していた男性会社員(43)はこの日午後三時すぎ、献花に訪れた。 会社員は「高窪さんはさわやかでスマート。非の打ちどころのないかっこいい先輩だった。誰かに恨まれるような人ではない」と振り返り、「献花した時、『安らかにお休みください。警察がきっと犯人を捕まえてくれます』と話しかけました。とにかく悔しい」と声を落とした。 開放か防犯か キャンパス対策 大学苦悩 中央大理工学部の高窪統教授が刺殺された事件を受け、同大はこれまで自由だった現場の後楽園キャンパスへの立ち入りに、身分証の提示を求めるなど制限を設けた。同キャンパス周辺は、多くの大学が集まる文教地区。防犯と開かれたキャンパスの両立は、各大学の難題になりそうだ。 事件を受けて対策本部長に就いた田口東理工学部長は「キャンパスは開かれているところで出入りの自由は保障されないといけないが、安全を確保する責任もある。どうバランスをとればいいのか、心悩ませた」と、苦しい胸の内を語った。 近くに駿河台キャンパスがある明治大も、警備員による建物出入り口での立番を実施したり、警備員の巡回を強化したりする対応を取った。だが、担当者は「学外者の立ち入りまで制限するのは好ましくない」とする。 近くに市ケ谷キャンパスがある法政大は「大学は開かれ、出入りは自由。事件の背景がまだ見えていないが、セキュリティー上、本学にも該当する状況が判明すれば、対応を考えたい」の立場。本郷キャンパスが近い東京大も「規模も大きいし、門の数も十カ所以上。(敷地内の)病院には一般の人が多く訪れ、バスやタクシーも構内に乗り入れている。完全に閉じるのは難しい」という。 一方、お茶の水女子大(文京区)は、入構の際に身分証の提示を求めている。学外者は、受付簿に氏名を記入、名札を受け取って入る。構内に付属小、中学校などもあり、二〇〇一年に起きた大阪・池田小の児童殺傷事件後、こうした対応をとっているという。広報担当者は「見学の要望は受け付けており、キャンパスを閉ざしているわけではない」としている。 法学者の渥美東洋中央大名誉教授は「大学は、警備に頼るだけでなく、教職員と学生、学生同士、あるいは大学と地域との交流を重ね、連帯することで、危険を見極める眼力を養うことが必要ではないか」と話した。 ――――――――――――――――――――――――――――――― 2、中央大事件】抵抗し倒れた教授を執拗に刺す、背中に傷集中 2009.1.16 11:58 産経新聞 東京都文京区の中央大学後楽園キャンパスで同大理工学部教授の高窪統(はじめ)さん(45)が刺殺された事件で、高窪さんに背中から心臓に達する刺し傷があったことが16日、警視庁富坂署捜査本部の調べで分かった。背中に多数の傷が集中していることから、捜査本部は、倒れた高窪さんを犯人が執拗(しつよう)に刺し続けたとみて、トラブルがなかったか調べている。 高窪さんは1号館4階の男子トイレ内で背中を中心に多数の傷があり、うつぶせに倒れていた。心臓、肺に達する深い傷があり、大動脈も切れていた。ほかにも手の親指と人さし指の間に傷があり、襲撃を防ごうとして刃を握った際に受けたとみられる。 犯人は確定的な殺意を持って高窪さんを襲撃したとみられるが、高窪さんの妻は捜査本部に「トラブルは思い当たらない」などと話しているという。 また、トイレの洗面台には血を洗い流したような形跡がなかったという。血痕がトイレから中央階段に続き、連続して1階警備員室付近まで達しており、捜査本部は犯人が相当な返り血を浴びて逃走したとみて、大学周辺の聞き込み捜査を続けている。 遺体発見直前に現場トイレ前で目撃された男は、20〜40歳で身長170〜175センチ、黒っぽいニット帽に黒のコート、眼鏡姿で、中央階段に向かったとみられる。大学から北西に約200メートル離れたコンビニエンスストアの防犯カメラには、黒い服の人物が、店の外を大学から池袋方向に歩いていく姿が写っていた。 一方、捜査本部は、東京メトロ後楽園駅の改札内の男子トイレで大便器に付着した ――――――――――――――――――――――――――――――――
3、中大教授刺殺:教授の行動を把握 待ち伏せ、周到に準備か 毎日新聞 2009年1月16日 東京朝刊 東京都文京区の中央大後楽園キャンパスのトイレで14日、理工学部教授の高窪統(はじめ)さん(45)が刺殺された事件で、犯人が高窪さんの講義日程など日ごろの行動を把握していた可能性があることが分かった。高窪さんは研究室に出勤した直後の約10〜15分の間に襲われており、警視庁富坂署捜査本部は犯人が廊下などで待ち伏せするなど周到に襲撃を準備していた疑いがあるとみて捜査を進めている。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】 大学によると、高窪さんは火、水、木曜の週3回計7コマの講義を担当。14日は2〜4限の3コマがあり、2限目の「半導体デバイス」の講義が始まる約15分前の午前10時25分ごろ、研究室のある1号館4階のトイレ内で背中などから血を流して倒れているのが見つかった。 捜査本部などによると、14日の事件当日、高窪さんは午前9時過ぎに世田谷区の自宅を出発。電車を利用して10時ごろ大学に到着した。1階の警備室で研究室の鍵を受け取り、4階の研究室に向かったとみられる。同10〜15分ごろに学生が廊下で鍵を手にした高窪さんとすれ違っていることから、その後、研究室からトイレに行き襲われた可能性が高い。 大学によると、高窪さんは講義前に必ず研究室に立ち寄っていたという。10時40分からの2限目の講義場所は5号館で、1号館からはいったん建物の外に出る必要がある。早めに研究室を出る必要があったが、襲撃はそのわずかな時間に行われていた。1号館には防犯カメラはなく、人けも少ないという。 こうした状況から捜査本部は、犯人が高窪さんの行動パターンを事前に調べ、1号館内で待ち伏せして講義直前を襲った疑いがあるとみている。 捜査本部によると、現場検証の結果、トイレの外の廊下から1階に下りる中央の階段に連続して微量の血痕が残っていた。血痕は1階の警備室付近で途切れていたという。
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