『日々の映像』

2008年08月17日(日)  火葬船構想


 2006年10月24日の高齢者福祉情報に「この数字が時代の流れだ」と題して年度別の死亡者を書いた。2009年から年間死亡者が120万人台に乗る。
2007年  108万人
2009年  122万人
2015年  138万人
2021年  151万人
2027年  162万人
2033年  168万人
2039年  170万人
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=11720941&comm_id=698599

 全国の火葬場数は、平成2年の2万6089カ所をピークに、一貫して減少を続けて、直近の18年度調査では、4899カ所まで落ち込んだという。そのため、東京都や福岡市、横浜市では、需要が処理能力を超えている状態が続き、死亡から火葬まで数日間待たされるケースが続出しているという。平時である現在で火葬が間に合わないということは、新型鳥インフルエンザの感染が広がると場合、完全なパニックになることが必至である。

 以下に新規火葬場の案が記述されているが、その整備には迷惑施設として周辺住民の反対の的となる。よって、火葬船構想が最も早い解決策のようだ。

地中・海中に火葬場−三井住友建設が構想
8月15日8時33分配信 日刊工業新聞
火葬場不足時代に「火葬船」構想 自治体の同意と資金投入が不可欠
2008.4.7 産経新聞
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
地中・海中に火葬場−三井住友建設が構想
                   8月15日8時33分配信 日刊工業新聞
 三井住友建設は地中や海中に埋設する火葬施設「ジオ・フロント・ホール」の構想をまとめた。施設上部を公園や緑地、森林とするなど自然に溶け込むように構成。火葬施設がひっ迫する都市部で積極的に提案する。

 人口が10万―30万人程度の都市・地域を対象に、火葬炉10基程度を設置する。立地条件に応じて、3タイプを用意した。都市部の平地に向く「地下型」と、近郊丘陵地における「トンネル型」、沿岸部に設ける「海底設置型・洋上浮体型」。施設のほとんどが地中か海中にあるため、存在が目立たず、地中構造物になるため地震に強い。地中熱を有効に活用することで、省エネルギー化が可能としている。

 火葬場は高齢化で今後急速に需要が増えると考えられるが、その整備は迷惑施設として周辺住民などの強い反対の的となることが多く、都市部ほどその立地が困難なのが実情。同社では、火葬施設の立地に苦慮している自治体に新構想を提案していく考え。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
火葬場不足時代に「火葬船」構想 自治体の同意と資金投入が不可欠
                           2008.4.7 産経新聞
 船で火葬と葬儀を行う「葬斎・火葬船」構想を日本財団がまとめ、7日に報告書を発表した。平均寿命を迎える団塊世代の人数がピークとなる将来、自治体の火葬場不足が深刻化することに着目。土地の確保や住民との調整を回避できる利点がある。公共火葬場の設置建設を行う地方自治体の資金投入が不可欠だが、財団では「技術的には可能」として、実現に期待を寄せている。
 厚生労働省によると、平成18年の年間死亡者数は108万4450人と40年前の約2倍に増加。一方、全国の火葬場数は、調査開始の昭和27年の2万6089カ所をピークに、増減を繰り返しながら揺るやかに減少し、平成2年以降は一貫して減少を続けている。直近の18年度調査では、4899カ所まで落ち込んだ。
 特に東京都や福岡市、横浜市では、需要が処理能力を超えている状態が続き、死亡から火葬まで数日間待たされるケースが続出している。減少傾向について厚労省は「火葬場の集約・広域化が進んでいるからではないか」としている。
 報告書は、日本環境斎苑協会や国交省OBなどで構成される「葬斎・火葬船構想調査委員会」が約2年の調査を経てまとめた。それによると、年間死亡者は、団塊世代が平均寿命を迎える平成48年にピークを迎えて176万人に達し、火葬場の需要は現在の約1.5倍となる
また陸上で新たに火葬場を建設した場合、年間死亡者数がピークを過ぎて以降は余剰施設が出てしまうという問題も生じる。だが、船ならば解体して鋼材にリサイクルできる。
 接岸する岸壁が限定されないことや参列者の車利用を考え、2600トン級のカーフェリーを想定し、新たに船を建造した場合は約20億円かかると予想。自治体が所有し、運行や葬儀運営は民間委託する。船酔いする参列者や天候の荒れを考慮し、湾内の海で浜辺から10キロ程度の海上に停留して葬儀を行うという。
 財団では、報告書を全国の自治体に送付し、具体的要請があれば財団が船の建造で協力する方針。


 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ