『日々の映像』

2008年08月16日(土)  無宗教の追悼施設

 無宗教の追悼施設を作るべきだと思う。
 15日に開かれた戦没者追悼式で河野議長は「わが国と近隣諸国との関係においていまだに歴史に背景を持つ未解決の問題がトゲとなり、摩擦を引き起こしている」として東京裁判でのA級戦犯を合(ごう)祀(し)している靖国神社を取り上げ、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる追悼施設の設置に真剣に検討を進めることが求められる」と述べている。この国立の無宗教である恒久的な追悼施設の設置が、国民の支持を多く得られると思う。

 なぜ、国の権力者である国会議員が大挙して靖国神社を参拝すると、中国・韓国を刺激するかという基本的な問題点を2005年から2006年にかけて3回記述したので引用しました。要点は世界に通用する普遍的な宗教感にもとづく必要があるのである。

今年も日本の「加害責任」強調 戦没者追悼式で衆参両院議長
                   2008.8.15 12:39 産経新聞

終戦記念日:無宗教の追悼施設を 河野衆院議長、政府に検討求める                       毎日新聞 2008年8月15日

小泉首相バンドン会議で異例「反省、おわび」演説
                  2005年4月25日の日々の映像から
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20050425

小泉首相、靖国神社参拝を強行するか 
                2005年6月13日日々の映像から
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20050613

普遍的な宗教観           
               2006年8月17日日々の映像から
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20060817


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今年も日本の「加害責任」強調 戦没者追悼式で衆参両院議長
2008.8.15 12:39 産経新聞
 河野洋平、江田五月の衆参両院議長は、15日に開かれた戦没者追悼式で、先の大戦における日本の「加害責任」を昨年に引き続き今年も強調した。
 江田議長は、「わが国の侵略行為と植民地支配により、アジア諸国をはじめ広い地域の人々にも、多大な苦しみと悲しみを与えた」と明言した。
 一方の河野議長は「非人道的な行為によって人権を侵害され、今もなお苦しんでおられる方々に、改めて心からなるお見舞いの気持ちを申しあげたい」と述べた。昨年の追悼式では「日本軍の一部による非人道的な行為によって」と発言。今年は「日本軍の一部による」を削除したものの、お見舞いの気持ち」を「改めて」表明したことで昨年と同様の考えを伝えた。
 河野議長はまた、「わが国と近隣諸国との関係においていまだに歴史に背景を持つ未解決の問題がトゲとなり、摩擦を引き起こしている」として東京裁判でのA級戦犯を合(ごう)祀(し)している靖国神社を取り上げ、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる追悼施設の設置に真剣に検討を進めることが求められる」と、国立で無宗教の恒久的な追悼施設の設置を積極的に提言した。
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終戦記念日:無宗教の追悼施設を 河野衆院議長、政府に検討求める                       毎日新聞 2008年8月15日
 河野洋平衆院議長は15日、全国戦没者追悼式の「追悼の辞」で、「政府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる施設の設置について真剣に検討を進めることが強く求められている」と述べ、政府に対して、無宗教の新たな戦没者追悼施設の建設が望ましいとの考えを表明した。靖国神社参拝問題を踏まえた発言。新たな追悼施設をめぐっては、福田康夫首相が官房長官当時に主宰した私的懇談会が02年12月、「国立の無宗教の恒久的施設が必要」との報告書を答申。しかし自民党内に慎重論が根強く、棚上げになっている。
 河野氏は、日本と中国、韓国など近隣諸国との関係について「いまだに歴史に背景を持つ未解決の問題がとげとなり、摩擦を引き起こしている」と指摘した。
 日韓両国がともに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題を念頭に「領土問題についても、お互いに内向きに領有権を声高に主張するばかりでなく、相手側と真摯(しんし)に向き合い、話し合いによる解決を実現することが強く求められている」と訴えた。
 一方、江田五月参院議長は同じく「追悼の辞」で、「先の大戦では、国内外で被害を受けた国民はもとより、わが国の侵略行為と植民地支配で、アジア諸国をはじめ広い地域の人々にも多大な苦しみと悲しみを与えた」と指摘。「深い反省の上に立ち、真に世界から信頼される平和国家を築くことが私たちの責務だ」と強調した。【高本耕太】
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小泉首相バンドン会議で異例「反省、おわび」演説
                  2005年4月25日の日々の映像から
      http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20050425

同じ趣旨で一国の首相が何度も「反省、おわび」演説は、韓国中国の懸念の本質から的がずれているように思う。この演説は1995年の村山富市首相談話に沿った内容でポイント部分を引用すると次の通りだ

「・・わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、わが国は第二次世界大戦後、一貫して経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している・・」と述べている。

 こんな同じような言葉の羅列お詫びは必要がないと思う。中国・韓国の立場から見ると、「アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」この時の日本の精神的な支柱が靖国神社だったのだ。ここ国会会議員が約90名・小泉首相が参拝するのだから、中国・韓国の普遍的な宗教観からすればビックリ仰天するのである。この参拝は中国・韓国にとっては右翼の復活―軍国主義の復活と映るのである。

 何度も「反省、おわび」演説をするより、靖国神社への参拝を中止するのが最善なのである。参拝する90名の国会会議員は右翼の復活―軍国主義の復活などを考えている人は誰1人もいないと思う。米紙論評しているように「(日本の)民主的政府は近隣諸国の脅威ではない」のである。これを理解させるためには、靖国神社の参拝をやめるしかないのだ。
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小泉首相、靖国神社参拝を強行するか 2005年6月13日日々の映像から
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20050613

4月25日の日々の映像「小泉首相、バンドン会議で異例の反省、おわび演説」と題する記述に中で「中国・韓国の立場から見ると、『アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた』この時の日本の精神的な支柱が靖国神社だったのだ。ここに国会議員が約90名と小泉首相が参拝するのだから、中国・韓国の普遍的な宗教観からすればビックリ仰天するのである」と書いた。この普遍的な宗教観とはどういうことか・・と2名の読者から質問を受けた。質問に対して4月27日のメールで概要の説明をしてあった。今日はそのメールをそのまま引用したい。
 「メールを拝見しました。来月の11日までは忙しく詳しい説明は出来ません。世界の宗教は、「参拝する対象者が誰か」が普遍的な宗教観なのです。中国では三国志に登場する諸葛孔明・関羽を祭っている地方が多くあります。宗教の原点は「根本的に尊敬する対象」なのです。孔子を尊敬する地方は孔子を祭って参拝しています。中国の宗教観からすると靖国神社に参拝することは、戦前戦争を引き起こし、東京裁判で絞首刑となった戦犯を尊敬し参拝すると映るのです。広くいえば宗教とは思想そのものなのです。戦前は靖国神社を頂点とする神道が思想の中核であったのです。・・・以下省略」
 中国・韓国の普遍的な宗教観からすれば「参拝することは、参拝対象者を根本的に尊敬している」と映るのである。首相・自民国会議員はこの普遍的な宗教観を理解すべきなのであるが、このような忠言には耳を貸さないようだ。飯島勲首相秘書官は「国の指導者たる小泉(首相)が不戦の誓いで靖国神社に行くのは何らおかしくない。(今年も)多分必ずと思う」(6月11日・毎日から)と語っている。「不戦の誓いで参拝する」という言葉は、中国側の普遍的な宗教観からすると理解が届かないのである。
 小泉首相の靖国神社参拝をめぐり、「日本遺族会が中国や韓国など近隣諸国への配慮を求める見解をまとめた」(6月11日・毎日から)という。首相の参拝で反日感情が高まることに対して遺族会が、参拝の自制を求めている。こんな環境の中で小泉首相は靖国神社参拝を強行するのだろうか。

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普遍的な宗教観         
2006年8月17日日々の映像から
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20060817

小泉首相及び自民党の靖国神社参拝派約90人から、世界の普遍的な宗教観を持って欲しいものである。8月16日の小泉首相の靖国神社参拝は、これからの日中・日韓の関係に少なからずの影響を与えると思う。2005年4月25日、小泉首相はバントン会議で異例の「反省、おわび」演説を次の通りした。

「・・わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、わが国は第二次世界大戦後、一貫して経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している・・」と述べている。「アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」この時の日本の精神的な支柱が靖国神社だったのだ。ここ国会会議員が約90名・小泉首相が参拝するのだから、中国・韓国の普遍的な宗教観からすればビックリ仰天するのである
複数の読者から「普遍的な宗教観」とはどうゆうことかと質問を受け、それぞれメールで説明していたが更に質問がきたので2005年6月13日の日の映像で記述した。関心のある方は開いてください。

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石田ふたみ