『日々の映像』

2008年06月10日(火)  最低賃金の国際比較

 この半年間貧しい人たちに関する記述を多く書いた。主なものを挙げると以下の通りである。この中で最も衝撃を受けた内容は、2007年12月5日最賃法改正案参院委で可決であった。法律は総論を決めるだけで、いくら上げるかは地方を含む官僚のしゃじ加減なのだ。所得200万円以下の勤労者が1000万人を突破したというのに最低賃金を上げる気配がないことであった。 

 最低賃金国際比較は次の通りである。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3342.html から引用。
米国     5.2ドル
日本     5.8ドル
アイスランド 9.5ドル
英国     9.9ドル
仏国     10.1ドル
 
日本の最大の問題は、食料などの物価がアメリカ・フランスなどと比較して高いことである。公共料金に例を取れば、ガス料金は以下の通り米国2.6倍、電気料金はフランスの2.2倍である。最低賃金が先進国平均より低く、公共料金が約2倍なのである。低所得者にとって、これほど暮らしにくい国はないだろう。物価上昇の趨勢のなかで高齢者の暮らしも厳しくなる。言うまでもなく年金は変わらず物価のみ上昇するからである。

 ここで記述するテーマではないかも知れないが、5年前から「発芽玄米ごはん
を食べましょう」という運動をしている。既に預金なしの家庭が24%になっているのである。食の習慣を根本から見直さないと、破産する家計が続出するだろう。

2008年02月27日(水)  ワーキングプア
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=727872435&owner_id=3230765
2008年01月12日(土)  <家計貯蓄率>06年度、低下に歯止めかからず
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=681519635&owner_id=3230765
2007年12月22日〔土〕極貧困層(相対的貧困率)について
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=661037748&owner_id=3230765
2007年12月8日 貧困層の拡大・・・やっと始まった賃上げ?
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=661037748&owner_id=3230765
2007年12月6日 多重債務者問題
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=645324133&owner_id=3230765
2007年12月5日 最賃法改正案参院委で可決 
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=644514398&owner_id=3230765
参考資料
最低賃金のk国際比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3342.html
地域別最低賃金の全国一覧
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm

電気料金国際比較
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/shiryo/ryokin-kokusaihikaku.pdf
日本100に対し米国63・ドイツ66・フランス44・韓国61

ガス料金の国際比較(ドル/kwh)
http://www.kakimi.jp/ito/EnergyTgas0308.pdf
日本0.21ドル・韓国0.07ドル・アメリカ0.08ドル・イギリス0.12ドル

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最低賃金の国際比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3342.html
日本の最低賃金については、生活保護の水準を下回っており、引き上げが課題となっていた。このため2007年12月最低賃金法が改正され、都道府県別に定められている最低賃金が見直されることとなっている。

 日本の最低賃金のレベルは、他国と比べて高いのか低いのか。これを調べてみることとする。

 最低賃金のレベルの国際比較としては、最低賃金そのものを為替レートで換算して比較する場合と最低賃金がその国の平均賃金と比べてどのぐらい低いのかで比較する場合とがある。後者を最初の図に示し、前者をもう1つの図として示した。

 日本の最低賃金の相対水準(平均賃金に対する%)は28%とOECD諸国の中で、メキシコ、韓国、トルコの3カ国を除くと最低である。先進国中最も低いレベルといわざるを得ない。

 最低賃金の引き上げでどの程度この相対水準が上がるかであるが、2007年年度の最低賃金(全国加重平均)687円*を大胆にもし1.46倍の1000円にしたとすると相対水準は41%程度と先進国並みに上昇するが、800円(1.16倍)だとすると33%となお最低レベルからは脱却しない。最低賃金を大きく引き上げると中小企業の経営にかなりの影響が出るので一気に状況を改善するのは難しかろう。

*連合HPによる(最低沖縄618円、最高愛知714円)

 米国は値の算出に使用した平均賃金が管理職・経営職を除いたものなので実際は日本より低い可能性もある。欧米先進国の中では米英はやはりかなり低い水準である。

 他方、フランス、オーストラリア、アイルランドといった国は平均賃金の相対水準が50%前後と高くなっている。

 最低賃金の絶対水準では、日本の場合、時給5.8ドルと米国、スペインや東欧諸国と比較すれば高いが、西欧諸国に比べればやはり低い水準になっている。

(2008年6月6日収録)

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石田ふたみ