『日々の映像』

2008年06月02日(月)  「減反政策見直しを」を言う前に

 減反政策見直しなどという珍説を言う前に、日本人が40年前の食生活に戻る運動を展開しなければならないのだ。その基本データを示そう。
1、1962年の米の消費量は一人当たり年間118・3キロであった。2000年では 一人当たり年間消費量が約半分の64キロになってしまった。
2、1963年の米の消費量1341万トン。現在800万トンになっている。この差の541万トンは、小麦の輸入550万トンで埋められている。話は簡単で米を食べない代わりに小麦(パン・麺類)すなわち輸入品を食べているのだ。 
 食料自給率の減少は、国民が作り出しているのである。以前何回も書いたが、全国の家庭で朝パン食を止め、ごはんを食べるとその瞬間に自給率は55%に上昇するのである。
 *朝食にパンの場合の自給率    15%
 *朝食にごはんの場合の自給率   55%
ともかく、輸入食品を食べる割合を減少させるのは、40年前の食生活に戻る必要があるのだ。
品目別の自給率 (http://oshimas.iza.ne.jp/blog/entry/494460/から)
トウモロコシの自給率は   0%・・・飼料として1600万トンを輸入
小麦の自給率は…………13%
大豆の自給率は………… 5%
牛肉の自給率は…………43%・・・・飼料はほとんど輸入
豚肉の自給率は…………52%・・・・飼料はほとんど輸入
鶏肉の自給率は…………69%・・・・飼料はほとんど輸入
水産物の自給率は………52%
乳製品の自給率は………66%・・・・飼料はほとんど輸入
生鮮野菜の自給率は……79%

「減反政策見直しを」官房長官表明
                        2008年6月1日 日経
EU、減反の完全撤廃を提案
                        2008年6月1日 日経
1962年の米の消費量 一人当たり年間118・3キロ・・2000年で64キロ
http://www.yunomae.com/pub/kouhou/200307/7.pdf
1963年の米の消費量1341万トン・・・現在800万トン
http://www.s.affrc.go.jp/docs/report/report6/1.pdf
日本の食料自給率、もうひとつの不安
http://oshimas.iza.ne.jp/blog/entry/494460/
日本は世界最大のトウモロコシ輸入国
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080505

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「減反政策見直しを」官房長官表明
                        2008年6月1日 日経
 町村信孝官房長官は31日、都内で開いた国際会議「ラウンドテーブル・ジャパン」で講演し、世界規模で深刻化している穀物価格の高騰問題に関連し「世界で食料不足の国があるのに日本でコメの減反(生産調整)をしているのは誠にもったいない話だ。減反政策を見直していく必要があるのではないか」と述べた。コメの生産量を増やし、輸出などに振り向けるべきだとの考えを示したものだ。(31日 19:21)
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EU、減反の完全撤廃を提案
                      2008年6月1日 日経
 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)の欧州委員会は20日、小麦などの減反政策の完全撤廃を盛り込んだEU農業政策の改革案を加盟国に提案した。世界規模の食糧価格の高騰をにらんだ措置。フィッシャーボエル委員(農業担当)は同日の記者会見で「市場動向や食糧需要の拡大に対応するため農業規制を大幅に撤廃する」と語った。EUは6月中旬に開く首脳会議でも食糧高騰を協議する方針だ。
 EUは耕地面積の10%の作付け制限を設けて小麦などの生産調整を進めてきた。だが新興国の需要増加や洪水、干ばつで食糧価格が高騰。昨年9月に減反政策の一時凍結を決めたのに続き、今回は減反政策の完全な撤廃に踏み切る。EU域内での自給体制を整え、食糧の値上がりを抑える。
 欧州委はバターなどの乳製品の品不足をふまえ、牛乳についても生産調整の緩和を提案。生産枠を段階的に引き上げたうえで2015年には完全撤廃する方針だ。(13:02)
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日本の食料自給率、もうひとつの不安
2008/02/26 14:34
http://oshimas.iza.ne.jp/blog/entry/494460/
あれほど騒がれていた「食の安全」も、イージス艦の衝突事故や、ロス疑惑の再燃などで、なんとなくしぼんだ感がある。しかしながら、一般家庭にとっては、これはエンドレスというか、永遠に無関心ではいられない問題。「週刊東洋経済」2月23日号は、<「食」の戦争>という特集を組んでいるが、そこで気になるデータをみつけた。それは、<世界に依存する日本の食卓――自給率はわずか39%>という項。個々の自給率は、このようになる。

トウモロコシの自給率は…〇%
小麦の自給率は…………13%
大豆の自給率は…………5%
牛肉の自給率は…………43%・・・飼料はほとんど輸入
豚肉の自給率は…………52%・・・飼料はほとんど輸入
鶏肉の自給率は…………69%・・・飼料はほとんど輸入
水産物の自給率は………52%
乳製品の自給率は………66%・・・飼料はほとんど輸入
生鮮野菜の自給率は……79%

「週刊東洋経済」によれば、このデータの出所は、農林水産省の2006年度確定値で、食料自給率の平均39%(カロリーベース)は、スイス49%、韓国473%を下回り、先進国で最下位とか。もうひとつ、気がかりなのは、食料によっては、輸入国がほぼ1国、ないし数か国にかたよっていることだ。上記の最大の輸入国とその比率は、つぎのようになる。

トウモロコシの最大の輸入国は…米国で96・3%
小麦の最大の輸入国は…………米国で53・8%
大豆の最大の輸入国は…………米国で76・5%
牛肉の最大の輸入国は…………豪州で87・4%
豚肉の最大の輸入国は…………米国で28・4%
鶏肉の最大の輸入国は… …ブラジルで93・1%
水産物の最大の輸入国は………中国で22・4%
乳製品の最大の輸入国は………豪州で28・0%
生鮮野菜の最大の輸入国は……中国で46・4%

これはなにを意味しているかといえば、米国、豪州、ブラジル、中国などの間に、なんらかのアクシデントがあった場合、それぞれの食料がストップする恐れがある、ということだ。低すぎる食料自給率には、もうひとつの不安要素がひそんでいるのを忘れるわけにはいかないのである。



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石田ふたみ