『日々の映像』

2008年05月22日(木)  前代未聞の自殺被害

 日本はロシアについで自殺者が多い。
何しろ年間で30000人を超える自殺が8年余り続いている。
毎日80人以上が自殺するのであるから、自殺報道に驚く必要がないかも知れない。しかし最近の自殺は関係のない人を巻き込むので深刻である。

 日々の映像を書き始めて12年目に入るが、月に1〜2回は今までになかった事例の報道がある。熊本市の赤十字病院で、農薬を飲んで自殺を図り運ばれた農業男性(34)が治療を受けている最中に嘔吐(おうと)し、吐いたものから塩素系の有毒ガスが発生。医師や看護師、患者ら計46人が体調不良を訴え、救急の受診中だった女性(72)が重症に陥ったという。治療にあたった女性研修医ら5人が呼吸困難を訴えるなどして、市内の別の病院に運ばれて処置を受けたというから前代未聞の出来事である。

 自殺する人を止めるための運動をしている団体が多い。しかし、自殺する人を止めることは至難のことである。自殺者は1億2600万人が住む日本社会の悪しき文化の病根といわねばならない。

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自殺男性の吐いた物から有毒ガス 46人体調不良 熊本
2008年05月22日06時06分 朝日新聞
 21日午後10時50分ごろ、熊本市長嶺南2丁目の熊本赤十字病院で、農薬を飲んで自殺を図り運ばれた熊本県合志市の農業男性(34)が治療を受けている最中に嘔吐(おうと)し、吐いたものから塩素系の有毒ガスが発生。医師や看護師、患者ら計46人が体調不良を訴え、救急の受診中だった女性(72)が重症。治療にあたった女性研修医ら5人が呼吸困難を訴えるなどして、市内の別の病院に運ばれて処置を受けた。男性はまもなく中毒死が確認された。
 同病院によると、センターには医師や看護師、患者ら約40人がおり、医師らはこの男性の体内から薬を出そうと鼻から管を差し込んで吸引を始めたところ、男性が嘔吐した。男性は自宅でクロルピクリンを飲んだとみられ、一部が気化したらしい。クロルピクリンは殺虫剤などとして使われ、有毒な気体を発するという。
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農薬自殺男性が吐いた物から有毒ガス、41人体調不良…熊本の病院
  2008年5月22日03時52分 読売新聞
21日午後11時ごろ、熊本市長嶺南2、熊本赤十字病院で、農薬を飲んで自殺を図り搬送された合志市の男性(34)が院内で嘔吐(おうと)し、吐しゃ物から刺激臭を伴う塩素系有毒ガスが発生、職員や入院患者ら41人が体調不良を訴えた。
 病院では対策本部を設置して治療に当たったが、うち2人が呼吸困難などで重症だが命に別条はないという。
 熊本県警の発表などによると、男性は自宅で、土壌くんじょう剤などとして使用される「ピクリン」を飲んだという。男性は死亡した。ピクリンは気化しやすく、毒性が強いという。





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石田ふたみ