『日々の映像』

2008年05月19日(月)  「本気で自殺考えたことある」2割

 自殺関連のニュースに接すると、日本の精神文化がひ弱になったのではないかと思う。
10年ほど前に自殺に関して、ある評論家は概要を次のように

1、自殺者2万5000人〔当時〕は自殺に成功した人である。
2、自殺を試みて失敗する人がこの10倍約25万人もいる。
3、自殺したいと思うが、死の恐怖から実行できないでいる人がこの約10倍の250万人もいる。
 と解説していたことを鮮明に記憶している。

このデーダーを完全に裏付ける報道があった。
政府が全国規模で初の本格的な意識調査を実施したところ、「本気で自殺を考えたことがある」と答えた人が全体の約2割にのぼっている。成人の2割であるから統計的には2000万人が「本気で自殺を考えたことがある」と回答している。

年代別では、30代が28%で最も高く、続いて20代が25%である。最も夢多き時代のはずの20代、30代に「本気で自殺を考えたことがある」と回答する人がこれほど多いことは異常と言うしかない。

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「本気で自殺考えたことある」2割 政府が初の全国調査
2008年05月16日20時13分 朝日新聞
 年間3万人以上にのぼる自殺について、政府が全国規模で初の本格的な意識調査を実施したところ、「本気で自殺を考えたことがある」と答えた人が全体の約2割にのぼったことが16日、明らかになった。年代別では、30代が28%で最も高く、続いて20代が25%だった。
 内閣府が今年2〜3月、20歳以上3千人を対象にアンケートし、1808人から回答を得た。「今までに本気で自殺を考えたことがあるか」との問いに、「ある」と答えたのは19%(男性16%、女性22%)。そのうち、だれにも相談しなかった人は6割に達した。職業別では、パートやアルバイトが26%と高かった。
 「身の回りに自殺した人がいる」と答えた人は57%。インターネットの自殺サイトを規制すべきだと考える人は76%だった。
 内閣府自殺対策推進室は「さまざまな経験をした年配の世代より、若い世代で自殺を考える人が多いのは意外だった」としている。
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自殺シーンが誘発58% 内閣府、初の意識調査
2008/05/16 共同通信】
 内閣府が16日発表した初の「自殺対策に関する意識調査」によると、テレビドラマや映画で自殺シーンを美化して描くことが自殺を促すと「思う」「やや思う」人が計58・2%に上り、「思わない」「あまり思わない」の計30・8%を大きく上回った。
 ドラマや映画の自殺シーンが「とても多い」「やや多い」と感じている人も計42・6%。「とても少ない」「やや少ない」は計19・7%で、自殺とメディアの関係を指摘する人が多いことが分かった。
 「本気で自殺を考えたことがある」と答えた人は19・1%で、年代別では30代の27・8%、20代の24・6%と若い世代の方が高かった。
 インターネット上で自殺者を募ったり自殺手段を教える「自殺サイト」は、「規制すべきだ」「どちらかというと規制すべきだ」が計76・1%と圧倒的多数を占めた。
 調査は今年2−3月に全国の成人男女3000人を対象に行い、1808人から回答を得た。



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石田ふたみ