『日々の映像』

2008年05月08日(木)  ストレスとうつ病

 新潟大学の教授で免疫学の大家である阿保 徹先生の「薬をやめると病気は治る」の本を熟読した。ここでのテーマは「ストレスとうつ病」であるが、万病の基がストレスなのである。この視点に立つと人生で最も重要なテーマは、ストレスをどう捉え、どう乗り越えるかでないかと思う。「ストレスをどう捉えどう乗り越えるか」のテーマは後日に送りたい。

ストレスが原因で心の病になる社員が多いことが報道されている。ストレスで鬱病(うつびょう)や統合失調症などに罹る社員が多く出る職場は組織の活力も大きく損なわれることになり。社会全体にとってもゆゆしき問題といえる。
5月3日の産経新聞の報道を要約すると次の通りだ。
1、 1カ月以上の休職者がいる企業は62.7%。
2、 企業規模が大きいほど高率で、従業員1000人以上の大企業では9割を超えた。
3、 最近3年間でメンタルヘルス不調の社員が「増えている」と回答した企業は、55.2%だった。
4、 世代別(複数回答)では、30代が51.9%と最多で、20 代が41.2%で続いている。
5、 休職者が職場に完全復帰した割合を「9 割以上」とした企業は20.4%
6、 小規模の企業では約3割が「全員復帰できなかった」と答えている。


企業の6割「心の病で社員1カ月以上休職」
2008.5.3 産経新聞
メンタルヘルス最新情報
http://www.welllink.co.jp/healthnews/index.php#20080416130819から
主な内訳
〇長期病欠「心の病」63%       2008年4月10日 日本経済新聞
〇東芝社員自殺 妻の日記で労災認定  2008年4月2日 日本経済新聞
〇トヨタ社員急死は労災 名古屋地裁 年金不支給取り消し
2007年12月1日 日本経済新聞
〇都市労働者の半数「ストレス増えた」 2007年11月14日 朝日新聞
〇「無能呼ばわりはストレスの要因」 自殺者に労災認定
2007年11月13日 日本経済新聞
〇「パワハラ自殺」労災認定 上司の暴言でうつ病
2007年10月16日 日本経済新聞
〇自殺 2割以上減めざす  2016年メド 政府が総合対策大綱
2007年6月8日 日本経済新聞
〇学生・生徒の自殺 最悪  昨年886人、中学生急増
2007年6月7日 朝日新聞
〇セクハラを労災認定          2007年5月18日 日本経済新聞
〇『心の病』で労災61%増 −うち自殺66人、過去最悪−
2007年5月17日 読売新聞
〇アルバイト昼夜かけ持ち 女性自殺 労災と認定
2007年5月17日 朝日新聞
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20080507

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企業の6割「心の病で社員1カ月以上休職」
2008.5.3 産経新聞

 鬱病(うつびょう)や統合失調症など、メンタルヘルス(心の健康)に問題を抱え、1カ月以上休職している社員がいる企業の割合が約6割に上ることが、民間調査機関の労務行政研究所(東京)の調査で分かった。休職者は働き盛りの20〜30代で増加が目立ち、同研究所は、「中高年を中心に人員が削減される中、若い世代の仕事量が増え、責任も大きくなり、ストレスが強くなっているからでは」と分析している。
 調査は1〜3月に全国の上場企業など約4100社を対象に実施し、250社から回答を得た。
 調査によると、1カ月以上の休職者がいるのは62・7%。企業規模が大きいほど高率になる傾向があり、従業員1000人以上の大企業では9割を超えた。
 最近3年間でメンタルヘルス不調の社員が「増えている」と回答した企業は、55・2%だった。世代別(複数回答)では、30代が51・9%と最多で、20代が41・2%で続いた。
 一方、休職者が職場に完全復帰した割合を「9割以上」とした企業は全体の20・4%。小規模の企業ほど復帰が厳しくなっており、300人未満の企業の約3割が「全員復帰できなかった」と答えた。
 メンタルヘルス対策の実施率は、大企業では100%近かったが、300人未満では57%にとどまった。同研究所は「職場復帰には早期発見、早期治療が大切。相談窓口の設置など支援態勢の充実が求められる」と話している。
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メンタルヘルス最新情報
http://www.welllink.co.jp/healthnews/index.php#20080416130819から

〇長期病欠「心の病」63%
2008年4月10日 日本経済新聞
2006年度に病気やけがで1ヵ月以上休んだ国家公務員は6105人で、このうち63%はうつ病など「心の病」が原因だったことが9日、分かった。長期病欠の理由で心の病が占める割合は01年度の前回調査(34%)に比べて大幅増。

〇東芝社員自殺 妻の日記で労災認定
2008年4月2日 日本経済新聞
東芝の男性社員(当時37)が2001年12月に自殺したのは、仕事による過労でうつになったのが原因であるとして、熊谷労働基準監督署が労災認定したことが1日、分かった。遺族の代理人弁護士によると同労基署は男性の妻の日記を基に、恒常的に1ヵ月当たり100時間前後の時間外労働が続いていたことを認定した。労働時間は通常、社員側と会社双方の記録を基に認定するが、妻の日記のみで認定されるのは珍しい。東芝は、「タイムカードの保存期限が経過した」などとして労働時間の記録を労基署に提出しなかったが、妻は男性の出勤時間や帰宅時間などについて詳細に日記に記録していた。

〇トヨタ社員急死は労災 名古屋地裁 年金不支給取り消し
2007年12月1日 日本経済新聞
トヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)で働いていた内野健一さん(当時30)が2002年に急死したのは、過重な労働が原因として、同県安城市の妻、博子さん(37)が豊田労働基準監督署長に遺族補償年金の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁であった。多見谷寿郎裁判長は急死と業務の因果関係を認め、不支給決定を取り消した。

〇都市労働者の半数「ストレス増えた」
2007年11月14日 朝日新聞
都市で働く労働者の2人に1人が「ストレスが1年前より増えた」と感じていることが、連合総合生活開発研究所の調査でわかった。物価上昇を感じる人の割合も急増しており、生活が厳しさを増しているようだ。
調査は10月に実施し、首都圏と関西の10都府県の20〜50代の労働者776人から回答を得た。
1年前と比べて仕事や職場でのストレスが「かなり増えた」「やや増えた」と答えた人は合計48.3%。

〇「無能呼ばわりはストレスの要因」 自殺者に労災認定
2007年11月13日 日本経済新聞
うつ病を発症後、出張中に宿泊先のホテルから飛び降り自殺した会社員の男性(当時47)の労災認定の適否が争われた訴訟の判決で、大阪地裁(山田陽三裁判長)は12日、「無能呼ばわりする上司の発言もストレスの要因になった」として、労災を認めた。判決によると、男性は2002年9月から組織改革に伴い2つの役職を兼務。「両方はこなせない」と上司に訴えたが取り合ってもらえず、うつ病を発症。出張中の同年11月に自殺した。

「パワハラ自殺」労災認定 上司の暴言でうつ病
2007年10月16日 日本経済新聞
男性営業マン(当時35)が「自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、男性の妻が静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の渡辺弘裁判長は15日、暴言と男性のうつ病発症や自殺との因果関係を認め、労災の不支給処分を取り消した。パワハラによる自殺に労災を認めた判決は初めてという。


〇自殺 2割以上減めざす  2016年メド 政府が総合対策大綱
2007年6月8日 日本経済新聞
政府は8日の閣議で、2016年までに「自殺率」(人口10万人あたりの自殺者数)を05年比で2割以上減らすことを柱とする自殺総合対策大綱を決定した。警察庁によると、日本は9年連続で年間の自殺者数が3万人を超え、自殺率も欧米諸国に比べて突出して高い。相談体制の充実や職場環境の整備を進め、自殺防止に総合的に取り組む。

〇学生・生徒の自殺 最悪  昨年886人、中学生急増
2007年6月7日 朝日新聞
昨年1年間に全国で自殺した人のうち、「学生・生徒」が886人(前年比25人増)と、統計を取り始めた78年以降、最多を記録したことが7日、警察庁のまとめでわかった。遺書が残っていた人の原因・動機別でも、「学校問題」が91人と前年から20人増えるなど、学校現場をめぐる問題の深刻化をうかがわせる結果になった。自殺者の総数は3万2155人(同397人減)で、9年連続で3万人を超えた。

〇セクハラを労災認定
2007年5月18日 日本経済新聞
ファミリーレストラン「デニーズ」の元アルバイト店員で神奈川県小田原市の女性(34)が職場でのセクハラ(性的嫌がらせ)やいじめが原因でうつ病になったとして出した労災申請について、小田原労働基準監督署(神奈川県小田原市)が労災認定していたことが十七日、分かった。女性の代理人弁護士などによると、うつ病の労災認定は長時間労働など過労を原因としたものが多く、セクハラに起因するとした認定は全国的にも珍しいという。

〇『心の病』で労災61%増 −うち自殺66人、過去最悪−
2007年5月17日 読売新聞
仕事上のストレスからうつ病などの「心の病気」を抱えて2006年度に労災認定された人は前年度比61%増の205人に上り、過去最多となったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。このうち自殺者は同57%増の66人(1人は未遂)と、やはり過去最多。長時間労働による脳や心臓の病気で労災認定された人も最多で、働く人たちが心身共に疲弊している実態が浮かび上がった。

〇アルバイト昼夜かけ持ち 女性自殺 労災と認定
2007年5月17日 朝日新聞
別々の出版社で編集アルバイトをかけ持ちしていた東京都杉並区の女性(当時26)が自殺したのは過重な労働が原因だったとして、遺族が出した労災請求について、東京労働者災害補償保険審査官は15日付で、女性の死を「過労自殺」と認めた。





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石田ふたみ