今回のガソリン税に関連した福田首相の弁明を福田内閣メールマガジンから 引用しよう。ここの要点は
1、野党の皆さんとの話し合いの機会をつくり、3月末までに話をつけて、国民生活や地方財政に大きな混乱をもたらさないように、と考え緊急に記者会見を開いて、道路財源改革のための新たな提案を行った。 ・・・福田内閣を倒そうと思っている野党に「話し合いの機会をつくり」などといってもどうにもならない。
2、第2に、ガソリン税を、地球温暖化対策や救急医療体制の整備、少子化対 策など、様々な政策にも使えるようにすることです。このために、道路特定 財源制度を今年かぎりで廃止し、21年度からガソリン税などの使い途を道 路整備に特定しない「一般財源」とします。 ・ ・・・「少子化対策など、様々な政策にも使えるようにする」説明がきれいごとすぎると思う。
3、ガソリン税の暫定税率の廃止で消費税1パーセントに相当する2兆6千億円もの財源が失われます。地方の自治体によっては、福祉や教育など幅広い住民サービスの見直しにつながりかねません。 ・・・・このガソリン税で地方に回る税収は確か800億円である。大半が道路特定財源の収入なのである。これによって、地方の自治体の「福祉や教育など幅広い住民サービスの見直しにつながりかねません」とは大げさな説明である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 福田内閣メールマガジン
政治の責任。福田康夫です。
ガソリン税などの道路特定財源のあり方については、先週のメルマガで、 政府の考え方に固執することなく、見直すべきは大胆に見直す、と申し上げ ました。
それは、野党の皆さんとの話し合いの機会をつくり、3月末までに話をつ けて、国民生活や地方財政に大きな混乱をもたらさないように、と考えたか らです。
そして、メルマガを皆さんに送った日の夜に、私は、緊急に記者会見を開 いて、道路財源改革のための新たな提案を行いました。
内容は、第一に、無駄使いの根絶のお約束です。娯楽用品を買うなどとい った不適切な支出はもってのほかです。さらに、道路予算に大きく依存して いる公益法人の廃止・民営化を進め、不透明な天下りも徹底的に排除するこ とです。
第二に、ガソリン税を、地球温暖化対策や救急医療体制の整備、少子化対 策など、様々な政策にも使えるようにすることです。このために、道路特定 財源制度を今年かぎりで廃止し、21年度からガソリン税などの使い途を道 路整備に特定しない「一般財源」とします。
第三に、10年間にも及ぶ道路整備計画を5年間に短縮し、本当に必要な 道路に限定するため、新たなデータを用いて計画内容を見直すこととしまし た。
これらの提案は、いずれも国会審議の中で明らかとなった問題への回答で あり、民主党をはじめ野党の皆さんにも、話し合いのテーブルについていた だけるものと考えました。
残念ながら、民主党との話し合いはつかず、結局、野党が多数を占める参 議院では、ガソリン税にかかる法案審議が3月中に一度も行われないまま、 ついに時間切れとなりました。
食品をはじめとした物の値上がりで家計への負担が増大するなかでは、税 金が少しでも安い方が、国民の皆さんにとっていいことは間違いありません。
「税金を引き下げます」と申し上げることは、とても楽なことです。
しかし、ガソリン税が引き下げられたままになると、消費税1パーセント に相当する2兆6千億円もの財源が失われます。地方の自治体によっては、 福祉や教育など幅広い住民サービスの見直しにつながりかねません。
今後、温暖化対策でも、医療でも、福祉でも、政府がやるべきことは山積 しており、しっかりとした財源の確保が不可欠です。
一方で、現在、国・地方の財政はともに大きな借金を抱えています。見通 しもなく安易に税金を引き下げ、子どもや孫たちのツケを大きくしてしまう ようでは、政治の責任を果たしたとは言えません。
人気取りに走るのではなく、必要なことであれば国民の皆さんにご負担を お願いするのが、国民の生活と経済を守るべき政治の責任であると考えまし た。
繰り返しとなりますが、そのための大前提として、皆さんからお預かりし た税金に、一円たりとも無駄があってはならないことは、言うまでもありま せん。
道路財源に限らず、すべての支出について「ムダ・ゼロ」を目指し、公益 法人のあり方や不透明な天下りを徹底的に是正します。
民主党をはじめ野党の皆さんとの話し合いの努力も、ねばり強く続けてま いります。野党の皆さんには、一日も早く、参議院で審議に入っていただき、 結論を出していただきたいと願っています。
|