『日々の映像』

2008年03月24日(月)  若年性認知症


「生涯青春の会」発足の原点となったのは、2005年に「癒しの森」で以下のことを記述したことがきっかけであった。詳しくは省略するが認知症は、生活習慣病が主要原因であるので「認知症になるな!」の旗を掲げて活動をして今日に至っている。

ボケ老人になる原因 (2005年3月30日の癒しの森から)
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20050330

老人性痴呆は生活習慣病である(2005年4月4日の癒しの森から)
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20050404

3月22日の読売新聞に若年性認知症に関する報道があった。このテーマはここで何回も書いてきたが、情報を提供する意味で以下の報道をエンピツに収録した。

若年性認知症については、旧厚生省の研究班が1996年度にアンケート調査を実施、全国の患者数を2万7000〜3万5000人と推計している。その後12年を経過しているが、現在の若年性認知症の患者数は分かっていないが、推定10万人という見方がある。若年性認知症は65歳未満の患者で、働き盛りで発症するため本人・家族の精神的、経済的負担は深刻なことは、ここでいうまでもない。

2005年3月30日に書いた「ボケ老人になる原因」の中で、金子先生の言葉の一部を引用します。 
1、ボケになるかならないかはその人の「生き方」によって左右されます。
2、「どういう人がボケやすいのでしょうか?」と質問されたら、私は迷わず「感性の乏しい人」と答えます。
3、脳は体の筋肉などと同じで、使わなければその分確実に衰えていきます。

 過日若年性認知症について懇談した時「日本で最も若い認知症は38歳」であったとの話が出ていた。

若年性認知症 患者に働く場
地域で支え 生き生きと
2008年3月22日 読売新聞
各地に「家族会」 情報共有
働き盛り「若年性」 手薄な介護
2007年12月4日 読売新聞
専門医診断 患者数推計、支援策探る
  2006年12月13日 読売新聞

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若年性認知症 患者に働く場
地域で支え 生き生きと
2008年3月22日 読売新聞
 若年性認知症の患者を地域で支える動きが少しずつ広がっている。「社会に役立ちたい」という患者の願いに応え、仕事や生きがい作りにつなげようと、さまざまな工夫をこらしている。

 東京・町田市のデイサービスセンター「おりづる苑せりがや」は毎週土曜日、若年性認知症の患者だけが利用する“おりづる工務店”に早変わりする。
 工務店の仕事は、市内の8保育園と提携した掃除やペンキ塗り。午前10時、出勤するとタイムカードを押す。登録しているのは男性6人。みな名刺を持つ。この日は、床のワックスがけと通用口の清掃の依頼があった。同苑管理者の前田隆行さんは「働き盛りで発症した人たちばかり。実際にはお金にならないボランティア活動だが、なるべく仕事の雰囲気を出すよう努めている」と話す。
 一般に高齢者のデイサービスセンターでは、室内でゲームなどをすることが多い。ところが、若年認知症の利用者は「まだ体が動く」「社会経験を生かした仕事をしたい」という意識が強く、高齢者と一緒のゲームにはあまり興味を持たないという。
 そこで、同苑では、保育園の協力を得て、昨年1月から工務店を始めた。利用者の要介護度は3〜4だが、みな自分のペースで働き、「仕事は楽しい」と話す。家族からも、「家の中でぼんやり座っているばかりだったが、工務店に通うようになって表情が明るくなった」「一日の出来事を自分から話すようになった」といった声が上がる。
 前田さんは「将来は賃金がもらえる仕事ができるように発展させたい」という。「おりづる工務店」の活動は、さわやか福祉財団理事長の堀田力さんら専門家でつくる「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」から、先駆的な活動として今月、表彰された。
 こうした活動は広がり始めている。東京・新宿区にある支援施設「ジョイント」は、NPO法人「若年認知症サポートセンター」が昨秋に開設した。公園の清掃や、ちらしの封筒入れなど「就労型」活動を行っている。
 認知症介護研究・研修東京センター主任研究主幹の永田久美子さんは「ちょっとした工夫や支援で、若年性認知症の人たちも地域でいきいきと暮らすことができます」と話している。
 若年性認知症 65歳未満で発症する認知症。働き盛りで発症するため本人・家族の精神的、経済的負担は大きい。患者は全国で数万人いるとみられている。
(2008年3月22日 読売新聞)――――――
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各地に「家族会」 情報共有
働き盛り「若年性」 手薄な介護
2007年12月4日 読売新聞
 働き盛りの人がかかる若年性認知症。患者数が少ないことなどから遅れてきた支援体制の整備が、少しずつ進み始めた。支援の第一段階とも言うべき「家族会」も、各地で設立されている。(中館聡子、写真も)
共感の場

支援する人々と近況について話す中村さん夫妻(左の2人)=北海道北竜町で
 「同じ境遇の家族と出会い、今やっと、『何も心配しなくてもいいよ。楽しく過ごそうね』と、夫に言えるようになりました」
 昨秋発足した「北海道若年認知症の人と家族の会」(札幌市)が11月10日、北海道旭川市で開いた「若年認知症フォーラムinあさひかわ」。認知症の夫(62)を持つ中易(なかやす)節子さん(58)は、皆の前でそう語った。
 夫がアルツハイマー病と診断されたのは2002年夏。当時57歳だった自動車整備工の夫は、「日報を付ける時、日を間違えてしまう」など、仕事のミスをよく話すようになっていた。渋る夫を説得して脳外科を受診した。
 「このころが一番つらかった」と中易さん。夫は58歳で退職し、退職金を取り崩して暮らす日々が始まったが、どこに相談していいか分からず、ただ夫を見ていた。昨年、患者の家族と知り合い、悩みを打ち明けて気持ちが落ち着いた。障害年金の手続きや受け入れてくれる施設など、必要な情報を教えてくれたのもありがたかった。
 「兄弟に借金して何とか生活してきたが、今後を考えると不安」「私自身もうつ状態になり、自殺まで考えた」――。この日集った10人の家族は、それぞれに悩みを語った。同会では、こうした集いを2か月に1回開いている。木村邦弘会長(62)は「参加者が『初めて思いを話せた』などと満足してくれる場になれば」と話す。
重い負担

介護の大変さや経済的な悩みなどについて語り合う家族ら=北海道旭川市で
 65歳未満で発症する若年性認知症。記憶障害などにより日常生活が困難になり、国内には約4万人の患者がいると推計されている。社会の一線で活動していた人が発症することが多く、精神的、経済的負担が本人と家族に重くのしかかる。
 若年性であっても介護保険は使えるが、サービスは高齢者向けがほとんど。中には若年性の人の受け入れを拒否する事業所もあり、公的な支援はまだまだだ。
 こうした中、当事者らが助け合う家族会が、各地で発足している。01年、奈良県と東京都で結成されたのを手始めに、昨年は若年性認知症をテーマにした映画「明日の記憶」の公開もあり、北海道や群馬県で相次いで誕生。現在、全国で少なくとも10グループが活動、千葉県など複数の地域で設立の準備が進んでいる。
 多くの家族会の設立にかかわってきた宮永和夫医師(新潟県南魚沼市立ゆきぐに大和病院長)によると、家族会は、同じ悩みを持つ人同士の共感からもたらされる癒やしの場であり、できるだけ早く現実を受け止める環境を整えるための学習の場でもある。
 宮永院長は、「本人と家族だけでなく専門家もかかわり、それぞれがやれることをやっていくことが大事」と訴える。
地域とともに

 地域を巻き込む試みも登場している。北海道北竜町の家族会「空知ひまわり」は、この夏東京から患者の中村信治さん(58)の一家が引っ越してきたのをきっかけに、11月に結成された。「施設での対応は難しい面もあり、在宅生活を支える地域ケアの充実が必要だと考えた」と、同町出身の発案者で東京の家族会「彩星(ほし)の会」代表の干場功さん(68)は話す。
 同町では、04年に現職町長が若年性認知症を理由に辞職したことなどもあり、町民の理解が深い。家族会は、支援者となる賛助会員を含めて10人前後。今月中旬には町民対象の勉強会を開き、将来的には患者や家族を支える町民サポーターを育成したいという。
 中村さん一家は現在、妻の博子さん(44)が町内の特別養護老人ホームで働き、中村さん自身も同ホームのデイサービスに通う。「病気を隠さず、昼間、夫が外に出ても安心していられるのがありがたい」。町内の中学に通う長女を含め、一家の表情は明るかった。
主な家族会の連絡先
彩星の会(東京都)03・5919・4185(月・水・金曜日のみ)
朱雀の会(奈良市)0742・47・4432
愛都(アート)の会(大阪市)06・6972・6491
▽北海道若年認知症の人と家族の会(札幌市)090・8270・2010(木曜日のみ)
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専門医診断 患者数推計、支援策探る
 2006年12月13日 読売新聞
厚生労働省は、65歳未満で発症する若年性認知症について、初の本格的な実態調査を行うことを決めた。今年度中に3県で先行調査を実施、2007年度以降、約10の都道府県に拡大する。
 専門医の確定診断に基づき、全国の患者数を推計するほか、医療・介護保険の利用状況を把握し、支援のあり方を探る。
 若年性認知症は記憶障害を中心とする病気で、アルツハイマー病や脳血管障害などが原因となる。働き盛りや子育て中に発症するため、本人や家族の経済的、精神的負担が大きいが、高齢者に比べると、受け入れ施設は少なく、公的な支援は十分に整っていない。
 調査は、厚生労働科学研究の「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」(主任研究者=朝田隆・筑波大大学院教授)で、今年度は、群馬、茨城、愛媛の3県で実施する。患者が受診する医療機関や、デイサービスセンター、民生委員などを通じて、対象となる疑いのある患者を把握。若年性認知症にあたるかや、詳しい病名を専門医が確定診断する。さらに、本人や家族から、生活や介護の様子や悩みなどを聞き取る。
 若年性認知症については、旧厚生省の研究班が1996年度にアンケート調査を実施、全国の患者数を2万7000〜3万5000人と推計している。
(2006年12月13日 読売新聞

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石田ふたみ