『日々の映像』

2008年03月08日(土)  たばこ一箱1000円時代になるか

 笹川陽平日本財団会長は「タバコ一箱の値段を1000円にすべきだ」と提案している。時を同じくして日本学術会議は、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)を、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとの要望書を国に出した。 

 笹川日本財団会長の主張は、日本で320円に売られているタバコは、ロンドンでは5ポンド(1045円)。各国と比べても日本のタバコの値段は安く、増税によって喫煙規制が進むのが世界の大勢であるとしている。これらの主張に確たる反論が見当たらないようで、たばこ一箱1000円時代になるかもしない




「1箱1000円」の時代は来るのか
                 3月6日11時 J-CASTニュース
たばこ税2倍に、日本学術会議が国に規制を要望
読売新聞 -2008年3月4日
たばこ規制:日本学術会議がたばこ税倍増など提言
                    毎日新聞 2008年3月4日 

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「1箱1000円」の時代は来るのか
                 3月6日11時 J-CASTニュース
「タバコ一箱の値段を1000円にすべきだ」と笹川陽平日本財団会長が提案している。時を同じくして、日本学術会議がたばこの増税と値上げを内容とした要望書を国に出した。1箱1000円時代はやってくるのか。

■消費量が減っても税収増になる

 産経新聞の2008年3月4日付けコラム「正論」に、笹川日本財団会長の主張が掲載されている。それによると、日本で320円で売られているタバコは、ロンドンでは5ポンド(1045円)。各国と比べても日本のタバコの値段は安く、

  「日本も1箱1000円とするよう提案する。現在の3倍以上になるが、たばこ増税は喫煙規制が進む世界の大勢であり、厳しい財政赤字の中、実現すれば大きな財源になる。国会には超党派の議員立法として正面から取り組んでいただくようお願いしたい」

と書いている。1箱1000円になれば、消費量が3分の1に落ち込んだ場合も3兆円を超す税収増が見込める計算で、未成年者の喫煙も抑制できるため、消費税より先に議論すべきテーマだとしている。

 日本学術会議も同日、たばこの増税・値上げをするべきだとだという要望書を国に提出。ホームページにも「脱たばこ社会の実現に向けて」と題しその内容を掲載した。日本学術会議の試算によると、税金を現在の一箱あたり約189円に300円加えた場合、喫煙者は300万人減の3310万人になり、たばこ消費量は800万本減の1910億本。税収は2.05兆円増え4.29兆円になるのだという。この要望書作成に携わった大野竜三愛知淑徳大学医療福祉学部教授はJ-CASTニュースの取材に対し、

  「タバコの値段が上がれば喫煙者が減少するが、税収が上がるというのは世界中で実証されている。ただし、私達は税収に重きを置いているのではなく、あくまでたばこが体に悪いことを知ってほしいというのが狙い。是非『脱たばこ社会』を実現させたい」

と話している。

■根っこまで吸って健康を害してしまう?

 京都大学大学院経済学研究科が07年5月21日に発表した喫煙に関するアンケート調査によると、たばこの値段が1000円になった場合、9割以上が「禁煙を決意する」という結果になっている。調査は喫煙者600人を対象に行われた。Q&Aサイトでも「1000円になったら禁煙するか」というテーマが上がっている。いずれ1箱1000円になるのではないか、という話は世の中に結構流れている。

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たばこ税2倍に、日本学術会議が国に規制を要望
(読売新聞 - 03月04日)

日本学術会議は4日、国に対し、たばこ税の大幅引き上げなどを柱とする、強力なたばこ規制策を求める要望書を提出した。

 たばこは、がんや心臓病をはじめとする深刻な健康被害を及ぼすことから、世界保健機関(WHO)が、包括的なたばこ規制に取り組むための枠組み条約を2003年に採択。わが国も批准しているものの、男性の喫煙率は欧米先進国に比べ依然高く、対策は立ち遅れている。

 「脱たばこ社会の実現に向けて」と題した要望では、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)の、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとして、値上げの影響による需要の低下や税収の変化を試算した。それによると、年間のたばこ消費量は現在の2700億本が4分の1減少し、喫煙者数は最低でも200万人以上の減少が見込まれた。一方、税収は現在の2兆2000億円から約1兆2000億円の増収につながるとしている。
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たばこ規制:日本学術会議がたばこ税倍増など提言
                毎日新聞 2008年3月4日 20時50分
日本学術会議は4日、たばこ税の大幅引き上げなど7項目のたばこ規制強化に関する提言をまとめ厚生労働省に提出した。同会議は「国民の健康と環境を守るには、速やかな脱タバコ社会の実現が必要」と訴えている。
 学術会議は、たばこの規制に関する分科会(大野竜三委員長)で、06年6月から検討してきた。欧州の科学者が作成したたばこ規制対策の評価基準で、委員12人が日本の対策を評価したところ、平均25.5点で、欧州30カ国と比べると最下位だった(1位はアイルランドの71点)。
 提言では自動販売機の設置禁止、喫煙率削減の数値目標設定のほか、たばこ税(1箱当たり189円)を現在の2倍程度にすることの検討を求めた。この場合、年間消費量は現在の約2700億本から4分の1減少、喫煙者数は少なくとも200万人減少すると試算した。一方、税収は年間約2兆3000億円から約1兆2000億円増えるという。また喫煙は、がんなどの疾患や火災、環境汚染の原因になっていると指摘。経済的損失は年間約7兆3000億円に上るとする試算を引用し、年間のたばこ税収を上回るとした。
 世界保健機関(WHO)の02年の比較では、日本の成人男性の喫煙率は47%で、英国27%、米国24%に比べ高い。
 大野委員長は、日本たばこ産業(JT)の株式の50%を財務相が所有している事実に触れ「JTは民間会社だが、株主の比率を見れば政府が持っていると思われても仕方がない」と述べた。【須田桃子】

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石田ふたみ