『日々の映像』

2008年02月19日(火)  農水省・輸入小麦、4月から30%引き上げ

 農林水産省は15日、政府が製粉会社へ売り渡す輸入小麦価格について、3月から30 %の大幅引き上げに踏み切ることを正式に決めた。小麦の国際相場が高騰しているのが主因なのだ。小麦のことは、ここで何回か記述したので、疑惑に満ちたスシステムの概略を紹介しよう。詳しく分かる方がいましたら、是非書き込みをいただきたい。

1、国内で消費される小麦の約9割にあたる約500万トンを輸入
2、 政府は商社を通じて小麦全量の買い入れを行なっている。
3、その約半分の額を上乗せして製粉会社などに売り渡す。
4、売り渡し価格は買い入れ価格の約1.5倍。
5、上乗せ分は国内の小麦農家の助成金に充てている。
 
 しかし、国は500万トンの輸入価額の50%も差益を出していながら、国民に説明することなくこそこそと使っているのだ。なんともいえない黒い霧が覆っているような印象である。

 国民は既に高い小麦粉(ぱん・うどん・らーめん)を買わされているのである。その計算をしてみよう。
1、2007年2月の小麦の国際相場は1ブッシュ(27キロ)4.5ドルであった。
2、2008年2月小麦の国際は1ブッシュ(27キロ)11ドルであった。

*価額の分解
 27キロあたりの小麦の国際相場 11ドル×115円=1265円
 1キロあたりの小麦の国際相場 1265円÷27キロ=47円
 1トンあたりの小麦の国際相場 1000キロ×47円=47000円
*輸入から消費者到着までの価額の推定

 1、商社の輸入   5000000トン×.00047億円(47000円)=2350億円
           運搬費(推定)                  235億円
           商社の利益(推定)               235億円              
          政府への売り渡し価額             2820億円

1、政府の計算   購入価額                2820億円        
          50%の上乗せ               1410億円
          倉庫費用(推定)              100億円
                                 4330億円

消費者の小麦価額
現在1キロ160円前後で販売されているので、この価額は200円前後に値上げされると思う。ここで仮に200円とし、国民が、うどん・パン・ラーメンを通して1キロ200円の負担をすると家庭すると次の金額になる。

 5000000トン× 200000円(1000キロ×200)=1兆円

 日本の港の到着した時の500万トンの小麦は、高く見積もっても2820億円である。それが消費者に到着する時約3倍以上になるのである。あらゆる分野で政府が関与すると価額は高くなるのである。このテーマが国会で討論されたという記憶はない

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輸入小麦、4月から30%引き上げ 農水省
2008.2.15 16:48  産経新聞

 農林水産省は15日、政府が製粉会社へ売り渡す輸入小麦価格について、4月から30%の大幅引き上げに踏み切ることを正式に決め、発表した。中国などの需要増に加え、主要産地オーストラリアの干魃(かんばつ)が重なり、国際相場が高騰しているのが主因。
 昨年4月の1.3%、同10月の10%に続く値上げとなる。パンやめん類業界は再値上げの検討に入っており、家計への影響は避けられない。
 輸入小麦は国内需要の約9割を占める。全量を政府が買い取り、国内農家への補助金などを上乗せして製粉業者に売り渡している。農水省は昨年4月から、売り渡し価格を国際相場に連動する新しい方式に変更した。

輸入小麦の値上がり
需要増や干ばつ、投機で
めんに波及、パンなど拡大懸念
 世界的に小麦価格が高騰し、原料に使う即席めんやカップめんなどの値上げが相次いでいます。輸入小麦は政府が商社から全量を買い取り、製粉会社などに売り渡す特殊な仕組みです。4月に制度を見直したことも値上げに影響しているようです。

(下宮崇)

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石田ふたみ