『日々の映像』

2008年01月27日(日)  ガンと向き合う「哲学」外来

 順天堂大医学部付属順天堂医院(東京都文京区)にガンと向き合う「哲学」外来が設置されるという。「がん哲学」は、がんや、死という避けられない問題と向き合い、それぞれの生き方を見つけていく姿勢を指すという。

 がん哲学外来は、長年、発がんの研究に携わってきた樋野興夫・同大医学部教授(病理・腫瘍(しゅよう)学)が担当する。ガンでなくとも人は必ず死を迎えなければならない。死と向き合う「哲学外来」を作って欲しいものだ。

 哲学は難しく捉える必要はないのだ。エンピツに引用したが「各人の経験に基づく人生観や世界観」なのである。哲学を持っていない人はいないのである。問題はその人が持っている哲学の高低ではないかと思う。人生観をより高く磨くにはどうしたらよいのか、言葉の受け流しであるが最も効果があるのは古典を読むことではないかと思う。

ちなみに私が愛読した古典はユゴーの「レ・ミゼラブル」で長編であるが2回読んだ。この小説には、燃え上がる魂の躍動、虐げられた人々への限りなく優しい眼差し、虚偽や不正への怒り、燃えるような正義への渇望が波打っている。




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順天堂医院:がんと向き合う「哲学」外来を開設
毎日新聞 2008年1月25日 
  一人の人間として患者が医師と同じ「土俵」に立ち、家族や周囲の人々も含め、がんと共にどう生きるかを考え、語り合う場を目指す「がん哲学外来」が30日、順天堂大医学部付属順天堂医院(東京都文京区)に設置される。がんと正しく向き合う「心構え」を身につけてもらおうという国内では初の試みで無料。当面、1日4組約30分の予約診療でスタートするという。
 
現在、がんは国民の2人に1人がなるとされる国民病。従来の病院の外来は、がんに限らず、病気の診断・治療が目的で、患者の日常生活や生き方についての相談をしにくいとの指摘があった。
 
がん哲学外来は、長年、発がんの研究に携わってきた樋野興夫・同大医学部教授(病理・腫瘍(しゅよう)学)が担当する。樋野教授は医学的な研究にとどまらず、がんとは何かを考え続け、一般向けの講演会などで話す機会も多かった。さらに、「従来の医療に風穴を開けたい」との視点から、患者本位の新たな医療のモデルケースに取り組むことを計画、無料での外来開設にこぎつけた。国内外でもほかに例がない。
 
「がん哲学」は、がんや、死という避けられない問題と向き合い、それぞれの生き方を見つけていく姿勢を指すという。樋野教授は「たった一つのがん細胞が増殖し、命をむしばむ病気を知ることは、社会のあり方や一人ひとりの生き方を考えることにつながる。この外来が、がんについて落ち着いて考える時間を過ごすきっかけになってほしい」と話す。
 当面、1組約30分を予定し、第1、第2水曜午前11時〜正午と午後1時半〜同2時半に、同医院がん治療センターで開く。「受診」は、事前申し込みが必要。申し込み、問い合わせは同センター(03・5802・8196)へ。【永山悦子】

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【哲学】
1 世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシアでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。認識論・論理学・存在論・倫理学・美学などの領域を含む。
 
2 各人の経験に基づく人生観や世界観。また、物事を統一的に把握する理念。「仕事に対しての―をもつ」「人生―」

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石田ふたみ