『日々の映像』

2007年10月19日(金) 「中国の危ない食品」どう受け止める。


『中国の危ない食品』と題する本が発売される。
「農薬は言うに及ばず、食品の見栄えをよくしたり、成長を促進したりするために有毒物質が平然と使用されている実態が、これでもかと報告されている。」
というから大変なものである。
 来日した著者の周(しゅう)勍(けい)さんには、「透支社会」と指摘する。
「透支」というのは、「一党独裁の統治下で、人々が右左、善悪、正邪の判断を党に握られ、人間としての個(根)を失ってしまった状態を指す」周さんの造語である。
 著者の周(しゅう)勍(けい)さん「一党独裁の統治下・・」の説明に違和感を覚える。著者の周(しゅう)勍(けい)さんが透支人間であれば中国社会に暗部を本として出版できないはずである。周(しゅう)勍(けい)さんの「一党独裁の統治下で、人々が右左、善悪、正邪の判断を党に握られ、人間としての個(根)を失った」という論理は余りに単純な解釈で自虐的でもある。

 中国社会を支配しているいい加減さは、現共産主義政権が出来たからではない。数百年続いた封建社会が生み出した巨大な負の遺産なのである。ここに修正が加わり日本・ヨーロッパ並みの社会秩序が出来るまでは、あと100年以上かかるのではないか。日々の映像を書き始めた10年前中国の近代文学に崇高な地位を占めている「魯迅」の作品である「阿Q正伝」他を読んだ。中国の封建社会の巨大な負の遺産である「腐乱した精神状態」(いい加減)の大衆が多いのである。

13億人以上人口を抱え、深刻な水不足にさらされている中国が、食品の輸出をするのは邪道である。中国国内に出回る食品の汚染を解決するのは難しいといわれている。そんな中国製品を堂々と売っている日本のスーパーの感覚が分からない。中国が独裁の長所を生かして、食品の輸出は禁止すべきだ。

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食品汚染の実態に迫る 「中国の危ない食品」の著者に聞く
2007.10.13 産経新聞

 無法状態ともいえる中国の食品汚染をリポートした『中国の危ない食品』(草思社)が出版された。農薬は言うに及ばず、食品の見栄えをよくしたり、成長を促進したりするために有毒物質が平然と使用されている実態が、これでもかと報告されている。来日した著者の周(しゅう)勍(けい)さんに、食品汚染を生み出す背景について聞いた。(桑原聡)
 周さんは、一党独裁が招いた「透支社会」が、食品汚染の温床となっていると指摘する。「透支」というのは、一党独裁の統治下で、人々が右左、善悪、正邪の判断を党に握られ、人間としての個(根)を失ってしまった状態を指す周さんの造語である。
 「トウ小平時代に《先に金持ちになった者が勝ち》と号令がかかり、国民はこぞって拝金主義となりました。金もうけのためなら、他人の迷惑などおかまいなし、資源を掘り尽くしても、環境を破壊しても何とも思わないようになったのです」
 問題なのは、現在の深刻な状況を、中央政府がきちんと把握できていないことだと、周さんはいう。
 「一党独裁のもとでは、村長は郷長をだまし都合のよい報告だけをし、郷長は県長をだまし都合のよい報告だけをする、という連鎖があるからです。さらに、役人と業者・企業が結託した既得権益集団が形成されているのです」

そしてもうひとつ、メディアの統制がある。記憶に新しい段ボール肉まん事件は記者の捏造(ねつぞう)だったということで幕引きされた。
 「私はあの報道は事実だと思っています。逮捕された記者は、以前にも偽羊肉事件をスクープしたことのある立派な人物ですよ。あれが事実と認定されれば、大きな社会不安となり、北京市政府や党委員会の人事にも重大な影響を与えることになりますからね。政府はこの事件を奇貨としてメディアの規制強化に踏み切りました」
 周さんによれば、政府は十数年ぶりに、メディア従事者に対して共産主義に基づく記者教育を受けることを義務づけ、報道にもさまざまな足かせをはめているという。
 「もし食品の汚染対策に政府が本気になったとしても、管理できるのは輸出用食品や北京五輪の食事ぐらい。国内に出回る食品の汚染を解決するのは難しい。中国人自身が市民社会を構築する以外に根本的な解決の道はないと思います」




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石田ふたみ