『日々の映像』

2007年10月09日(火) 年金問題のニュースを少々

1、年金横領、自治体分新たに7件 総額2億4383万円 
2、年金33万円着服、手配の小倉南社保事務所元係長を逮捕
3、「消えた年金」1件あたり5万円弱 社保庁サンプル調査結果
4、年金記録救済、わずか1%弱 第三者委の審査難航


1、年金横領、自治体分新たに7件 総額2億4383万円  
09/21 23:54 トラックバック
URL: http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/86003/TrackBack/
 社会保険庁は21日、自治体職員による年金横領・着服に関する再調査結果を発表した。19日の中間まとめ以降、新たに7件が判明、第1次調査分を含めた総数は90自治体で101件、被害総額は約2億4383万円に上った。社保庁は鳥取社会保険事務局の非常勤職員が今年4月に、国民年金保険料約12万円を横領していたことも発表。社保庁職員による横領・着服は52件で、被害総額は約1億6939万円。両職員による合計額は153件、約4億1322万円となった。

 自治体分の再調査結果によると、横領・着服について「あり」と回答したのは90自治体で、1702自治体が「なし」と回答。「不明」と答えた35自治体のうち27自治体は「保険料徴収を委託した納付組合などでの横領・着服の有無は分からないが、職員ではなかった」と回答した。

 101件のうち61件が公表されたものの、24件は未公表で、16件は未公表かどうかも不明。職員に対する処分については、懲戒免職43件など何らかの処分を受けたのが74件、処分なしが22件、不明が5件だった。

 また、刑事告発したのは17件で、しなかったのが68件、不明が16件。処分も刑事告発も公表もされなかったケースは9件あった。被害額の弁済では、96件で全額が弁済されていたが、2件は一部弁済にとどまり、3件は不明だった。

 業務上横領罪の時効の7年以内に発生した横領・着服のうち、刑事告発されていないのは9件。社保庁は領収書など物的証拠の有無などを詳細に調査し、可能な限り刑事告発を行う方針で、各自治体にも要請する。

 101件のうち、97件は記録を訂正済みなど問題はないとしているが、4件は訂正状況が不明。社保庁は「年金給付漏れの可能性は否定しきれない」としている。

 一方、鳥取社保事務局の非常勤職員のケースは、戸別訪問で徴収した国民年金保険料12万2790円を横領。全額返済されたが、事務局は7月に鳥取警察署に刑事告発し、現在、社保庁本庁で処分の手続きを進めている。社保庁は5月時点で把握していたが、今月3日の社保庁職員による横領・着服調査発表時には公表していなかった。社保庁の真柴博司職員課長は21日の会見で「最終的な処分を決めたら発表するつもりだった」と釈明した。

2、年金33万円着服、手配の小倉南社保事務所元係長を逮捕
10月9日9時19分配信 読売新聞

 福岡県警捜査2課と小倉南署は8日、国民年金の保険加入者から徴収した保険料33万円を着服したとして、業務上横領容疑で全国に指名手配していた小倉南社会保険事務所(北九州市小倉南区)の元係長、北川勝久容疑者(37)が、熊本市内の風俗店で働いているところを発見し、同容疑で逮捕した。

 北川容疑者は本名で勤務し、店の借り上げ住宅で生活していたが、自分が指名手配されていたことは知らなかったという。

 社保庁の年金横領が問題化して以降、逮捕者が出たのは初めて。

 調べによると、北川容疑者は同事務所で国民年金保険料の徴収業務をしていた2006年2月上旬ごろ、保険料が未納だった加入者2人の自宅を訪問。同事務所の金庫から盗み取った領収証を加入者に渡して現金を徴収し、2人から受け取った保険料計33万円を着服した疑い。


3、「消えた年金」1件あたり5万円弱 社保庁サンプル調査結果
10月9日10時36分配信 産経新聞
年金記録紛失問題で、基礎年金番号に未統合の年金記録約5000万件のうち氏名のない記録約524万件の1件あたりの保険料額は5万円弱だったことが9日、社会保険庁のサンプル調査で分かった。5000万件にそのまま換算すると「消えた年金」の保険料総額は約2兆3600億円に上ることになる。
 この調査について社保庁は「5000万件から無作為抽出したものでなく、ただちに5000万件の性質を明らかにするものではない」としている。
 社保庁は同日の民主党厚生労働・総務部門合同会議で、東京社会保険事務局で実施したサンプル調査(150件分)の結果を明らかにした。
 それによると、150件の保険料総額は5527カ月分、708万1966円。1件あたりでは約36.8カ月分、約4万7200円だった。
 同日の会議で、社保庁は「5000万件に換算した保険料総額は実際よりも高めの数字が出る」と説明した。その理由として(1)今回のサンプルはほぼすべてが厚生年金の記録である524万件から抽出した(5000万件のうちの厚生年金の割合は約8割)(2)所得水準の高い東京のみを調査したもので、1件あたりの保険料が全国平均よりも高い−などとしている。

4、年金記録救済、わずか1%弱 第三者委の審査難航
10/08 00:10
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: http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/88853/TrackBack/
 年金記録が消えてしまった人を救済するための総務省の「年金記録確認第三者委員会」に申し立てた約1万6000人のうち、記録回復に結びついたのは190人(9月28日現在)にとどまっていることが7日、分かった。審査受け付けからの2カ月半で、わずか1%弱しか救済されていない計算だ。第三者委が認定基準をあいまいにしたため、「証拠」の収集に手間取っているのが大きな要因だ。総務省はスタッフ増などの対策に乗り出したが、思うような効果は上がっていない。

 第三者委の審査は、7月17日から全国の社会保険事務所で受け付けが始まり、9月30日時点で1万5976人(厚生年金6337人、国民年金9639人)が申し立てた。昨年8月から今年6月までの社会保険庁の年金特別相談で、記録の全部もしくは一部が確認できなかった人は計3万5786人に上り、申し立てする人は今後さらに増える見通しだ。

 だが、受け付け後の審査は難航している。社会保険事務所で受け付けた申し立ては、まずは社保庁で記録確認をしたうえで、地区ごとの地方第三者委に移送される。これまでに移送されたのは約6300件で、申し立ての4割程度だ。移送後に最終的な記録回復の可否が判断されたのは中央、地方両第三者委を合わせて202件。このうちの12人が記録の回復を認められなかった。

 審査が遅れている最大の要因は、認定基準が「申し立て内容が明らかに不合理ではなく、一応確からしい」などとあいまいなことだ。どれだけ状況証拠を集めれば記録回復が認められるのか不確かなため、先例の積み重ねで判断することになるが、「その状況証拠を集めるスタッフが不足している」(第三者委関係者)という。

 中でも判断が難しいのは記録回復を認めないケース。認定基準では「裏付けが全くなくても性善説に立ち、本人の人柄や態度を見て総合的に判断する」などとされたため、「制度上、保険料を支払うことができない場合などを除き、なかなか申し立てを却下することができない」(第三者委関係者)といった事態に陥っているのだ。

 スタッフ不足を解消するため、第三者委は中央委で70人、地方委で400人の増員を計画し、すでに社会保険労務士などの募集を開始した。申し立て件数の多い都市部の地方委の中には、小委員会を複数設置して審議の迅速化を目指すところもある。

 第三者委は「だいぶ先例が積み重なったので、これからはスムーズに審査できるはずだ」と強調するが、約1万6000件の審査は完了のめどは立っておらず、総務省幹部は「1件1件処理していくしかない」としている。

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石田ふたみ