『日々の映像』

2007年09月11日(火) 職員の着服・不正受給、15件は身内で処理

<社会保険庁>職員の着服・不正受給、15件は身内で処理
(毎日新聞 - 09月10日 22:32)
 社会保険庁職員による年金保険料などの着服・不正受給問題で、同庁は10日、これまで判明している50件中、15件は警察に刑事告発も情報提供もせず内部処分だけだったと発表した。国会で問題化した直後だったのにもかかわらず、同時に3件の告発を見送っていたことも判明した。告発の見送りは、いずれも出先機関の判断だったという。

 同庁が、今月3日公表した63年以降の50件について、刑事告発や判決などの追加調査結果をまとめ、この日、総務省年金業務・社保庁監視等委員会に報告した。

 98年12月に国会で問題化した後の99年1月には、警視庁に対して、▽社会保険業務センターの主任相談官の厚生年金給付金907万円の不正受給▽墨田社保事務所の裁定係長の国民年金障害基礎年金1179万円の不正受給▽練馬社保事務所の国民年金調査官の国民年金保険料445万円着服−−の3件を合わせて情報提供した。当時の宮下創平厚生相が原則告発の方針を打ち出したのが99年2月で、その直前に情報提供だけして、告発は見送ったことになる。

 真柴博司・社保庁職員課長はこの日の会見で「告発するしないの基準は各地方事務局など出先機関に任せていた。内向きの処理がされてきた」と説明した。

 また、50件以外についても、隠れたケースがないか改めて調査する方針を明らかにした。50件は、懲戒処分の44件と依願退職を認めた5件、発覚後に本人が自殺した1件で、従来、庁内に資料があったり把握していたものだった。【野倉恵】

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石田ふたみ