『日々の映像』

2007年08月12日(日) 中越沖地震の記録 (33)

1、柏崎原発、広範囲で消火不能  新潟日報
2、被災地の都市ガス86%が復旧 新潟日報
3、中越沖地震:全壊家屋791棟 柏崎市の建物被害調査終了 毎日新聞
4、原発:耐震性に「不安」が9割 特に女性で 毎日世論調査  毎日新聞 
5、中越沖地震:柏崎刈羽原発の揺れ、推定よりはるかに強く
6、柏崎刈羽原発1号機の原子炉内点検、22日めどに開始  読売新聞


1、柏崎原発、広範囲で消火不能  新潟日報
 東京電力柏崎刈羽原発が中越沖地震で発生した3号機変圧器の火災を自力で消火できなかった問題で、地震による消火配管設備の損壊の影響は1―4号機までの広範囲に及んでいたことが9日、分かった。これらの消火配管は一体化しており、2ルートで水の供給を確保していたが、両方とも損傷。3号機以外でも複数の変圧器で油が漏れており、ほかでも火災が起きていた場合、さらに消火に手間取る事態になっていた。消火設備の抜本的な見直しが迫られそうだ。
 東電によると、1―4号機の屋外施設用の消火配管網は地中で一体化。1号機近くの水処理建屋のタンクから2つのルートで水を供給している。一方のルートで配管破損があっても、被害ルートの弁を閉め、もう一方だけに水を送ることで全体的に高水圧を確保できるとしていた。
 しかし、今回の地震によって両方のルートの計5カ所で配管が損傷し、大量の水が漏れたため、消火設備全体の水圧が低下。3号機変圧器の火災では、消火栓のホースの水が1メートルほど先までしか届かず、役に立たなかった。
 火災当時、同号機にいた関係者によると、消火栓の水圧が低いため消火設備の復旧を一度は試みたが、すぐに直せる状態ではなかったという。関係者は「自分ではどうしようもできず、歯がゆい思いをした」と振り返った。
 一方、1、2号機などに近接するほかの3つの変圧器でも地震によって油が漏えい。これらで火災が発生していれば、3号機変圧器と同様、自力消火できない事態に陥っていたとみられる。
2007年08月10日



2、被災地の都市ガス86%が復旧 新潟日報
 柏崎市などは10日、中越沖地震により最大3万戸以上の供給が止まった同市と刈羽村の都市ガスの復旧率が86・1%に達し、復旧困難な約3000戸を除きほぼ復旧したと発表した。
 同市は10日、り災証明書発行のための家屋被害調査をほぼ終えた。9日現在、被害を受けた住居は2万8589棟で、仮設住宅入居要件となる半壊以上は3083棟。全壊は789棟だった。
 り災証明は17日から発行。判定への異議は証明書の発行会場で受け付ける。
 また同市は、住宅復興と、被災した中小企業を支援する市独自の特別融資制度を創設することを決めた。従来より住宅は0・9%、中小企業では0・3―0・4%金利を優遇する。
 路面陥没で全面通行止めになっていた柏崎市大湊の国道352号は10日午後5時、復旧工事が終わり規制解除された。
2007年08月10日



3、中越沖地震:全壊家屋791棟 柏崎市の建物被害調査終了 毎日新聞
 新潟県中越沖地震で、柏崎市災害対策本部は11日、罹災(りさい)証明書を発行するための建物被害調査を終え、市内の全壊家屋は791棟だったと発表した。大規模半壊は319棟▽半壊は1980棟▽一部損壊は2万4143棟だった。罹災証明書は17日から発行する。
 町内会長を通じた地震直後の調査では、全壊は908棟だった。判定結果は被災者生活再建支援法などに基づく支援金額に影響する。結果に異論があれば、家屋内部も追加調査する。
 一方、同本部は市内の小中学校について、39校中38校に体育館の床が抜けるおそれが生じたり校庭に亀裂が入ったりする被害が出たと発表した。備品を除いた被害額は約4億2000万〜4億3000万円に上る。【長谷川豊】
毎日新聞 2007年8月11日 18時45分 (最終更新時間 8月11日 19時41分)



4、原発:耐震性に「不安」が9割 特に女性で 毎日世論調査  毎日新聞 
 原発の耐震性に不安を抱く人が約9割に達することが、毎日新聞が今月4〜5日に実施した世論調査で分かった。新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の被害を受け、原発の安全性に厳しい見方が増えたためとみられ、原発増設に賛成の人も16%にとどまる。国は原発の安全目標として「大事故が起きて死者が出る危険性を年100万分の1以下に抑える」との案を検討中だが、75%はより厳しい基準を求め、60%だった04年の調査より大幅に増えた。
 原発の耐震性については、「非常に不安」が56%を占め、35%が「ある程度不安」と回答。「あまり不安がない」は6%だった。特に女性に不安感が強く、男性で46%だった「非常に不安」が、女性では64%に上る。一方、原発立地県とそれ以外で大きな差はなく、中越沖地震の被害は地域を問わずに大きな衝撃を与えたことを裏付けた。
 エネルギー確保や地球温暖化防止のため、国は原発を増やす政策を掲げているが、「現状程度でいい」が57%と最多で、削減を求める人は23%。増設に賛成した人でも、原発の耐震性に不安を持つ人が83%に上り、不安を感じながらも「増設やむなし」と考えていることをうかがわせる。
 国の安全目標案を認める人は19%で、04年調査の22%を下回った。「100万分の1より厳しい基準を」と答えた人が47%で、04年の36%から増加。「危険性がゼロでない限り運転停止を」との回答も28%で、04年の24%を上回った。【鯨岡秀紀】
毎日新聞 2007年8月11日 18時16分



5、中越沖地震:柏崎刈羽原発の揺れ、推定よりはるかに強く 毎日新聞
 新潟県中越沖地震(マグニチュード=M=6.8)で柏崎刈羽原発が受けた揺れは、推定より加速度にして500〜800ガル以上強かったことが、入倉孝次郎・愛知工業大客員教授の分析で分かった。海底の地盤が揺れで破壊され、同原発の方向だけに強い地震波を出したとみられるという。原子力安全委員会の耐震プロジェクトチームの会合で明らかにした。
 入倉教授は、中越沖地震による地表の揺れの記録約80件を使い、加速度の値と、観測点から断層までの距離との関係を分析した。その結果、加速度は全体では他のM6.8の地震と同程度で、断層から離れると加速度が少しずつ小さくなる関係式に従っていた。同原発は断層から約4キロで、式通りなら加速度は約700ガルのはずだった。だが実際には、同原発の地表で、1557ガルや、1259ガルという大きな加速度が記録された。
 入倉教授は、周辺に、地盤どうしが固着していて動きにくい「固着域」が3カ所あり、固着がはがれた際に原発の方向に「キラーパルス」と呼ばれる強い地震波を出したと推定。こう考えると、同原発で観測された地震波の形が説明できるとしている。【高木昭午】
毎日新聞 2007年8月10日 22時07分



6、柏崎刈羽原発1号機の原子炉内点検、22日めどに開始  読売新聞
 東京電力は10日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所の1〜7号機の原子炉圧力容器のうち、1号機の圧力容器の内部点検を今月22日をめどに始めると発表した。
 

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石田ふたみ