『日々の映像』

2007年07月16日(月) 中越沖地震の記録 (1 )

 中越沖地震の記録(1) 柏崎に巨大地震

地震に関する問題点をあらゆる角度から迫って見たい。
以下はその資料のために保管するものです。


原発耐震設計大幅上回る揺れ [2007/7/17]
【地震速報】死者9人に、倒壊店舗に下敷きの女性死亡 [2007/7/17]
8人死亡、1万1000人が避難 [2007/7/17]
「中越並み」の支援策を決定 [2007/7/17]
余震と大雨に警戒を呼びかけ [2007/7/16]
原発で水漏れ、微量の放射線 [2007/7/16]
柏崎で10数センチの地殻変動 [2007/7/16]
7人死亡、700人がけが [2007/7/16]
鉄道事故調が調査官4人派遣 [2007/7/16]
生死分けた被災現場にぼう然 [2007/7/16]

原発耐震設計大幅上回る揺れ

 東京電力は16日、柏崎刈羽原発(沸騰水型、同県柏崎市・刈羽村)で検知した新潟県中越沖地震の揺れが、機器や施設の安全性が保たれる耐震設計の基準である「限界地震」を大幅に上回り、原子炉が緊急停止、微量の放射性物質を含む水が海に放出されたと発表した。甘利明経済産業相は17日未明、東電の勝俣恒久社長を呼び、安全を確保するまで同原発を運転しないよう指示した。

 緊急停止したのは全7基のうち停止中の炉を除く4基。3号機ではタービン建屋外にある変圧器で火災が発生した。経済産業省原子力安全・保安院によると、地震に伴い原発で火災が起きたのは国内で初めて。地震発生後、間もなく火災が確認されたが、119番が掛かりにくく、消防隊の到着も遅れて鎮火は正午すぎとなった。

 6号機では微量の放射性物質を含む水漏れが見つかり、1・2立方メートルが海に放出されたことが判明。使用済み核燃料貯蔵プールの水とみられるが、国の安全基準を下回るレベルで、東電は環境に影響はないとしている。

 3号機原子炉建屋では圧力を逃がすパネルが外れ、余震後には1、2、3号機で使用済み燃料プールの水位が低下した。

 保安院によると、同原発で検知されたのは、国内原発では過去最大の揺れとみられる。保安院は16日、データ分析と重要設備の安全性の確認、報告を東電に指示した。

 東電によると1、5、6号機の最深部での地震の揺れの強さを示す加速度は、1号機の東西方向で限界地震の設計値273ガルの2倍を超える680ガル。3基の南北、東西、垂直方向のほとんどで設計を上回った。


新潟日報2007年7月17日
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【地震速報】死者9人に、倒壊店舗に下敷きの女性死亡

 県警は、同県柏崎市で倒壊した呉服店の下敷きになっていた同市の無職飯野昌子さん(71)の死亡を確認した。中越沖地震の死者は9人に。


新潟日報2007年7月17日
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8人死亡、1万1000人が避難

 16日午前10時13分、上中越沖を震源とする地震が発生。柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱を記録した。マグニチュード(M)は6・8、震源の深さは17キロ。柏崎市などで倒壊家屋の下敷きになるなどして8人が死亡。柏崎市によると、同市の男性が刈羽郡総合病院に運ばれたが心肺停止状態と確認された。また、柏崎市内の呉服店で1人が下敷きになっており、県警が救出中。340棟を超える家屋が倒壊した。刈羽郡総合病院などで875人が手当てを受け、避難した人たちは約1万1000人にのぼった。

 県によると柏崎市、刈羽村、三条市で住宅342棟が全壊。余震が続いており、午後3時37分にはM5・8の強い余震で長岡市、出雲崎町で震度6弱を記録した。県は災害対策本部を設置し、自衛隊に災害派遣を要請。柏崎市、長岡市、小千谷市、上越市、出雲崎町、刈羽村の6市町村に災害救助法の適用を決めた。県警も災害警備対策本部を設置した。

 死亡したのは柏崎市新花町の中村エツ子さん(81)、同市西本町2の下條克一さん(76)と保子さん(72)夫妻、同所、飛田利夫さん(82)、同市茨目2の中村典子さん(78)、同市下大新田の高橋三作さん(83)、刈羽村井岡の五十嵐キヨさん(79)、同市藤井、元井元さん(77)。

 心肺停止が確認された男性は植木茂さん(74)。柏崎市荒浜3の自宅で人工呼吸器を使っていた。

 県警によると柏崎市で加茂市の女児(7才)が倒れた石塀に挟まれ頭の骨を折る重傷を負ったほか、柏崎市東本町1の女性(75)が自宅の下敷きになり下半身を挟まれた。

 消防庁などによると、長野、富山両県で27人が重軽傷を負った。

 柏崎市はがけ崩れが発生した同市青海川の8世帯38人に避難指示を出した。午後10時現在、同市、刈羽村、出雲崎町などで避難所127カ所に1万1000人が避難している。

 柏崎市中心部など4万1500戸で給水が停止。上越市でも柿崎、大潟、吉川区の約八千七百戸と頸城区の一部が断水した。2万5000戸が停電し、ガスは同市、刈羽村の3万5000戸で止まっている。復旧のめどは立っていない。

 JR上越新幹線は越後湯沢―東京で折り返し運転をしていたが、午後9時半ごろ全線で運転を再開した。信越線の米山第1トンネルで貨物列車が脱線、柏崎駅でも停車中の普通列車が脱線した。青海川駅わきでがけ崩れが発生し土砂が線路を埋めた。

 高速道路は北陸道上越IC―長岡JCTなどで通行止めになった。

 県によると、柏崎市、糸魚川市などの6カ所で地滑りや土砂崩れが発生。国道8号など24カ所で通行止めが続いている。柏崎市でごみ焼却場の煙突が倒壊した。

 県教委によると、17日は小、中、高校など64校が臨時休校する。

 安倍晋三首相は16日、柏崎市を視察した。


新潟日報2007年7月17日

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「中越並み」の支援策を決定

 中越沖地震被災者の住宅再建支援について県は16日、国の被災者住宅再建支援法による最大300万円の支給に、中越地震並みに最大100万円を上乗せする県独自の再建支援策を導入する方針を決定した。仮設住宅の建設も決めた。

 16日午後10時半前、県庁で会見した泉田裕彦知事は「住宅再建支援は中越地震と同じスキームを適用したい。1人も見捨てることなく生活再建できるよう万全を尽くしたい」と述べた。

 さらに17日から天候悪化が予想されるため、落雷や土砂崩れに注意するように呼び掛けた。


新潟日報2007年7月17
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余震と大雨に警戒を呼びかけ

 気象庁は16日に本県と長野県で震度6強を観測した地震名を「新潟県中越沖地震」と命名。同庁地震津波監視課の宇平幸一課長は同日会見し、「中越沖地震に関して今後も1週間程度、最大で震度6弱の余震が起きる恐れがある」との見解を示し、警戒を呼び掛けた。震度1以上を観測した余震は同日午後11時現在、75回に上った。

 新潟地方気象台によると、県内は17日、各地で大雨となる見込み。地震の被害が大きい柏崎市を含む中越地方では同日昼すぎから、所により雷を伴った1時間当たり20―30ミリの強い雨になると予想している。

 同庁は、揺れの強かった地域は地盤が緩み、今後の雨で土砂災害や洪水の危険性が高まっているとして、本県と長野県の大雨警報と注意報は暫定的に雨量の基準を現在の5―8割に下げて運用すると同日夜、発表した。


新潟日報2007年7月16日
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原発で水漏れ、微量の放射線

 東京電力は16日、柏崎刈羽原子力発電所6号機の原子炉建屋で水漏れがあり、微量の放射線が検出されたと発表した。中越沖地震が原因。同発電所で地震のため放射能物質が漏れたのは初めて。

 漏れた水の一部は放水口を経由して海に排出された。同発電所によると、放射能量は法律で定められた限度量の10億分の1。「海水の放射能モニターでも検出されず、環境への影響はない」としている。

 水漏れがあったのは6号機原子炉建屋の3階と中3階の2カ所。漏れた場所は不明だが、使用済み燃料プールの水とみられる。本県の泉田裕彦知事はトラブルについて、同日夜の会見で「午前中の段階から(火災で)原発から煙が上がっている状況の中で、(漏れた水を)封じ込められずに海水まで流れ込んだことは極めて遺憾だ」と強調。「何が原因だったのかを含めて今後対応していく必要がある」と語った。


新潟日報2007年7月16日
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柏崎で10数センチの地殻変動

 国土地理院は16日、中越沖地震のため震源に近い柏崎市沿岸部で北西方向に最大16センチ、出雲崎町立石で北東方向に約15センチの地殻変動が起きたと発表した。

 全地球測位システム(GPS)を使った緊急解析で分かった。2004年10月に起きた中越地震では小千谷市や魚沼市で最大約22センチ移動した。


新潟日報2007年7月16日
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7人死亡、700人がけが

 16日午前10時13分、上中越沖を震源とする地震が発生。柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱を記録した。マグニチュード(M)は6・8、震源の深さは17キロ。この地震で柏崎市、刈羽村で倒壊家屋の下敷きになり7人が死亡したほか、同市の70歳代後半の男性が行方不明。300棟を超える家屋が倒壊した。刈羽郡総合病院などで730人を超える人が手当を受けた。

 県によると柏崎市、刈羽村、三条市で住宅323棟が全壊。余震が続いており、午後3時37分にはM5・8の強い余震があり長岡市、出雲崎町で震度6弱を記録した。県は災害対策本部を設置し、自衛隊に災害派遣を要請。柏崎市、長岡市、小千谷市、上越市、出雲崎町、刈羽村の6市町村に災害救助法の適用を決めた。県警も災害警備対策本部を設置した。

 死亡したのは柏崎市新花町の中村エツ子さん(81)、同市西本町2の下條克一さん(76)と保子さん(72)夫妻、同所、飛田利夫さん(82)、同市茨目2の中村典子さん(78)、同市下大新田の高橋三作さん(83)、刈羽村井岡の五十嵐キヨさん(79)。

 県警によると柏崎市で加茂市の女児(7才)が倒れた石塀に挟まれ頭の骨を折る重傷を負ったほか、倒壊家屋から助け出された柏崎市春日1の住民1人が意識不明の重体。同市東本町1の女性(75)が自宅の下敷きになり下半身を挟まれた。

 柏崎市はがけ崩れが発生した同市青海川の8世帯38人に避難指示を出した。午後8時現在、同市、刈羽村、出雲崎町などで避難所266カ所に8515人が避難している。同市中心部など4万戸で給水が停止。2万5200戸が停電し、ガスは同市、刈羽村の3万5000戸で止まっている。復旧のめどは立っていない。

 JRは上越新幹線が越後湯沢―東京で折り返し運転をしているほか、六日町トンネル内でコンクリート片が落ちているのが見つかった。信越線の米山第一トンネルで貨物列車が脱線、柏崎駅でも停車中の普通列車が脱線した。

 高速道路は北陸道上越IC―長岡JCT、関越道長岡JCT―長岡IC、上信越道上越JCT―上越高田ICの各区間が通行止めになった。

 柏崎刈羽原発は起動中の2号機と、運転中の3、4、7号機が緊急停止。変圧器から一時火災が発生したが放射能漏れはない。

 県によると、柏崎市、糸魚川市で土砂崩れが発生。柏崎市でごみ焼却場の煙突が倒壊した。長岡市消防本部によると、同市大積の国道8号で土砂崩れが起きた。

 県教委によると、17日は小、中、高校など66校が休校する。


新潟日報2007年7月16日
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鉄道事故調が調査官4人派遣

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は16日、脱線事故が起きた柏崎駅構内と信越線・米山―笠島間の第1米山トンネル(柏崎市)内に鉄道事故調査官4人を派遣した。柏崎駅構内では停車中の2両編成の先頭車両が、第一米山トンネル内では走行中の17両編成の貨物列車の機関車が脱線した。


新潟日報2007年7月16日
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生死分けた被災現場にぼう然

 亡くなった刈羽村井岡の五十嵐キヨさん(79)は、1階部分が押しつぶされた木造住宅の下敷きになった。キヨさんは地震が起きた時、ナスやトマトを育てている近くの畑から戻ったばかり。戻るのを見かけていた近所の人らが壁をはがし、10分ほどでこたつの辺りで体を縮めていたキヨさんを救出したが、既に意識はなかった。

 同居している長女の敏子さん(57)は16日から柏崎市でパートを始めたため、家にいたのはキヨさん1人。中越地震直前に飼い始め、キヨさんもかわいがっていたビーグル犬も下敷きになった。駆けつけた敏子さん(57)はキヨさん死亡の知らせに「一瞬だったんでしょうね。畑から戻るのがもう少し遅ければ…。運が悪かった」とぼう然とした表情だった。

 地震発生直後の混乱で警察や消防にも出動を断られ、キヨさんの搬送先は長岡市と柏崎市で二転三転した。近所の女性(41)は「キヨさんは明るくて優しく、笑顔が仏様のようだった。(消防なども)大変なのは分かるが、もっと早く救出に来てくれていれば…。中越地震の教訓が生かされていない」と目を赤くしていた。

 崩れ落ち粉々になった土壁の粉じんがもうもうと立ち上る中、怒声を上げながら救助に奔走する住民。柏崎市新花町の住宅倒壊現場ではがれきの中から3人が運び出されたが、中村エツ子さん(81)は周囲の願いもむなしく亡くなった。

 近所の住民によると、エツ子さんは家主としてぺしゃんこになった住宅の1階に1人暮らし、貸家にした2階に2世帯2人が居住。地震当時3人とも家にいた。

 電話が通じず救急車も呼べない中、付近の住民約20人が自宅の被害も顧みず救助を始めた。声を掛け合い「痛い」などと声が返ってきたところから、のこぎりを使うなどして懸命にがれきを取り除いた。

 1時間以上たってから、3人は順次運び出され病院に搬送された。病院で遺体と対面したエツ子さんの親類の女性は「急なことで気が動転している。いろんなところに連絡しないと」と話し、足早に立ち去った。

 倒壊現場で救助を見守った同所の品田秋夫さん(71)は「救急車も来ないから布団を担架代わりにして運び出していた。2時間以上埋まっていて助け出された人もいた」と話し、ドアにぶつかり流血した額をさすった。

 エツ子さんをよく知る付近の女性(76)は「カラオケが趣味で、会えば元気にあいさつする明るい人だった。本当に気の毒」と言葉を詰まらせた。

 亡くなった柏崎市茨目2、中村典子さん(78)は1人暮らし。倒壊した家屋に挟まれて身動きが取れずにいたところを近所の住民数人が抱きかかえて救出し、乗用車で病院に運んだ。住民によると救出時、典子さんは「痛い痛い」とつぶやきながらも、意識ははっきりしていたという。

 近所に住む主婦村田鈴子さん(63)は「よく家の前で世間話をしたが、にこやかで気丈な人だった」と無念そうに話した。


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石田ふたみ