『日々の映像』

2006年12月09日(土) 企業優遇税制鮮明に 政府税調答申

 国民は賢くならなければならない。政府は更に企業減税(この穴埋めは所得税の定率減税の撤廃など)を本格化する気配である。政府税制調査会(会長・本間正明阪大教授)は1日、07年度税制改正の答申を以下の内容で安倍首相に提出した。

1、減価償却制度の見直しなど各種の企業減税を盛り込んだ。減価償却制度の見直しだけで5000億円規模の企業減税が想定されている。その財源は、07年からの所得税の定率減税の全廃(約1.2兆円の増税)で賄われることになる。

2、法人税率については今後引き下げを検討するとしている。 御手洗冨士夫・日本経団連会長らが中国などのアジア諸国や英国など一部欧州の国並みにすべきだとして主張する「法人実効税率の10%程度の引き下げ」をすれば、4兆円規模の減税になる。その財源を他の税源で賄うとすると、消費税(現行5%)なら2%幅の引き上げが必要になる。
  
 ここで書きたいポイントは政府税制調査会の答申では、財政再建のためにはいずれ避けられないと見られている消費税増税については一切触れなかったことだ。これは来夏の参院選まで消費税増税議論を封印したい安倍首相の思惑に沿った措置なのである。参院選で衆議院選並みの大勝利を自民党に与えれば、企業減税と消費税アップがすぐにでも出てくることは必至と言わなければならない。国民は賢くならなければならない。政治の流れは国民が握っているのである。

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石田ふたみ