『日々の映像』

2006年11月25日(土) 子ども「孤食」足りないのは、栄養だけではない

 昨日「食育白書」の要点を書いた。 今日はこの問題を一歩深く理解する意味で沖縄タイムスの社説を引用したい。
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  子どもの「孤食」心育む「食」は団欒から
           ――――足りないのは、栄養だけではない。―――
 子どもが一人でご飯を食べる「孤食」や、食事をとらない「欠食」が増えている。県教育庁が実施した「児童・生徒の食生活に関する調査」によると、中学生の二人に一人、小学生の三人に一人が、朝ごはんを「子どもだけ」「一人」で食べると答えている。
 家族全員そろっての朝食は、小学生で23・4%、中学生16・6%、夕食は小学生48%、中学生38・6%にとどまった。
 朝食をほとんどとらなかったり、週のうち何回か抜く子どもは、小学生17%、中学生23・5%だった。
 家族そろっての食事は、全国平均より10―20ポイントも低く、朝食抜きは数ポイント高い。
 孤食の背景には、起床時間や登校・出勤時間といった生活リズムの違い、共働き家庭の増加など、ライフスタイルの変化があるのだろう。
 「時間がないから」「食欲がないから」という欠食は、「食事、運動、休養」の生活習慣の乱れが影響している。
 専門家は栄養の偏りのほかに、「家庭内のコミュニケーションが希薄になり、人間形成に影響する」と、孤食の問題を指摘する。
 食卓の危機は、「心の育ち」の危機でもある。
 調査では主食、主菜、副菜がそろった「望ましい朝食」も、小・中で三割ほどと少なかった。
 家事や仕事に追われ、つい市販の弁当や惣菜で済ませてしまう、休みの日は外食に出るなど、「楽な方へ」という流れは、食事だけでなく子育て全般にいえるのかもしれない。
 一番早く朝食をとる人にあわせて家族が少し早起きをする。両親のどちらかでも子どもと夕食がとれるように仕事をやりくりする。孤食を避ける工夫は、そう難しくない。
 「なにを」「どれだけ」食べるかということとともに、「だれと」「どのように」食べるかを大切にしたい。
 「食育」という言葉が注目を集めている。自分の健康を守り、豊かな食生活を育む教育だ。
 県内でも、郷土料理を通して歴史や文化に触れたり、農作物の収穫など体験学習で食の大切さを学ぶ取り組みが進められている。
 家庭で、すぐにでもできる食育は、家族全員で食事を楽しむ「共食」ではないか。食卓を囲んでの団欒やふれあい、明るく温かい雰囲気は、子どもの心を育てる。
 食事を通してコミュニケーションを図ることの価値を再確認したい。




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石田ふたみ